「一人では、やっぱり何も出来ない」
ライアーゲーム / 甲斐谷忍
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就活の選考でライアーゲームやらされた
http://blog.livedoor.jp/roadtoreality/archives/51486670.html
就活で特殊なゲームをやらせるのは勝敗よりも「特殊な状況でどういう風に振る舞うのか?」という人間性を見る事が多いけれど、これは単純な勝敗で決めてるっぽいですな。
こんなので学生さんの資質を測れるのか?……と思いますが、このスレを立てた人の説明が酷すぎて「ああ、こういう人を落とす為なのかな」とか考えさせられたり。
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こういうゲーム「自分だったらどうする?」って考えるのが楽しいです。僕は「他人の指示に従う」という発想がキライなので、自分の所属するグループに対して
・8名中、最大で6名しか合格出来ない。
・ゲームの進行によっては5名以下しか合格出来ないケースがある。
・だから我々はグループ内の生存率を高める努力をしないか。
と説得し、
・このゲームをプレイして勝利する自信のある人は居るか?
・居るとすれば、単独で戦ってもらって構わない。
・でも残された人でグループを作れば必ず勝利出来るけど?
と、離脱者を抑止して
・平等を期する為に、クジかジャンケンで決めよう。
と提案する、とかですかね。
まあ現場でその提案を思いつくか微妙だし、実際に上手く行くかどうかわかんないですけど。とにかく「誰かの指示で騙し合いして就活の合否を決める」っていうのはヤなので、いずれにしてもゲーム外勝負を提案する気がします。
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ちなみに最初は「一億円札をコピーしてバラ撒けばいいんじゃね?」と思ったんですけど。きっとそのあたりは抑止されてる予感。
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ちなみにあらゆる選考の最終的な攻略は、ゲームを上手くクリアする事でも、頭の良い回答をするのでもなく、「選ぶ側になる」事です。
ちょっと考えればわかりますが、全ての試験官が自分が出す試験をパスしている訳ではありません。東大を最初に作った人は東大を卒業している人ではありません。自分は試験もパスしていないのに、他人に狭い関門を通らせようとする巧妙な人が存在するんですね。
こうした「選ぶ側になる」方法はイロイロありますが、その道を大人はなかなか提示しません。表玄関からの受験が全てかのように装うので注意が必要です。
それでは。
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全ての答えが出た。どう生きるべきかということを除いて。
/ ジャン・ポール・サルトル
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ひさしぶり日記。
なんか本格的にボンヤリしてました。
リハビリがわりに力を抜いた日記。
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300℃の熱湯をカップ麺に注いだら1分で出来上がるよな?
http://channelz.blog118.fc2.com/blog-entry-1563.html
超科学的なスレ。イロイロヤバイ。
時間と空間を超越してる。
自分の中出、光速ウンコスレに並んだ。
光の速さでケツからうんこ出したらどうなるの?
http://imihu.blog30.fc2.com/blog-entry-2696.html
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俺らは最初期世代の宇宙人ってことになるのかしら
http://japan.digitaldj-network.com/archives/51695255.html
なるほど。そういう事になるのか。
前提がイロイロ怪しいけど、面白い推論だなあ。
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なるほど!と思うけど、毎回忘れるネタ↓
「英語圏の人とお話しすると『東洋の漢字ってやつはクールだよな、俺にも何か教えてくれよ』と言われたりするので、そういうときはじゃあアルファベットのAとOとPで書けるやつを教えてあげようと返すと中々ウケがよい」
http://twitpic.com/85x9do
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っていうか今日の格言は前に取り上げたな。
ま、いいか。(←力の抜けている様子)
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失敗に対する理由は400万もあるが、
詫びの言葉は一つたりともない。
/ ラドヤード・キプリング
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これまでの話。
【ゲーム開発】ゲームとお金の話 その1 「それはゲームか?」
http://ameblo.jp/yokota6/entry-11129148458.html
【ゲーム開発】ゲームとお金の話 その2 「お金と時間」
http://ameblo.jp/yokota6/entry-11135250229.html
【ゲーム開発】ゲームとお金の話 その3 「ソーシャルゲームが嫌われる理由」
http://ameblo.jp/yokota6/entry-11140630099.html
【ゲーム開発】ゲームとお金の話 その4 「正しいお金儲けとは?」
http://ameblo.jp/yokota6/entry-11154738965.html
今日は長文になりました。
短い方が読みやすく読者にも自分にも優しいと思いますが、いい加減決着をつけたいので一気に終わらせます。
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前回の話→「ソーシャルゲームは法的には賭博じゃない……今のところは」。
まあ違法では無いのですぐに司法組織がアクション起こしたりする事は無い、という事で。しかし、ある特定の問題が社会問題化すると普通はそれに対する自主規制が行われたり是正勧告が行われたりします。たとえば
ビックリマンチョコと社会問題(是正勧告)
Wikipedia http://bit.ly/yts1LE
ペプシコーラのおまけ(是正勧告)
http://bit.ly/xBfZ4l
とか。ビックリマンやペプシなんかは「お金で買えるモノが不透明で格差がある状態」という点が問題だったのですが、別に他の商品にもそういうタイプのものは沢山ありますよね。トレーディングカードとか。でもビックリマンやペプシだけが問題になった。
この場合、問題になるのは「売れた量」でした。正しさの加減ではなく、影響の量。
携帯ソーシャルゲームについても、既に消費者庁が「完全無料表示やめれ」みたいな表示を出すようになって、各社それなりに気を遣っているみたいですが。
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では何故、社会問題化するか?
