二郎の想い出 | ヨコオタロウの日記
ヨコオタロウの日記-koike.jpg

人生はB級映画に似ている。途中で見るのを止めようとは思わないが、二度と見ようとは思わない。
/ テッド・ターナー



この前、目黒の二郎に行ってきました。
なんですかね。8年ブリくらいですか。すっかり神格化されて大行列店になりましたね。

僕は食べ物屋で行列するのはあまり好きじゃないです。が、ここ最近「二郎インスパイア系」が流行ってて、そろそろ「本来の二郎の味ってどんなだっけ?」と思い二郎を頂こうかと並んでみた次第。

40分くらい並んだんですが、その最中に「二郎」「注文方法」で検索し、予習も怠りません。なんか二郎マニアの人はマナーに厳しいと良く聞くので。
なるほど。「マシマシ」は裏注文だから素人は使うな、か……勉強になります(何の勉強か)



目黒店は何回か食った事があるんですが、昔フラッと「大ブタ(大盛りチャーシュー)」とかを頼んでヒドイ目に逢った事があります。しかもランチで。
二郎の大盛りはチャレンジメニューみたいな量なので、途中で気絶しそうになりました。一応食いましたけど。気絶。

と言うことで、今回は「小ブタ」です。「小」でもいいんですが、麺が多いから途中で若干飽きるので今回はブタ入りで。勢いを付けるべくニンニク入り。



皆さん、静かに粛々と並んで、黙々と食って、立ち去ります。「なるべく早く食べる」のがマナーらしいので、皆さんガンバリマスよ。僕も頑張ります。
前に並んでいるイケメン美女カップルを見て「うわーここに連れてくるとは色んな意味で漢らしいなあ」とか思っているウチに順番に。

ああ、熱くて脂っこい。麺の歯ごたえがありまくり。ガムガムと食いきります。これは確かに二郎です。



前にも書いたと思いますが、僕が初めて触れあった二郎は、川崎にあった店舗。もう15年前くらいですかね。二郎は僕らの中では珍珍珍(サンチン)と同じくらいのレベルの店で「今日は乱
暴なラーメンを食いたい」という時にブラッと行く店でした。
川崎二郎ではなんかスープに微妙な酸味があって「なんだこの酸味は!?」という驚きがいつもありました。そして翌日は下痢。他の二郎に行っても下痢なんかしませんが、二郎の川崎だけは何故か必ず下痢になりました。あの酸味と関連があったのかもしれませんが、良く判りません。



目黒の二郎は酸っぱくない。翌日下痢もしない。
美味しいけどナニカ違う。僕にとっての二郎は、あの酸味があって下痢をするラーメンなんだ、と再確認。

でも、こうやって並んで黙って慌てて食うというイベント性は強烈だから、目黒二郎が好きな人が居るのは良く判る。なんていうか軍隊的な美学がそこにはあるから。将来「並ばずに女性とお喋りしながら食えるキレイな二郎」に行った時に「チッ、こんなの二郎じゃない。俺の二郎は(以下略)」みたいな事を思うんだろうなあ。今の僕みたいに。

飲食店ってのは快適でポジティブなだけでは心に残らないから、どこかにひっかかる強烈な個性が必要だという事なんでしょうね。体験としての物語性。



今度中野の Kaeru に行ったら普段よりちょっと多めにお酢を入れて食べよう。
そう思った一日デシタ。