出世と管理職と夢とドロドロ | ヨコオタロウの日記
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才能を疑い出すのが
まさしく才能のあかしなんだよ

ホフマン短編集 / E.T.A.ホフマン



出世してきてわかったこと
http://anond.hatelabo.jp/20090826004226

ツッコミ所は沢山あるんですが、ともかく31歳でこの程度の見識だと先は厳しいなあ。
という意見を書こうとしたら、先に別の人が書いていました。


管理職になってから苦労するだろうな~
http://d.hatena.ne.jp/kijoi_producer/20090827/1251338505

全く同意。



ちなみにゲーム開発での管理職は「なっちゃった」人や「嫌々やらされている」人が多いんですが、管理職を「目指す」人にはダメな人が多かった(※)。悪い人じゃないけど、ダメな人。何故そうなるのかはわからない。
※もちろん総務とか営業とか職種の違う人は別。

何かビジョンを持って管理職を目指している人も居るのかもしれないけれど、最初から出世を狙うんじゃなくて、「クリエイターとしての自分に限界を感じて」→「管理職になって人の上に立つことで自己満足したい」というネジくれた出自だからかもしれないなあ。



かなわぬ夢をあきらめさせるには? 米大学が説得法を研究
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0908/27/news008.html

> 「研究の結果、このような夢をあきらめさせるには、単にスキルや成績
> の不足を指摘するだけでは不十分で、「目標を追い続けて失敗したとき
> にどんなひどいことになるか」をはっきりと示す必要があることが分かった」

調べなくても判る気がする。

> 「教師は学生を最も現実的な選択肢に導こうとしている。夢を追いかけ
> るよう励ましたいが、学生たちに自分の能力や才能に関して誤った期待
> を持たせることはしたくない」

何かどっかで見たようなと思ったけれど、

才能のない子にどうやって美術への進路を思いとどまらせるか
http://anond.hatelabo.jp/20090408121545

だった。
なんだかなあ。



ああ、なんか繋がってきたぞ。
冒頭の31歳にしてもそうだけど、自分がなんとなく満たされない感覚を肯定するために、他人に原因を求めてるのか。

 同期の仲間と楽しくやれない、
 クリエイターにはなりきれなかった、
 学生を教えてもみんなが優秀になってくれなかった。

そうした孤独感や挫折感を、別の要因(出世とか理屈とか)で誤魔化してるうちに、なんだか良くわからないドロドロした人間になっていった気がする。しかも「頑張れば夢は叶う」とかを本気で信じると、今の自分の状況が剥き出しになるから耐えられない。

だからドロドロした人は、若い人の足をひっぱり続けるしか無い。



でも僕もその仲間だな。
そうしたドロドロした人、たとえば自己防衛をしているウチに視野が出世に凝り固まってしまった31歳とかをどうにか出来るとは思えない。単に関わり合いになりたくないと思うだけ。

こうやって自分では解決出来ない難問を「ああいう人達になったらオワリだよ」と若い人にドロドロと吹き込んで誤魔化しているわけだ。
愚かしい事この上なし。