あんまり表に出てこないんですが、ソーシャルゲーム系の売り上げ比率を大雑把に言うと
・全体の10~30%が課金ユーザー
・課金ユーザーの10%が超課金ユーザー
こんな感じだそうです(※あくまで知ってる範囲の話なので全部が全部そういう構成かどうかは知りませんが)。「超課金ユーザー」ってのは一日で何万も使っちゃったりするような人達です(※今勝手に名付けました)。つまり全体の1~3%がもの凄い金額を投下してるんですね。
この「超課金ユーザー」が運営としてはもっとも大切にすべき相手です。残り99%なんて売り上げ的には大して大事じゃない方針(って作ってる人が言ってたのでそのまま記載)。事実かどうかは知りませんが。まあ、データとしては
2012年のソーシャルゲーム市場の展望
http://gamebiz.jp/?p=47627
とかを読んでいただくとして。←先に出せ。
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ともかく、比率的に課金ユーザー・超課金ユーザーは少ないですから、なるべく全体のパイを大きくしないといけない。結果的にCMをバンバン打って課金ユーザーを増やす必要がある訳です。
「99%のユーザーは大事じゃない」という事は「大事なユーザー一定量を確保する為にはその100倍の参加が必要で」という事になります。参加でこれだけ必要なんですから、周知するのはさらに10~100倍の人数になります。
だから、CMを大量に打つ。そうすると一般に周知されますし、超課金ユーザーも非常識な高額を投じる人が出てくる。
「何万人も声かけて少人数が当たればいいや」という売り方は、オレオレ詐欺やフィッシングサイトと同じ流れです。しかしこのやり方は派手なので目立つんですね。目立ては叩かれる、簡単な理屈です。
大ヒットしたソーシャルゲームが社会問題化するのはその販売方法の構造に原因があるんです。
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社会問題化した場合、どういう流れがありえるのか?
まずは業界団体による自主規制。
消費者庁や公正取引委員会から「オイオイどうしたんだよオマエらなんとかしろよ」って言われる前に「いやいやウチはちゃんとやってますから」って言う組織。コンシューマーで言うところのCECAとかです。
ちょっと話がそれますが、ビデオゲーム業界ってのは元々はゲーセンから始まったんですね。黎明期はテキ屋とか裏社会とかと繋がっているような世界だったんです。老舗のゲームメーカーにはヤクザに対応する専用の部隊が居たくらいで(今はどうか知りませんが)。
それが産業として大きくなって、一般化するときにダーティなイメージがあると問題になる訳です。PTAや警察からの攻撃されちゃう。だから、AOUとかCESAとかの団体を作って(※)そこがなるべくクリーンなイメージになるような自主規制・施策を打つ訳です。
※自主規制の為だけでは無いですが。
なんで自主規制するか、と言うと公的権力の介入があると意味のわからない規制が行われたりするわけですよ。↓みたいな狂人が出てくるわけです。
都知事選出馬表明の松沢氏「首都圏で"暴力ゲーム"規制する共通ルールを」
http://news.nicovideo.jp/watch/nw39910
公的規制はユーザーの事も業界の利益も考えませんから、たまったもんじゃありません。だから事前に「ちゃんとやっていますよ」というアピールをする必要がある。それがCEROだったり映倫だったりするわけです。
パチンコなんて常に目を付けられていますから、ものすごい自主規制でガチガチの世界です。他業種なんであまり詳しくないんですが、流血表現やお色気描写なんかもゲーム以上に厳しい世界だそうで。
本命がある中・・・【表現規制】!?
http://bit.ly/wRuqLO
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で、ソーシャルゲーム。
CEROなんかの団体は反社会的な存在になるのを極度に恐れますから、ソーシャルゲームに於いて自主規制ルールを作る可能性はあり得ます。
ただ、CEROはコンシューマーゲームを基本とした団体なので、そんなところに利権を握られるよりはグリーとかが別の団体(たとえば携帯電話ゲームの業界団体)なんかが発足するのかもなーと思ったり、しました……が、二大巨頭のモバゲーとグリーが仲悪すぎるのでちょっと無理っぽい予感もします。
DeNAがグリーを逆提訴、損害賠償と謝罪文を要請
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20120131_508809.html
そもそも携帯ゲーの会社さんはゲーム業界の古いしきたりには囚われずにアグレッシブな攻めを見せたりするので自主規制なんてしないかもしれませんし。
グリーのゲームの元ネタ画像一覧
http://matome.naver.jp/odai/2131661871024177801
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ソーシャルゲーム業界ってのはいわゆるIT業界から流れてきたスーツ族の人が経営陣に多いらしく「ソーシャルゲームはビジネスの一つに過ぎないので滅びたらまた別のITで儲ける」と考えている人が結構居るそうで。(※なんか人から聞いた話が多いので、本当に話半分にしといてください)
だから業界にアイデンティティをヒモ付けるような行為、たとえばクリエイターが名前を出して表に出てきたり、開発会社の名前を押し出すような事があんまり無いとか。
ITの人達は自主規制なんかせずにパーッと儲けて禁止にされたら別の畑を見つけるのかもしれません。
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他に公的規制を回避する手段を考えてみます。
社会問題化するには母数が多くないとダメです。母数を増やすにはプラットフォームが大きくないとダメ。だから携帯電話のプラットフォームが一番社会問題化しやすい。
携帯電話というシバリでいえばゲームプラットフォームの「モバゲー」「グリー」が二大巨頭で、あとは携帯キャリア(ドコモ/ au / Softbank)です。
規制をかける対象になる相手の会社は意外と少ないんですね。
ダイヤルQ2の時もアダルト系課金で問題になりましたが、NTT一社だったので社内規制だけで全て丸く収まりました。
ダイヤルQ2はそれからどうなったのか
http://www.timesteps.net/archives/1696132.html
昨今の携帯ソーシャルゲーの隆盛は携帯課金にヒモ付いたマイクロペイメント(少額決済)が大きな理由ですから、そのあたりを締めればそれなりの効果はあると思います。ちなみに今はやっている場所や、やっていない場所があるようです。
Q.モバコインを購入できる上限額はありますか?
http://yahoo-mbga.jp/help/content?no=65&id=87&pid=1267
Q. ユーザ一回当たりの決済限度額や、特定期間の一人当たりの利用上限金額は設定されていますか。
http://developer.dena.jp/mbga/contact/faq1.html#4_5
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決済や金額規制以外に、何を規制するか?という部分はかなり難しい話で。
前回書いたパチンコ業界の倍率規制は「金で金を狙う」というわかりやすい構図だったので規制しやすかったんですが、ソーシャルゲームは「金で情報を狙う」というタイプなのでいろんな抜け道があります。今流行のコンプガチャや多連ガチャなんかがありますが、
モバイルSNSゲームが儲かる本当の理由。かーずSPはなぜ15万もつぎ込んだのか?
