前回に引き続き、いまだにこの主張が聞かれます。

藤井聡教授が根拠のなく不安を煽った罪は大変重いと感じます。

 

都構想における財政調整

 

大阪府は府の財布、大阪市は市の財布で行政を運営しています。当たり前やけど。

府市再編された場合、広域事務が府に、基礎自治事務が特別区に振り分けられるため、その財源と一緒に事務が移動します。

まあもうこの時点ですでにややこしいんですが。

 

おとんとおかんが別々のスーパーで晩ごはんに鍋を食べようと思って食材の買い物してるとして。

おとんが「鳥肉と野菜」。おかんが「豚肉」を買う予定でした。

予算もそれぞれ価格に見合った額を振り分けるとして。

 

おかんが、「あたし肉まとめて買うからその分のお金もらっていい?あんた野菜に集中して。」

ときくので

おとんが「よろしく。ほんじゃ豚肉代300円渡すわな」といって渡しました。

こうして夜には仲良く予定通り、鍋を食べました。

 

なに言ってんの?みたいな例ですがこういうことです。もうこれだけの話。

 

おとんが市でおかんが府です。

役割分担に従って、いま割り振られている予算を役割の人に渡す。財布は一つです。

 

おとんは豚肉を買わなくて良くなり、野菜を買うことに集中できます。

肉コーナーに寄らなくてもいいので効率的だし、よりよい野菜を選ぶことができます。

めっちゃええ新鮮な野菜買えますよお父さん。売り場うろうろせんでええし。時間も短縮やねお父さん。

 

これが


「基礎自治体である特別区は基礎自治行政に集中するためより効果的で住民にあった行政サービスが実現できます。」


ってことです。役割分担。財源と一緒に。

 

これが素案の考え方。

まあしかしこれが法定協議会の素案に書くとお財布の話がこうなっちゃう。

 

 

ややこしす。


さっきの話でいうと、おとん(市)の渡したお金300円が上の図の左下の「2065億円」

 

これがおとん(市)からおかん(府)に移る財源です。

当然428事務(表左下記載)と一緒に財源が移りますよ、という話。


おかん(府)がまとめて肉買う言うてんねんから肉買うてもろて、お金も渡す。

 

「府に財源が吸い取られる」というのは要は

 

「おかんがもらった300円でおかんは豚肉を買うことなく、好きなプリンかって一人で食うてまう」って話です。


それをおとん(市)がめっちゃ心配してる。

もうその時点で夫婦関係破綻してるよね、信頼してないよねもう。

 

 

よし、もう少し真面目に書きます。

 

それでは次に

「おかん(府)は本当におとん(市)からもらった300円(2000億円)をポッケないないするのか」です。

 

藤井教授いわくのこの蓋然性※を証明するなら最低限、最低限以下2点は必要です。

(※財政調整財源を含めて府に移管される財源は市民のために使われず府が好き勝手使う蓋然性が高いとのコメント)

・過去の先例

・論理的根拠(具体的事例や動機および実現可能性)

 

法定協議会では昨年この点を委員間協議で話しました。

蓋然性の立証を求めたところ、どなたもこれを立証できなかった。

それもそのはずです。

そんな議論は現実的に発生しえないからです。

 

移管されるお金は特別会計にて管理されますが、特別会計は地方自治法にも規定されているとおり特定の歳入と歳出に従い執行されるもので、そもそも議会が特別会計に突っ込んできて規定されている内容を超えて、たとえば財政調整の割合を変えたり、府の一般会計にネコババするなんて話はあり得ないんです。ルール上もあり得ないし過去の先例事例もない。

論理的根拠もない。


こんな議論もありました。大阪市内選出の府議会議員は府議会において1/3なので、市外選出府議の方が多く、この財源が取られてしまう。


大阪市内選出の府議は全体の三分の一らしいです。

(らしいですってのはあほらしくて数えたこともないです)

 

大阪市内選出府議 対 大阪市以外選出府議

 

ってなると府議会では市内選出議員が少ないから、負けちゃう、って話です。


これがもう理想的な「不安を煽る商法」ですね。

そんな議論が過去にあったなら教えてほしい。

広域自治体の議会にとってあり得ない議論だからです。

 

(続きは長くなってきたのでまた追って記載します)


 続きは「広域自治体の役割から都構想後の広域行政のあり方を考える」