※前回のブログ「リノベーション」はこちら→
やはり特質すべき空間は、3階のホール。
ここにも村野藤吾のエッセンスが凝縮されています。

白いエントランスホール

長円のトップライト内部は、有機的な意匠

脇の水盤には、他の建物の姿が映る

3階にエントランスホールがあるというのは、気に掛かる
立地は、駒沢通り沿いで、目黒川、山手通りとの交差点から始まる
緩やかな坂の途中にある。
最寄り駅は、東急東横線・東京メトロ日比谷線の中目黒駅
このエントランスホールは、駅からは最も遠い敷地のカドにある。
しかも、アプローチは駒沢通りに面するのではなく、
一本脇道に入ったところにあり、エントランスが持つべき機能である
「利便性」という観点においては、不適合と言わざるをえない。
しかし、別の観点から見ると、明解に解ける。
竣工当時は、来客用のエントランスだったとのこと。
しかも、本社機能を受け持つ建物であることを考慮すれば、
VIP用の来客エントランスにも対応できることが求められる。
自動車でのアプローチを考えれば、駒沢通り側の利便性が良く
さらに、坂を上ったところにエントランスをあっても問題はない。
何よりも、このエントランスからは、これらの建物が一望できる。
一番のビューポイントであることは間違いない。
来客者を高揚させるデザイン・レイアウトが、会社への期待感、好印象へと繋がる。
村野藤吾の設計の妙を正に感じる。