http://togetter.com/li/255073
【マジキチ】 ドリランドに一瞬で18万使った課金厨登場!コンプリートおめでとう(´;ω;`)
http://jin115.com/archives/51845401.html
ガチャシミュレーター
http://49.212.5.128/compsim/
これらを規制しても他の手段はいくらでもありますから。
パチンコと違って台があるわけでもないので、裏で操作もし放題です。
ペニーオークション - Wikipedia http://bit.ly/ohWRSl
みたいなテクニックとかありますし、本当に何でも出来ます。
なので、個人的にはシステム的な規制は難しいんじゃないかなーという印象です。
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社会問題化するのを回避する他の方法としては、ターゲットを狭く深くする、という手があります。これは本来のソーシャルゲームの構造からすると逆行しているんですが、濃いオタク(信者)であれば金払いもイイのでビジネスとして成立します。
モバゲじゃなくてアイマスが凄い
http://d.hatena.ne.jp/nakarx/20120210/1328865886
「モゲマス」にニートショック到来! 「双葉杏」を求めて大金をぶっ込むプロデューサーが続出
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1202/02/news013.html
【アイマス シンデレラガールズ】課金につかれたモゲマスPに捧ぐ名言集 ほぁ
http://blog.esuteru.com/archives/5851757.html
なんという嬉しそうな悲鳴。完全にお布施です。
ちなみにモバゲーアイマスでバレンタインのイベントカードかなんかが貰えるらしいんですが、20万人(※推定)くらい居るユーザーのうち上位500名がもらえるらしいです。その倍率
0.0025。死ねます。
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大量の広告を打つ戦略だと、どうしても焦土戦になりがちです。ケータイソーシャルゲームもその兆しがあります。一方で「狭く深い」ビジネスは不特定多数をターゲットにしないので社会問題化しませんし、広告宣伝費も安く済みます。
コンシューマーゲームでもそうでしたが、不特定多数へのビジネスから特定の狭く深いユーザーへのシフトは必然な気もします。
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で、モバゲーアイマスの未来をちょっと想像してみますが、
・モバマスのキャラから総選挙してコンシューマー版に抜擢。
・コンシューマーパッケージにモバマスのカードをプレゼント。
みたいな連動施策がいくらでも思いつきます。
実際に画面を作った有志の人も居るらしいですが。
『アイドルマスター シンデレラガールズ』のキャラを使ってコンシューマ版アイマス風画面にした有志の力作が凄すぎる!
http://blog.esuteru.com/archives/5867272.html
これは架空の作品ですが、こうしたソーシャルゲーム以外の製品との連動が開始され、複雑な収益構造になると。
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ということでソーシャルゲームの未来の予想をしてみると、
・このまま増大すれば社会問題化する。
・しかし規制は抜け道が多く実効性が乏しいので行われない。
・だから「怪盗ロワイヤル」のような全方位的製品は減る。
・そして狭いターゲットにシフト。
・他製品との連動・融合の開始。
こんな感じでしょうか。
ゲームでも何でも、何事も飽きというのはやって来ます。対戦ゲームのブームがスト2~バーチャ2を頂点としてゆるやかに下っていったように、ソーシャルゲームもやがて縮小する(かその姿を変える)でしょう。
今ある問題よりも、そちらの未来の姿を考える方が個人的にはワクワクします。
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~反省会~
長々とお付き合いありがとうございました。
ということで、長々と続いた考察も終了。
今回はアレですね。ダメでした。コンシューマーに比べるとソーシャルゲーム業界との接点が少なく、日記に深みが出せませんでしたね。一応ここまで引っ張ったスジとして、過去と現状の分析から未来を考えてみましたが、イマイチだった感をぬぐえません。本当は「ゲームとお金」という話についてもっと深めたかったんですが。
専門分野外の事は観客としてワーワー言うか、専門分野の話題に引き込んで新しい視点を提供する方が日記としては面白くなるなあ、と思いました。
これに懲りず今後も本日記をご愛顧いただけますよう、心よりお願い申し上げる次第であります。
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もう最期の時が告げているのを感じます。
……自分の運命は変えられません。
何ごとも摂理の欲するとおりになりましょう。
/ ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
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なんかバタバタし中。
とりあえずニーアの情報だけでもまき散らしておこう……の日。
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ニーアピアノコレクションズが発表されましたね。
http://www.square-enix.co.jp/music/sem/page/nier_piano/
ピアノコレクションはFFとか大作系では出てたんですが、ニーアからも出るとは。いっぱいCDが出てニーアは幸せものでありますなあ。
Amazon: ピアノコレクションズ ニーアゲシュタルト&レプリカント
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0070YG2M4/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&tag=bukkoro-22
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で、発売記念イベントがあるとか。
ニーアピアノコレクションズ 発売記念イベント
http://member.square-enix.com/jp/special/nier_piano/
スクエニメンバーズで応募募集中です。
各メディアさんのリリースは以下に。
電撃オンライン
http://news.dengeki.com/elem/000/000/456/456407/
ファミ通.com
http://www.famitsu.com/news/201202/10009816.html
4Gamer
http://www.4gamer.net/games/098/G009875/20120210068/
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あとニーアの設定資料集が9刷になったとか。
http://twitpic.com/8hxeh7
こちらもずーっとゾンアマでは高いランクのままで恐ろしい子です。なんかニーアは周辺グッズに恵まれております。
ニーア ザ・コンプリートガイド+設定資料集 GRIMOIRE NieR (電撃ゲームス) [単行本]
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4048686712/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&tag=bukkoro-22
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思い出したように過去記事を紹介。
横尾氏へのインタビュー+描き下ろし絵で魅せる『ニーア レプリカント』最終攻略!
