コロンブスが幸福であったのは、彼がアメリカを発見した時ではなく、それを発見しつつあった時である。幸福とは生活の絶え間なき永遠の探求にあるのであって断じて発見にあるのではない。
/ ドストエフスキー
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てなわけで15年前のギリシャ旅行続き。
ギリシャの北の方にある「アトス山」に向かう事に。
http://ja.wikipedia.org/wiki/アトス山
当時、イギリスで教会建築の形に惹かれていた僕は、他の国に行ったときも積極的にその宗教施設を見て回る事にしていた。
アトス山はギリシャ正教(東方正教会)の総本山で、半島の先端にある。ただし、入山には徒歩か船しか無い。
ついでに言うと、男子しか入れない。この山に入るには宗教庁(省?)だかで入山許可証を取る必要があるんだけど、これがまた一日じゃ発行されない。
時間だけは死ぬほどあったので、ボンヤリとスヴラキを食べながら入山許可証を受け取り、列車に乗り込んで北の方へと向かう。
列車は銀河鉄道999みたいなオンボロの夜行。ギュウギュウ詰めの列車の中はタバコの煙でもうもうとしている。経済発展途上国はそこら中でタバコを吸う人がいる気がするけど、どうしてだろう?とか思いつつ窮屈な席で北の都市テッサロニキへ。
死ぬほど早朝に駅に到着し、市内へのアクセスや宿探しもままならない。
というわけで駅の片隅(床)でグーグー寝ていたら、何時間かして駅員に起こされる。しかも蹴りで。
蹴り起こされたのは後にも先にもあれ一回。
宗教への道は険しい。
テッサロニキのユースホステルではバックパッカーの韓国人に会った。
穏やかなしゃべり方で、顔立ちもすごく日本人に似ていると思った。
ポツポツといろんな話をした記憶があるけれど、僕には韓国の反日がどうこうという知識は一切無かったし、彼もそういう話をしなかった気がする。
ところでユースホステルに泊まるような人達は、韓国人に限らず気のいい人が多かった。
あれは何だろう。貧乏だからだろうか。
船に乗る日を待ちつつ、スヴラキを食いつつ待つ。
美味しいけど、さすがに飽きてきた。
でも待つ。時間だけは豊富なので。
つづく