愛の歌アダージェット | 音楽のある日々の便り

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ヴァイオリニスト、シンガーソングライターの向江陽子が送る音楽にちょっと詳しくなれるブログ


今日すんごーく暑かったですね!!
長袖のティシャツ1枚でも汗かきました(✖﹏✖)↷

でも明日からまた寒いみたいですね。
皆さん体調気をつけてくださいね|ω・`)

さてさて今日は昨日のお知らせ通り、愛の歌についてお話ししようかなと思います。


今日はこちら!

マーラー作曲のアダージェット。


映画『ベニスに死す』
のテーマ曲でもあるこの曲は、実は交響曲の中の1部なのです。
単独でも演奏されるので、よく間違えられやすいのですが!
マーラー作曲の交響曲第5番の中の第四楽章がこの有名なアダージェットです。


弦楽器とハープのみで演奏されるとても珍しい形態の曲です。


さてさてこの曲はマーラーが愛する妻アルマに捧げた曲です。

マーラーとアルマはこの第5番を作曲中の1901年11月に出会い、12月に婚約、翌1902年3月に結婚しました。その年の11月には長女が誕生しています。

マーラーがアルマに一目惚れをし求婚したそうです!!

このアダージェットを含む交響曲第5番は1902年に完成しているので、アルマへの愛の気持ちが溢れている時期に完成されたことになります。

マーラーの溢れる愛が曲のみならず、手紙としても残っています。

「Wie ich dich liebe, Du meine Sonne, ich kann mit Worten Dir's nicht sagen. Nur meine Sehnsucht kann ich Dir klagen und meine Liebe. (私がどれほどあなたを愛しているか、我が太陽よ、それは言葉では表せない。ただ我が願いと、そして愛を告げることができるだけだ。)」

愛されていますね、アルマ。
2人の年の差は20歳ほどでした。
当時マーラーはすでに40歳を超えており、アルマはまだ20代。
アルマも作曲活動を行なっていたのですが、それをマーラーが禁じ始め、2人の関係には亀裂が入り始めたそうです。
そしてアルマは若い建築家と恋に落ち、マーラーのことはもう愛さなくなりました。

マーラーはそれでもこの世を去る直前までアルマとのよりが戻ることを信じ、作曲を続け、アルマへの愛を語り続けたそうです。


一途の愛、とても素敵ですね。
こんなお話を知った上でまたアダージェットを聴くと、暖かい気持ちになりながらも、切ない気持ちがよぎるようなそんな気がします。
マーラーの愛が時間を超えてまだそこに存在すると思うと音楽って素敵だなあと思います。

この世を去った後でもこうして何かを残せる人になりたいな。


今日はこの辺で♪
Arrivederci♪

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