http://dps.dengeki.com/2010/06/16/p19180/
なんかここからブログへのアクセスがあったので。
インタビュー何答えたかな……確かインタビューが嫌いな理由をインタビューで答えてた気がします。
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オマケ
スゴイこれ(笑)
http://livedoor.3.blogimg.jp/hatima/imgs/5/8/58dba2eb.jpg
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ククク……
カイジくん 違法も法だよ……
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という事で、ソーシャルゲーム話の続き。
これまでの話は以下の通りです。
【ゲーム開発】ゲームとお金の話 その1 「それはゲームか?」
http://ameblo.jp/yokota6/entry-11129148458.html
【ゲーム開発】ゲームとお金の話 その2 「お金と時間」
http://ameblo.jp/yokota6/entry-11135250229.html
【ゲーム開発】ゲームとお金の話 その3 「ソーシャルゲームが嫌われる理由」
http://ameblo.jp/yokota6/entry-11140630099.html
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最初にお断りしておくと、このシリーズ今回で終わらせるつもりだったんですがパチンコの話をダラダラと書きすぎて終わりませんでした……という事を踏まえていただきつつ、本日の日記スタートです。
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ソーシャルゲームを感覚的に嫌う理由については前回書いたので、今日は「客観的に見てソーシャルゲームでボロ儲けするのは正しいのか?正しいお金儲けってなんだ?」について考える実験をしてみたいと思います。
最初は世の中的に「正しくない」とされているお金儲けについて。
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まず「お金でお金を儲ける」ギャンブルは基本的に違法です。部分的に例外はあるのですが、例外は「これが例外ですよ」という法律があって、そこに記載されているもの以外はやっぱり違法です。
賭博及び富くじに関する罪 - Wikipedia http://bit.ly/zSOAVL
競馬や競輪やFX投資は合法なんですが、賭け麻雀や野球賭博は違法です。ギャンブル以外にも、勝手に宝くじを作ったり、ネズミ講をやったりするのも違法です。
とにかく国家というのは「お金でお金を儲ける」事に対する事に対しての警戒感がハンパじゃありません。そういう事を自由にさせると簡単に経済が崩壊する(と考えられている)からです。だからコントロールしたがる。
という事で、とりあえず法的には「国家がコントロールしている賭博は正しく、コントロールしていない賭博は違法としている」というのが現状です。
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法的な意味ではパチンコはかなりグレーゾーンな遊戯なんですが、警察とべったり癒着し、特殊な法律を運用することである種のコントロール下に置かれていると言えます。ではどういう風にコントロールしているのか?
パチンコ店は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の第二条第一項第七号」という法律で扱われるんですが、業界では簡単に「七号」と呼びます。ちなみにゲーセンは「八号」です。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
http://bit.ly/xNPQ0M
でまあ七号業界は警察や公安委員会にガッチガチに規制されています。僕はパチンコをやらないんですが、一時期勉強した事があってその構造の特殊さに驚きました。知らない人も多いと思うのでサラッと説明してみます。
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まずパチンコには「大当たり」という状態があります。これが今は「1/400」までって決まってるんですね。まあ、パチンコ台の特定のアナに入ったら400回に一回大当たりする、という確率です。
実はこの「1/400」ってのは下限でして、「1/1000」とかにしちゃダメなんです。パチンコの規制はものすごく複雑なので、この倍率についてシンプルに宝くじに変えて考えてみます。
たとえば一回100円のクジがあったとします。
・400回に一度4000円が当たる。
というルールがあるとしましょう。これが「1/400」のクジです。これを換金率を同じにして「1/1000」にすると
・1000回に一度10000円が当たる。
というクジになります。しかしこの低確率にしちゃダメなんですよね。
それは射幸心を煽りすぎるからです。
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射幸心っていうのは「幸せになりたい」という言葉ですが、まあここでは「儲けたい」というキモチです。ということで射幸心と賭博は切っても切れない関係にあると言えます。
射幸心と賭け事 - Wikipedia
http://bit.ly/zchaR1
たとえば前出のクジの倍率をコントロールすれば
A・100回に一度1000円が当たる。
B・400回に一度4000円が当たる。
C・1000回に一度10000円が当たる。
という様々なパターンが作れますが、確率と返金の期待値の割合はABC全て同じにもかかわらずCの「低確率・高配当」が必ず人気が出ます。これはもう絶対です。この「低確率・高配当」の状態を「ギャンブル性が高い」と言います。(※数字に間違いがあったので修正しました)
ですから本当はパチンコ業界はギャンブル性を高くして人気を出したいトコロですが、警察とかにイロイロ言われて「1/400」にしている訳です。
事実、以前のパチンコ業界は大当たりの確率が「1/500」だったのですが、規制によって「1/400」に引き上げられました。結果としてギャンブル性が低下し、客離れが起きたそうです。(イロイロ言われている業界ですが、苦労をしているようで)
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他にもパチンコが特殊で面白いところが「アナに入った瞬間に当落が決定されるのに、アナに入った後にムービーが変化して当選の期待値が変わる」という点です。これ、パチンコやらない人は何言ってるか判らないと思いますので、簡単に構造を説明してみます。(正直自分もよくわかってない気がしますが)
パチンコはいくつかのムービーが連続して流れます。そのムービーの内容が「アツイ=期待値が高い」となります。たとえば
A=すごく当たりそう!
B=普通!
C=当たらなさそう!
という3つのムービーがあるとします。それが
ABC
の順番で流れると期待値はダダ下がりです。逆に
AAA
であれば、期待値は高いまま維持されます。途中で期待値が変わるわけです。ところが規制では「アナに入った瞬間に当落が確定する」事が決まっていますので、本質的には確率は変化しません。確率を変えずに途中の期待値を変えるにはどうするのか?
