「好きなものどれでも。ひとつ持って帰っていいよ!」といわれたら?
現代アートに一歩近づく魔法の言葉

サポータートークとは、団体で来場されたお客様向けにギャラリーに入場する前の短い時間で、
ヨコハマトリエンナーレ2011の概要とサポーターおすすめの一点をご紹介するものです。


この春、神奈川県民となり、かねてより念願のヨコトリサポーターになりました。


会場運営サポートも楽しんでさせていただいていますが、来館者の皆さんに、
自分で気づく楽しさや同伴者と感想を共有する楽しさをぜひ体験していただきたいと思い、サポータートークを担当しています。


$横浜トリエンナーレサポーター事務局


先日お話させていただいた小学5年生のみんなはとても静か!
おすすめの作品は、実は選べないほどたくさんあるのですが、欲張りすぎず、
ちょっと楽しいエピソードと鑑賞のポイントをひとつだけご紹介することにしました。


私のおすすめは、岩崎貴宏さんの作品。


かつて観たのは何枚ものタオルの繊維を引き抜いて色とりどりのタワーを林立させていたものや、
文庫本のしおりをほどいてクレーンを編み上げたもの。


「今回も、そんなごく身近にあふれている素材から、ちいーさな作品をさらに遠くからみせる工夫をしています。小さくても存在感たっぷりです。ギャラリーを出て、その小さな作品をたまたまみつけた方は、つい階段を踏み外すほど。あまりに踏み外すお客様が多く、今は階段に手すりがついているのですよ。」


「ああ、これか」と通り過ぎてしまわれないように、詳しくなりすぎず、
でも興味を持ってもらうために考えました。

だって、種を知っているマジックをみても楽しくないですよね?
みんなの顔にちょっと光が浮かんだ気がしました。


$横浜トリエンナーレサポーター事務局


最後にもうひと言。鑑賞のポイントとして投げかけたのが、冒頭の言葉です。
「好きなものどれでも。ひとつ持って帰っていいよ!」といわれたら?

みんな、お気にいりの一点をみつけてくれたかな?
お友達とそれを選んだ理由をおしゃべりしてみてくれたでしょうか?


お気に入りの一点を、今度は子ども達が自分の言葉で語ってくれることを願っています。



ヨコハマトリエンナーレ2011サポーター H.K