本日は維新塾。難波御堂筋ビルに500人での受講、いつもながらに熱気がすごいです。

本日は元財務官僚の高橋洋一先生に財政・金融・税制等でご講義いただきました。



高橋先生は消費増税には反対とのこと。

「増税=税率を上げること」であり、増税が税収増になるとは限らない。

消費税3%から5%に上昇時も、法人税、所得税の減収により税収は減少したとのこと。


増税すれば財政再建、増税すれば社会保障が回る、かのようにとらえることは全く危険、という点では鈴木先生と同様のことをおっしゃられておりました。

増税を唱える政治家は既得権益に切り込む勇気がなく、短絡的に財政再建=増税を唱えており、議論から逃げているとのこと。

特別会計や外郭団体などに切り込み、いわゆる「シロアリ退治」。規制緩和などによるマーケット開放などで既得権益に切り込み。

この点、実際小泉内閣時代に竹中平蔵氏と行った実際の改革経験を元に語っておられる分、説得力がすごい。



税制については大前提として、国民総背番号、国民総確定申告、歳入庁の設置。

これにより現在のややこしすぎる税制度を簡素化し、フラットタックス検討・課税最低限の見直しに取り組む。

この国民総背番号制については、これだけ各種制度が発達しながら存在しない事時代がおかしい。

社会保険制度の部分でも議論になりましたが、税制、社会保障、経済活動、各種手続き、すべてに共通する個人に付された「番号」をもとに情報管理、適正で効率的な行政運営を目指す。

これは非常に大事。横の情報共有がないため、行政事務が大変非効率になっています。

未納金滞納金未収税などへの対策のためにも効率的な情報管理をもって厳格な行政事務を効果的に運営しなければ、「まじめな人がばかをみる」行政では国民の行政に対する不信感が増し、制度の維持が困難になってくる、さらに柔軟な制度改変もかないません。



また、金融政策、通貨政策。高橋先生の専門分野で大変勉強になりました。

地方に権限がなく、中央が専門で行うこの金融通貨政策。

わが国の中央銀行と政府との関係に難あり。日銀法により独立性を担保されている日銀が通貨量など金融政策の中心を担っているが、そもそも金融政策と経済対策には強固にリンクしており、他国の例でいうとFRBでは金融政策を担うのはもちろん、失業対策までFRBの業務の範疇とのこと。

マネーフローを増やせば雇用が増加する。マクロ経済学の風が吹けば桶屋が儲かる。


自国通貨量を増加させる

対外国通貨に対して自国の通貨の価値がさがる(ex 円安ドル高)

輸出産業の収益増

雇用創出

(ここから法人税増を経て、政府のプライマリーバランス収支を改善する。高橋先生いわくの消費増税なしの財政改革のロジックはここ)


これがマネーフローと雇用の「風」と「桶屋」

この点については賛否あろうかと思います。

実際小泉政権時代に明暗の分かれた分野ははっきりしている。それでも確かにプライマリーバランスは明確に改善した。企業の国際競争力もいまよりはるかにいい時代だったと記憶しています。

それでも国内産業がダメージをくらった例も多々あり。格差が広がったという批判が起きたのもこの時代。

市場開放と自由競争を目指すなら、先の小泉政権時代を鑑みてセーフティネットも同時に考えておく必要があるかと思います。


ともあれ中央銀行にここまで口が出せない政府も世界的に珍しいとのこと。

責任の所在。

法改正により政府に干渉させるか日銀に更なるタスクを課すか。ここは議論がさらに要するかと思います。


書ききれない部分も多いし、少し飲み込めない点もあるが、大きな軸は鈴木先生の社会保障制度の改革と連動しています。

しかし、これ全部やるにはどれだけの人間を敵に回すかと考えるとゾッとします。

グレートリセット・・・