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その為にはアナに入った時に出てくるムービーのセットを複数用意します。たとえば、以下のようなムービーの順番と当落の組み合わせのリストがあるとしましょう。
当 ムービー
------------
× ABC
× ABC
× ABC
× ABC
× ABC
× ABC
× ABC
○ ABC
× AAA
○ AAA
完全にランダムにここからくじ引きするとしたら、当選確率は「1/5」になります。それ以上でもそれ以下でもありません。アナに入った瞬間に当たっているかどうか判る訳です。
アナに入った後、プレイヤーの視点だと一個目のムービーが流れている間は「当たってるかどうか全くわからない」状態になります。ところが、次に二個目のムービーが流れてそれが「A」であれば可能性として「1/2」にいきなり倍率が上昇します。逆に「B」であれば「1/8」に倍率が低下します。
これが「期待値の変化」なんですね。
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これ、普通のビデオゲームの仕様を切るとしたら「ムービー流す度に抽選を繰り返す」ってやると思うんですよ。その方がシンプルですから。なのにパチンコはわざわざムービーセットを用意してそこから選ぶ方式をとっている。それは「アナに入ったら当落が決定しなくてはいけない」というルールのせいなんです。
他にもパチンコはいろんなルールで縛られています。それはもうイロイロと。
8月1日から始まったパチンコ広告規制の内容
http://bit.ly/xMBSPg
なんか話がそれましたが、まあそのくらい「お金でお金を儲ける」という事は警戒されて縛られていると。
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外国に目を向けてみます。
アメリカはラスベガスにカジノがあったり、オンラインでのギャンブルが可能だったりしますが、それでも規制はされています。
オンラインギャンブル各社がアメリカで規制法案可決で経営危機
http://www.onlinecasino-fan.com/content/view/196/140/
で、ちょっとややこしいんですが「お金でお金を儲ける(ギャンブル)」をコントロールする為に「ギャンブルの描写そのものを禁止する」というケースもあります。以下の例は全部ギャンブルそのものではなく、ギャンブル描写を規制している例です。
ヨーロッパ版『ポケットモンスター』でギャンブル規制
http://woman.excite.co.jp/News/column/20091218/Rocketnews24_21036.html
反イスラム的との疑惑が浮上!
アラブポケモン騒動の行方は?
http://www.cafeglobe.com/news/dailynews/dn20010424-02.html
なぜ? PS3版『二ノ国 白き聖灰の女王』が韓国で成人向けゲームに指定
http://www.kotaku.jp/2011/11/ninikuni_korea_adultgame.html
韓国当局とグーグル、ギャンブルゲーム規制で合意
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2011/09/30/0200000000AJP20110930004200882.HTML
すごい扱われっぷりです。ギャンブル。
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という事で、法的に「正しくない」とされているのは世の中的に
・お金でお金を儲けるギャンブル。
・ギャンブルを描写する事。
この2点です。
ソーシャルゲームは「射幸心を煽る」という点でパチンコと同列にされがちですが、ギャンブルでは無いですし、ギャンブルを描写している訳でもありませんから、法的にはなーんの問題も無いわけです。
今のところは、という条件付きですが。
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でもまあ世の中的には「ソーシャルゲームは射幸心煽りすぎてるけど、どうなのよ?」と言われている事も事実です。その「どうなのよ?」っていうムーブメントが大きくなっていくとこれからどうなるのか?そこんとこどうなのよ?
という事で次回は「お金とゲームの未来」について考えてみたい。
次回こそ終わる!つもりで!
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2laps to go !
リッジレーサー /
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リッジレーサー3DSがソフマップのワゴンで980円だったので購入。
これが意外と面白い。
・懐かしいコースが結構あって郷愁をそそる。
・音楽がテクノばっかりで個人的に好き。
・オマケに音がいい。
・リッジらしい超ライトなゲーム性で気軽。
リッジが久しぶりというのもあるけれど、とにかく懐かしさでいっぱい。「チートレベルに速い1位の車に周回内で追いつく」とか「ドリフトしている間は勝手にコーナー回る」とか、シミュレーションをあざ笑うかのようなバランスが懐かしい。
シミュレーター系のゲームでもこういう挙動にセッティング出来るやつがあるけど、やっぱりどこか違う。というか、シミュレーターでこんなセッティングやろうと思わない。一回転してリッジ新しいと思いましたよ。ええ。
VITA のヤツもワゴンに来ないですかね……
リッジレーサー 3D
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B004J18DK0/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&tag=bukkoro-22
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そうそう。リッジはそろそろ「壁に当たらないモード」を作って欲しいんですよ。
今でも大して減速しないんだから、もう壁に当てなくてOK。っていうか「中央を走った方が速い」とか、そういう無茶苦茶な仕様でいいんじゃないですかね?
他のレースゲーだったら許せない仕様でもリッジなら許せます。
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という事で鎮火しつつあったドライブゲー熱が再燃しそうな予感。最近気になってるドライブゲーは
ニード・フォー・スピード ザ・ラン
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B005663H0I/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&tag=bukkoro-22
なんですが、レビューの評価が微妙ですな。
というかEAは「Shift 2 Unleashed: Need for Speed」をローカライズする気はないんですかね? Shift
が好きだったので微妙に待っているんですが。
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なんかレースゲーはちゃんと買ったモノよりワゴンで買ったヤツの方がハマる率が高いのは何でだろう。お値打ち感?
