第25回法定協議会終了

 

都構想に関する経済効果について受託者である嘉悦学園さんをお招きして質疑応答でした。

昨年7月に算出。11月に副首都推進本部会議で議論。反対派ボイコット。

ようやく法定協議会において日の目を見ました。

改めて効果発現について確信に変わりました。っていうか絶対上振れする。

 

そもそもなぜ効果額の議論か

 

この間さんざんコストばかりで、特別区に再編された時のメリットの一つというべき効果額の議論がおざなりでした。

コストも可能性の議論ですが、併せて効果額も議論せねばフェアじゃないという議論のもと、多角的かつ専門的な効果額の算出とその議論をへてより精度の高い大都市制度議論を行うことが本旨です。

 

要はデメリットばかり議論するんじゃなくてメリットも議論しようよ、という話です。

 

大都市制度改革に関する効果額算出について

 

まずはその概要を質問したところ嘉悦大学真鍋教授のご答弁のご主旨が以下。

 

○本調査は特別区設置が与える経済効果について、「政策効果分析」と「マクロ計量経済モデル」という2つのアプローチで試算を行い、定量的な効果を明らかにした。

○政策効果分析では、U字による分析を行ったが、これは長きにわたる実証研究に裏打ちされた極めてオーソドックスな手法。

○財政効率化効果として年間約1,100億円、10年間で約1兆1,000億円を超える試算結果。

〇これは、大阪市がこの間の改革をもっても今なお、効率化の余地があるということが実証的に示されたものと理解。

○マクロ計量経済モデルでは、制度改革に伴う社会資本整備の変化が、どの程度効果を有するかのシミュレーションを実施。実質域内総生産として、約5,000億円~1兆500億円の試算結果。

○これらの効果は大阪経済の成長・発展に寄与するものと認識。

 

U字による分析

 

↑こちらが概要。

自治体運営においては一人当たり歳出額が人口規模等に関してU字の曲線を描くことが長年の研究で議論されてきました。

適正な自治体規模の議論です。

今回の調査では全国の自治体から決算額で歳出の額を抽出し、所与の条件の元一人当たり歳出を算出したものです。

人口規模を横軸に、一人当たり歳出を縦軸にとった場合、U字を描くというオーソドックス手法をもとに算出されています。

そして280万政令市から70万特別区になった場合の効率化効果が年間1000億円、というもの。

 

 

 

この約1000億円のうち500億円が社会資本整備へ、500億円が財政収支に寄与するとの考えのもと、域内総生産が算出されています。

ここから本日の私の主張にいきたいところですが、それよりまずそもそもこの効果発現の蓋然性に関する反論について記載し、その反論についての反駁を記載します。

 

ほんとは自分の主張いいたいけどボリュームが2倍になるんで次回。

 

経済効果に関する反論の論点整理

1、決算値と予算値について

2、事務に関する算出の恣意性について

3、発現の蓋然性について

 

まず論点1 決算値と予算値について

自民党市議団側は、

・算出にあたって大阪市のH28予算値を使用するのはおかしい。

・他のサンプルは決算値なので決算値で算出すべき。そうすれば効果額が下がる。

というものでした。

 

H28年は決算値と予算値の乖離が激しく、予算値のほうが例年の決算値に近似していたため決算値を使用したものであり、恣意的に効果額を上振れさせたものではありません。

現に足元の決算値は大きく改善し、最新の数値を使用した場合効果額は下がるどころか大幅に増加することになります。

加えて数年来の決算値を均して算出された数値を用いても効果額は上がります。

よってまず論点1に関しては批判が成立しない。

 

次に論点2

事務に関する算出の恣意性について

 

こちらは自民さんだけでなく公明さんからもご指摘があったところです。

大阪府と特別区に再編されるにあたり大阪府に移管される事務もこの算出に入っており、再編される特別区側の事務ではなく、効果額に算入していることは不適切というもの。

 

ただ自治体運営は厳密に線引きされるものではなく、たとえば私立大学を保有している自治体は大学事務として歳出はなかったとしても産業施策等で大学に関する事務にも歳出がなされている。こういったことから過度なサンプルセレクションは恣意性があがり正確なデータを抽出することにならない。

よって報告書においては恣意性の排除、所与の条件のもとでは最大限性格な数値が算出されている状態です。

 

この点について議論の経過がありました。

まず自民党市議団が昨年、大都市税財政において始めた主張が

効率化効果額1141億円からこの移管事務の総額が1091億円であるため、1141億円-1091億円=50億円。

効果額は1141億円ではなく50億円だ、というものでした。

しかし、この単純な引き算は理論値である数値から同様の事務を除いていないあまりに稚拙なものでした。

 

そこでその後、昨年10月に公明党府議団から総務常任委員会において、理論値からも移管事務相当分を除いた算出がなされました。

これにより公明党府議団は最低でも年650億円?程度の効果額の算出を主張したところです。

 

恣意性の排除からサンプルセレクションは避けるべき。

万が一、大都市制度移行分を考慮するとしても手法としては公明党方式であり、自民党の算出は残念ながら恥ずかしいレベルの引き算であることが分かったところです。

協議会でも川嶋委員からは「数字がわからんかったからこの(間違った計算式を)使った」というお答えもあったところです。

賛成派の方も反対派の方も、自民党の数字「効果額年-445億円」だけは主張しないでね。

 

論点3

発現の蓋然性について

 

効果やコストは両方もちろん未来の話です。

よって経済効果もコストも蓋然性をしっかり議論せねばなりません。

コストだって可能性でしかないんですよ、確定したものじゃない。

 

さて効果の発現については、U字カーブの右側領域が最適値に近づくことにより生み出されます。

人口280万人という大きすぎる自治体ではかなわなかった改革により住民満足度を上げながら効率的経営のもと歳出額は低減していくと考えられます。

特別区長が4人、特別区議会が4つ誕生することで、選挙等をへて有権者の付託に最大限応えるため(いまの政令市制度では把握しきれない)細かい点も含めて制度上可能な限りの改革に着手する。学術的にも足による投票やヤードスティック競争など、都市間競争について多面的な効果について研究がなされています。

その過程を通じて住民満足度を上げながら最適なサービスの提供、そのうえで歳出の低減、最適化がなされていきます。

 

至極オーソドックスな手法に基づき、全国市町村の数値摘出によるU字関数に基づき最適自治体に近づいた時の効果額が算出されている、というのが今回の効果発現のプロセス。この否定は民主主義の否定にほかなりません。

 

反論に関する反駁は以上です。

これまで出された効果額に対する反論、特に自民市議団の反論は残念ながら議論するに値するものではなかったことがはっきりした協議会になったところ。

 

会議があるので今日はここまで。

続き、財政シミュレーションへの反映について、効果額の上振れについては次回以降に記載します。

 

あと日経夕刊一面に載ってた!

大好き日経。

 

 

疲れた・・・会議の合間で打ったので誤字多し。あとで見直して修正します。。