事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。
権力への意志 / ニーチェ
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衰退する国内制作の本格ゲーム
ゲーム王国復活への道筋は?
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20080710/1016542/
北米(と欧州)のゲーム市場は確かに熱く、日本のソフトは低迷中。
以下、個人的な想像。
・北米のゲームをプレイする人口が増えた。
・PS2 の値下げや Wii の発売で低所得者層でもゲームに触れることが可能になった。
・360 で3Dのグラフィックがようやく北米の人が満足できるクオリティになった。
・日本人は2Dですでに満足できていた。
・制作スタイルが北米式に変化した。
・大予算プロジェクトの増加。
・アーティスト性よりも、プロダクトの質を問うように。
・360 の増殖から北米発のソフトが増えた。
・そりゃ感性はアッチの人の方がわかる訳で。
論理的に考えるとまあそうなる。
んだけれど、「アメリカの開発が絶好調で日本の開発が不調」という話を聞くとなんかそれは違うような気がするんですな。
「最近はアメリカのソフトばっかりが良質で日本のソフトは全然だな!」
というより、
「いやあ、もうDSとかでドラクエとかでいいよ。忙しいし。mixi とかもあるし」
という感じ。
いやまあ、北米のソフトの発展には目を見張るものはある。
あるんだけれども、かといって日本国内のソフトは悪化したんじゃない。
悪化というよりもゲーム市場が成熟して異常な熱気が去った、ゆくゆくはアメリカもこうなるんじゃない?というのが「個人的な」感想。
最後までプレイすべきか?--ゲームレビューの現状と問題について考える
http://japan.gamespot.com/news/story/0,3800076565,20377393-2,00.htm
の途中にかかれている「Half-Life Ep1 を最後までプレイした人は50%にすぎない」という記述にも現れているように「大作でも途中で投げちゃう」ような状況が続けば、おそかれ早かれ日本市場に似てくるように思います。※ただしアメリカの市場は熱気が去っても、人口比で有望な市場という事に替わりは無いですが。
ソフトが売れるのは「面白いから」とか「美しいから」とか「大作だから」ではなくて、「金を払うに値するから」だと思うんですよ。いくら面白くても、おもしろさがわかるようになるまでに時間がかかるようならニコニコ動画を見て済ませちゃうだろうし、綺麗な絵が動くだけでよければ、DVDでもいい。日本人の多くはそういう事に気付きはじめたんでしょうな。きっと。
というわけで、今の日本の開発にとって必要なのは北米の開発スタイルを真似する事ではなくて、いち早く成熟した先進的なマーケットであることを認めた上で、次のステップに進むべきだと思うんですよ。
「次のステップ」についてはまた今度。気が向いたら。