謎です。
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この世を動かす力は希望である。
やがて成長して果実が得られるという希望がなければ
農夫は畑に種をまかない。
/ マルティン.ルター
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これまでの話。
【ゲーム開発】ゲームとお金の話 その1 「それはゲームか?」
http://ameblo.jp/yokota6/entry-11129148458.html
【ゲーム開発】ゲームとお金の話 その2 「お金と時間」
http://ameblo.jp/yokota6/entry-11135250229.html
の続きです。
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なんか前回「あんまり面白くないなー」と思ったのでそう書いたら意外と「見てるよ!」みたいな反応を各所でもらってしまい、寂しく泣いている子みたいになったのでちょっと自重しようと思う41歳のヨコオです。
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前回までは
「ソーシャルゲームもゲームです」
「ゲームでお金をかせぐパターンはとても多い」
ってな感じで。
それを踏まえつつ、今日は何故「ソーシャルゲームが嫌われるのか?」を考えてみる実験。
まずはいくつかの仮説。
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仮説 「技量が反映されないから嫌いだ」
仮説 「お金で解決するから嫌いだ」
これは全部ソーシャルゲームの部分的な真実ですが、同じように従来のゲームにも含まれる現実でもあります。
技量が全く反映されない(もしくはゲーム性がほとんどない)ゲームはこれまでにもありましたし、お金でゲーム内のモノゴトが解決するゲームも存在しました。そもそもゲームを買うのにお金が必要な訳ですから、無料で万人に平等な体験を供するゲームなどほとんど無かった訳です。
この2点をいくらいじり倒しても正直なところソーシャルゲームを叩く論拠としては弱い、というのが僕の印象です。
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では、料金が不透明な点を突いて
仮説 「詐欺のような売り方だから嫌いだ」
はどうでしょうか?つまり「無料で始めたけど事実上高い課金をしないとクリア出来ない」的なゲームです。あの耳障りなキャッチコピーで有名なドリランドがそのタイプです。
課金なしで探偵ドリランド頑張ったことで課金とはどういうことかよくわかった
http://anond.hatelabo.jp/20111227145909
僕がドリランドを無課金でも楽しめた理由と、やめた理由
http://togetter.com/li/237941
「最初は安いと言っておきながら、騙すように後から課金する」というやり方は風俗で有名なタケノコ剥ぎを彷彿とさせますね。
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タケノコ剥ぎ(wikipedia より)
性風俗店で用いられる用語で、ボッタクリ商法のひとつ。タケノコの皮をはがす行為に由来し、初期料金を安く見せかけ、女の子の脱衣や接触行為などのオプション料金を積み上げていった結果、法外な高額の料金になってしまうこと。
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こちらはある程度は同意出来る内容です。不透明な会計はやはり人を不安にさせます。だから嫌われる、というのは一つの答えかな、と思います。
とはいえ、昔のゲームセンターのガンシューなんかは「飲み会終わった後に連コインでワイワイクリアを目指す」というプレイスタイルがよくありました。全面クリアにいくらかかるか不明だという点では、タケノコ剥ぎ的な構造を持っているとも言えます。
ソーシャルゲームをクリアするにはバカみたいに金がかかる、という事も社会の常識になればそれほど問題視されなくなるのかもしれません。
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ただ、なんていうんですかね。自分の中の深いところをのぞき見ると、論理的な部分じゃない気もするんですよね。
「(感覚的に)判らないから嫌い」
「嫌いだから嫌い」
こう説明した方がしっくり来る。個人的にもフィーチャーフォン発の「射幸心だけ煽って課金させる釣りゲーやカードゲーム」はあまり好きではありません。これを端的に感じたのは新垣結衣さんが出てるモバゲーのCMです。
(CM)新垣結衣 - モバゲー クリスマス with Mobage まってる。モバゲーと。篇
http://www.youtube.com/watch?v=pDl2KKpEgrA
待ち合わせ(?)で不安そうな顔のガッキー。暇つぶしにやってるスマホのゲームの画面はほとんど見ず、周囲を気にしてばかり……たまに画面を見ても気持ちが入っていない事がよくわかる。
「別にゲームを好きじゃないし、楽しんでないし、本当に暇つぶしのツールとして使う人種」
これを見た時、自分の作ったゲームをこんな風に適当にプレイされたくないな~と思いました。ゲームに限らず、表現に携わる多くの人はそう思うんじゃないでしょうか。
つまり、ライトなゲームにしたり、お金をかけさせる事は自分の中で問題なのではなくて。結果としてできあがったモノが「暇つぶしとして内容を見て貰えない(だから内容はコピーで構わない)」っていうムーブメントが苦手みたいで。
これが自分の中の不快感の根っこにある気がします。
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でも、冷静になって考えてみると僕も同じような事をやらかしてるんですね。たとえばテレビ。
僕は一日中パソコンの前に向かって仕事をしているんですが、横で点いているテレビは完全に環境映像になっちゃってるんですね。誰かが一生懸命作った番組やCM、PVなんか全部流し見です。
自分にとっては一所懸命見るに値しない、まさしく暇つぶしな訳です。テレビ放送なんて無くても全然困らない。だけどまああるから流しておくか、程度のモノです。
これって完全にガッキーのCMと同じですよね。
テレビをバカにしてる。
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こうした「どうでもいいと思ってるけど消費する人間」はユーザーのピラミッドとしては最下層です。ゲームもピラミッドの裾野が広がった事で、上の方(先鋭化した熱心なユーザー)と下の方(暇つぶしとしてしか考えない人)の幅が広がり、その結果、理解出来ない、理解したくないムーブメントが現れるようになったと。
これが世の中に「ソーシャルゲーム嫌い」が生まれた本質な気がします。
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そして、僕としても、まあ、あんまり暇つぶしゲーに本流になられても困る訳です。ただ、そこにあんまり絶対正義があると思っていなくて。
人は自分のやっている事は清く正しく、相手が愚かで間違っていると思いたがります。たとえば、「ソーシャルゲーはつまらなくて、コンシューマーは面白い」とか。しかし、結局のところ「面白さ」や「楽しさ」の定量的な比較なんて出来ないので、どちらが優れているかを立証する事は出来ません。「オレが面白いと思うから面白いんだ」という反証の出来ないような主張は、感想であって定理でもなんでも無いからです。
反証可能性 - Wikipedia http://bit.ly/ypPll2
「面白さ」という基準を用いる限り、自分の正しさを証明したり、何か他のモノを否定したりすることは出来ません。たとえそれが気に入らないゲームだとしても。
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じゃあ、自分の気に入らない状況を指をくわえて見てればいいのか?というところですが、ここで、不健全図書が話題になったときにマンガ家の島本和彦氏の名言を思い出してみます。
「いやな本をとりのぞくより-
ケチケチしねえで
おもしれえ本をバンバン買ってやるのよ!」(※)
※炎の言霊 島本和彦名言集より
http://www.amazon.co.jp/gp/product/402250840X/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&tag=bukkoro-22
この考え方が自分には一番しっくりくる。ソーシャルゲームを排除したり否定したりするのではなく、ガッキーが夢中で操作するようなゲーム性の高い製品を作る方向で頑張る。場合によってはソーシャルゲームの特性も取り込んだりする。そうする事で世界は(自分にとって)変わるんじゃないのかなーと。
なんだかキレイ事のようですが、汚いよりイイと思うんですよね。だってほら、小説や映画が高貴なモノだと勘違いしてマンガやゲームを否定したりする老害を僕らはさんざっぱら見てきた訳ですから。ああはなりたくない。
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……というなんというかボンヤリ結論になりました今回。
いずれにしてもゲームという大きなくくりの中でここまで否定的な反応が起きたのはユーザーにとっても初めて体験な気がします。産業が成熟した事を喜んでもいいのかもしれないなーとチラッと思ったり思わなかったりシマシタ。
ということで、今日はこのへんで。
次回は。
「正しいお金儲けとは?」
の予定。多分、最後です。
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お前の毎日って今ゴミって感じだろ……?
