タモリの弔辞 | ヨコオタロウの日記
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私もあなたの数多くの作品のひとつです。
/ 森田一義


タモリの弔辞のニュースをやっていた。

動画
http://jp.youtube.com/watch?v=yU83Nhuub6k

不謹慎だけれど、自分の仕事柄「どうやってタモリは魅せてくれるのか?」という部分を見ていた。
淡々と弔辞を読む姿を最初に見たときには、正直に言うと「ちょっと冷たい感じがする」という印象。
本人が泣いたりもっと感情的な言葉を吐く方が、熱意や誠意が伝わる、という気がした。

でもまあ、悪くない。
こんな感じでちょっと客観的に歴史を語ることが、タモリらしくもあるなあ。

と思っていたらニュースの終盤にテロップ(上の動画にはありません)が入る。
http://www.google.com/search?hl=ja&client=opera&rls=ja&q=%E3%82%BF%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%80%80%E5%BC%94%E8%BE%9E%E3%80%80%E7%99%BD%E7%B4%99%E3%81%AB%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%82%8B&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=

その理由。その真偽。長文で客観的だったことの意味。
全てを含めて、タモリのやらんとしていた事がわかってしまい、呆然としてしまった。
説明してしまう無粋を承知で書く。

「私もあなたの数多くの作品のひとつです」

というのは「あなたのおかげで有名になりました」ということだけではなかった。
そこにあるのは「今ここで話している自分の行為そのものが、あなた(赤塚)の作品ですよ」という意思の表れだった。

タモリの意図は、全ての人には伝わらないかもしれない。
でも「これでいいのだ」。
赤塚不二夫は本当に素晴らしい弟子を持ったと思う。

合掌。