沸騰都市 ドバイ | 横山武志建築設計事務所blog

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若手建築家のアイデアの素

NHKスペシャル「沸騰都市」 第1回ドバイを見る。


ドバイについては説明するまでもなく

21世紀に突如現れた、砂漠上の投機都市。


映像では、不動産バブルの様相とその熱狂が描き出されていた。

建物完成前に売買が繰り返される現状を見て、

先日、北京で活躍する建築家との話を思い出す。


「北京のディべには、保有という考えはない」


すべてがそうとは言えないと思うが、

建物を企画し、建設して、早期売却出来れば、

次のプロジェクトへの投資が出来て、好循環が生まれる。


日本で10年かかるプロジェクトが2~3年で完成する


しかし建物としては、良いことはあまりないように思える。

昨夏、北京に行った時、建築デザイン的にも話題になったプロジェクトを見に行った。

竣工後3年程度にも関わらず、外壁の塗装がボロボロ剥がれていた。


聞くと、仕上の材料が、耐久性のあるものが使われていないと言う。

10年20年経ったときに、どうなるのか?

適切なメンテナンスがなされるのか?

様々な不安は過ぎる。


以前、ドバイについて講演を聞いたことがある。


レニエ・デ・グラーフ講演会

http://www.ykym.sakura.ne.jp/top/archives/2007/08/post_77.html


OMAがドバイのプロジェクトのコンペにおいて、

ドバイの他の建築のデザインを皮肉をこめたプレゼンをしていた。


これだけの建物が建てられながら、

建築デザインとして、著名なものはほとんどない。

帆の形をした「ホテル、ブルジュ・アル・アラブ」や

ザハの高層ビルと安藤忠雄氏らの美術館等の開発程度なのでしょうか。

既存の世界の都市でも同様な状況なのは変わらないのかもしれないが、

21世紀の都市として、なんらかビジョンがほしい所でもある。


それが世界一の高さを競う「ブルジュ・ドバイ」なのか?