無気力で自堕落で非生産
どうしておまえが今そうなのかわかるか……?
教えてやる
金を掴んでないからだ……!
賭博黙示録カイジ / 福本伸行
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【ゲーム開発】ゲームとお金の話 その1 「それはゲームか?」
http://ameblo.jp/yokota6/entry-11129148458.html
の続きです。
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ソーシャルゲームと言えば、ぷよぷよ米光さんの以下の発言
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なぜ「勝利を金で買える」のがイヤなのか。ゲームのジレンマは、ゲーム内ルールで発生するからこそ、(お風呂よりももっと)誰もがいったん平等にリセットしてゲームに入ってインタラクションもしくはコミュニケーションできるから、いい。のに、そこにゲーム外のルールをもちこんじゃうのは野暮よね。
https://twitter.com/#!/yonemitsu/status/116769944309481473
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が示唆的でした。結構、こう思っている人は多いと思います。
今日はそんな話からチョボチョボ考えてみたいテスト。
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まず、本当に「『勝利を金で買える』のがイヤ」なのか?……って言われると僕はそんな事ないですね。実は。
ビデオゲームの攻略が努力と根性だけで行われるのが良いのか?と言われると、それ以外の多様な攻略があってもいいんじゃないか?という感じで。
「金でしか買えない勝利」があるとすれば、あまり好きじゃないんですが。まあ、それも最初から判っていれば構わないんじゃないかなーと。
そもそもゲームセンターのゲームは「100円払って死なないように気合いでプレイ」する娯楽でした。同じお金でも技量によって遊べる時間が変わる、という割とアグレッシブな課金形態です。
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インベーダーや格ゲーなんかでブームにはなりましたが、基本的にはゲーセンのゲームはマニアのモノでした。やっぱり一般人は「怖い」んですよね。100円払っても1分で終了する(かもしれない)ゲームをプレイするのは。
当時、アーケード系の開発では何分プレイさせるのか?という事が重要視されました。正確に言うと何分で殺すのか、という話ですが。
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100円で平均10分遊べるゲーム機があるとします。このゲーム機は一時間で600円、12時間で7200円を稼ぎます。大人気でずーっとお客さんがついている仮定ですが。
ゲーム機が20台あるゲーセンで全ての機械にずーっとお客さんがついている状態だと、一日で14万4千円の売り上げになります。これが平均で20分遊べてしまうと、一日の売り上げが半分になってしまいます。
当然ですが、オペレーター(ゲーセンのオーナーさん)は回転率の良いゲームを好む傾向にあります。ですから、開発会社もこぞって時間を短くしようとしました。
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劇的な変化が訪れたのは対戦格ゲーの登場以降です。
今まではシューティングなんかで「3面あたりで死んで貰えばいいかな……」みたいなゲームデザインだったんですが、対戦になった事でユーザー同士が殺し合い、結果として超短い時間で猛烈なインカム(ゲーム機に入るお金)を稼ぐようになりました。しかも対戦する事で一台の機械で収入が倍になるんです。
オペレーターさんは大喜びですし、開発会社もどんどんそうした「金を稼ぐ機械」を開発しました。
結果として現場には「いかに短い時間でプレイを止めさせるのか?」という意識が芽生えていきました。何せ競合が対戦格闘ゲームですから、もう一分でも二分でも短い方がいいわけです。
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結果として、難易度を高くしたり、ステージを短くしたりという工夫がなされました。で、さんざっぱらそういう事をやらかした挙げ句に、ゲーセンでは一日中閑古鳥が鳴くマシンが生まれたりしたわけです。南無南無。
それでもまあ、そういう課金もアリです。
何せ商売は自由ですから。
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一方で家庭用ゲームの登場により「一定額を払えば後は払わなくていい」というお金儲けのスタイルが出てきました。
やっぱり従量制よりも定額制の方が安心な訳ですが、それでもやっぱり恐怖はついてまわります。
アクションゲームが下手な人。たとえばマリオなんかで1面をクリア出来ない人が居たとします。何千円も払ってゲームを買って、1面をクリア出来ないなんてなんか寂しいですよね。寂しいというより損した気分になります。
「自分の技量じゃ価格分を楽しめないんじゃないだろうか?」という疑惑が初心者の間でムクムクと出てきた訳です。
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その頃登場したのがドラクエに代表されるコマンド式のRPGです。何せ順番にコマンドを選べばいいのですから、急ぐ必要はありません。またアドベンチャーなどと違ってハマリが発生する事は稀で、時間をかけてレベルさえあげればなんとかなる訳です。
ここで初めてゲームは下手な人にも体験の保証が出来るようになったんですね。技量依存からの脱却。「お金を損するかもしれない」という恐怖からの解放。
これは日本でRPGが流行った一因じゃないかと僕は思っているのですが。
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ここまで見ると楽しさの量は
アクションゲームでは技量に依存し、
RPGでは時間に依存する。
こんな風に複数の儲け方があったわけです。
で、最近は
ソーシャルゲームではお金に依存する。
という新しいパターンが登場した訳で。
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ま、過去でもお金依存の側面はありました。2Dシューティングゲームや、ガンシューなんかがそうです。
とにかくお金さえ積んでコンティニューを繰り返せば技量が無くてもラスボスまで見る事が出来るんですよね。そういう意味では今のソーシャルゲームに似て無くも無い気がします。
ただ当時のアーケード2Dシューティングなんかでは「コンティニューは技量が無い卑怯者のする事だ」という意識がプレイヤーにはあって、やっぱり罪悪感みたいなものは昔から存在していたわけですけど。
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今後、マイクロペイメントの普及やソーシャルメディアの一般化に伴い、どんどんお金儲けの方法は多様化するんじゃないでしょうか。
