10月2日(日)、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK、以下「NYK」と表記)BankART mini
で第2回サポーターズサロンが開催されました!
今回のゲストはヨコハマトリエンナーレ2011チーフ・コーディネーターの岡しげみさんです。

横浜トリエンナーレサポーター事務局


チーフ・コーディネーターのお仕事は「何でも屋」のような役割で、NYKでの展示の監督はもとより、
作品点検や現場での輸送、施工スケジュールの取りまとめ、基本的な書類や予算の管理、
時には作品の修復や修理も行い、その職務は多岐に渡ります。
現在はトリエンナーレ会期終了後の撤去準備も始めているそうです!

岡さんの横トリとの関わりは10年前から続いています。岡さんはセゾン美術館、草月美術館の
学芸員を経て、横浜トリエンナーレ2001をはじめ2008年、2011年とコーディネーターを務め、
2005年を除いてすべての回で横トリと関わっています。
また絵画保存研究所で絵画の修復をしていました。多摩美術大学や武蔵野美術大学で
講師もしています。

そんな岡さんを囲んでのサロンはサポーターさんからいろんな質問が飛び交い、
NYKでの苦労話も交えた楽しい会となりました。
今回のブログではその一部をご紹介します!

NYKでの展示準備は、まさに「時間との戦争だった」と振り返る岡さん。
さらにNYKは植物や土など、通常は美術館での展示が不可能な作品が多く展示されています。
その分の湿度などの環境管理が難しいとのことです。

例えば、シガリット・ランダウの《棘のある塩のランプ》に湿気は厳禁ですが、近くに植物
(ヘンリック・ホーカンソン《倒れた森》)もあるため完全な除湿対策をとることはできません。
そのため、エアコンと除湿機を24時間稼動させています。
そのほか作品ごとの特性によっての苦労があるようです。

横浜トリエンナーレサポーター事務局


お話の後は質疑応答の時間となりました。
■開館していない時間の《The Clock》はどうなっているのですか?
コンピュータのなかで24時間動かしています。他の時間のものを見ようとするとプログラミングが
大変です。
※クリスチャン・マークレー《The Clock》の24時間上映イベントが決定しました!(10/26(水)20:00~27(木)20:00)
詳細はこちら

■今回、休場日があるのはなぜですか?
最初、休場日の予定はありませんでした。しかし、3月に地震があり、節電対策のため休場日を
設けることになりました。
実は美術館での当初の展示計画はエスカレーターを利用した動線を考えていました。
しかし、美術館は所蔵作品の管理もあるので空調を切ることはできません。
そのため他の部分での努力が必要となり、結果としてエスカレーターが使用できなくなりました。

■ヘンリック・ホーカンソンの植物は日本のものですか?
日本の植木屋さんと調整して日本の植物を入手しました。ヘンリック・ホーカンソンの《倒れた森》
とピーター・コフィン《無題(グリーンハウス)》の作品は同じ植木屋のもので、会期終了後は
返却します。
またホーカンソンの《根の付いた木》は、作家の意向で、売っている木ではだめだったため、
担当者は、根ごと掘り出せる木を探し出すのに苦労しました。


そのほか、サポーター活動に関する意見もあり、平日の会場運営サポーターが少ないのでは
ないかとの声や、サポーターどうしの横のつながりを大切にしたい、もっと他のスタッフとの
コミュニケーションも大事にしたいなど、みなさん様々な思いをお話ししていました!

質疑応答後、参加者のみなさんで2つの展覧会の招待券を分け合い、平和なうちに
第2回サポーターズサロンは終了しました。
実は解散後もBankART Pubにていろいろなお話があったのですが、そちらの様子は割愛させて
いただきます。

貴重なお話がたくさん聞けました!
岡さんありがとうございました!!

サポーター事務局 山野