ソーシャルゲームの儲け方は、既存のゲーム商売と対立するのではなく、むしろ融合・拡大するプロセスの途中なんじゃないかと僕は思う訳です。
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ダラダラと長く書いて誰も付いてきていない事を感じつつも次回の「ソーシャルゲームが嫌われる理由」篇に続きます。
……いつ終わるんだろうこれ。
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最も難しい三つのことは
秘密を守ること
他人から受けた危害を忘れること
暇な時間を利用すること
/ マルクス・トゥッリウス・キケロ
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大阪の方で行われた同人誌イベントのチラシがドラゴン&ニーアだったようで。この日記を書いている時にそろそろ終了している感じですが。
COMIC CITY 87
http://www.akaboo.jp/event/0108osaka87.html
ありがたい限りです。そして二つ並んでいるのは珍しい。
エミールとレオナールは相性良さそうですな。
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島国さんが少しだけニーアに触れていたので。
今日のソレコレ:島国大和のド畜生 http://bit.ly/wH5vab
空白はプレイした人に埋めてもらう為の場所なので全然語ってもらっていいんですが、書かなかったのは制作者ならではの気遣いですかね。あとレビューがゲーム性や制作スタイル、マネタイズ関連に寄っている島国さんの特性のような気もするし、今の流行りのテーマな気もするし。
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Twitter でもカキマシタがイロイロ。
【アンケート結果】泣けるゲームソフト20選、年末年始感動の涙を流したいあなたに……
http://www.famitsu.com/news/201112/30007900.html
歴史ある大作ソフトに並び12位とは。感謝感謝です。
あとは LoV 関連。
こちらで動画が公開されました。
『LoV』EXCELLENT!ブログ 第178戦 大晦日更新!
http://www.famitsu.com/guc/blog/LofV/10878.html
上記ボイス収録の様子が門脇さんのブログにも。原画がチロっと。
LORD of VERMILION Re:2
http://ameblo.jp/maitablog/entry-11121046350.html
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MONSTER×DRAGON のレビューがチラリと。
「MONSTER×DRAGON」がゲーマー向けすぎて脳汁どばどば
http://www.excite.co.jp/News/reviewapp/20111227/E1324914681121.html
ゲームデザインには関わっていないのですが、本当にアグレッシブな作り方してるなーと思いました。レビュー内にも書かれていますが、ガワを変えるだけを良しとせず、ゲーム好きがゲーム好きの為に新しいゲームをウンウン頭をヒネッて生み出した……という感じです。
ちょっと敷居が高いのですが、興味のある方は是非。
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個人でもそうなのだ
大人は質問に答えたりしない
それが基本だ
賭博黙示録カイジ / 福本伸行
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この記事が気になったので。
どうして「ソーシャルゲームなんかゲームじゃない」のか?
http://blogos.com/article/27759/
先に自分の結論から書いておくと、僕はソーシャルゲームはゲームだと思っています。そして、疎外する必要があるか?と問われれば「無い」と答えます。
理由を以下に書きます。
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まず前提としての、言葉の定義。
たとえば、映画。
だいたい1~2時間くらいの尺で映画館で上映するものをそう呼びます。ほとんど同じ内容でも映画館で一度も上映されていないものは「映画」とは呼ばれません。
たとえば、小説。
ある程度の長さで、印刷されたモノを言います。全く同じ内容でも音声だけで伝えられると「小説」とは呼ばれませんし、短すぎるとポエムになります。
たとえば、マンガ。
コマワリされて絵があるモノを言います。コマで割ってないモノは絵本との区別がつかないですし、絵が無いモノを漫「画」と呼んで良いのか割と微妙になります。
このようにメディアというのはその体験の本質ではなく、物理的制約や売り方によって定義される事がほとんどです。
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一方で、ゲームの定義は「インタラクティブである事」くらいです。というよりもエンターテインメントのうちで「映画ではない」とか「小説ではない」という既存メディアが定義しないものを「ゲーム」と呼んでいるフシがあります。
ということで「ゲーム」は今のところ史上最大の範囲を持つメディアなんですな。
それより広いのはコンピューターとネットワークがもたらすサービスの総体くらいだと思いますが、こちらは広すぎてメディアとしての呼び名を持ちません(「インターネット」はシステム名ですし「ソーシャルネットワーク」は人間の関係性を示す言葉ですから)。
つまり「ゲーム」というのは今のところメディアの最終形態な訳です。(ちなみに、映画が出てきた時は映画が全部メディアを統合した最終形態だと思われていました)。
そうした可能性の幅が広い表現に対して「○○はゲームではない」として矮小化したりする行為には反対します。可能性が狭まりますから。
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どのみちソーシャルゲームと普通のゲームは融合して境目は無くなると思いますけど。
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あと、ぶっちゃけると僕は嘘をつきながら定義のギリギリに球を投げる芸風でやっていきたいので、メディア表現を幅広く横断する人が出てくると商売的に困るんですよね。一般定義がアイマイになるので。
という事で、ゲームを作る皆さんは従来のゲームからあまりはみ出さないゲーム作りをしていただけるとありがたいです。
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この話続きます。
……続く
続くが……
今回 まだ その時と場所の指定まではしていない
そのことをどうか諸君らも
思い出していただきたい
つまり……
私がその気になれば
ブログの続きは
10年後 20年後ということも
可能だろう……ということ……!
それでは、また。
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