映画「ファッションが教えてくれること」を観た。

「プラダを着た悪魔」のモデルにもなった

ヴォーグ編集長アナ・ウインターのドキュメンタリー映画だ。



長年の経験と感性から、次々と決断していく力は、

まさにプロフェッショナル!

「氷の女と言われていますが?」との問いに

「最近、寒かったからね(笑)」と、ユーモアも忘れない。



長所は?「決断力」

短所は?「子供」

娘と向き合う時の顔は、また違った表情を見せる。

とにかくカッコよくて、エレガント!

「ファッションとは常に前を向くこと」

という言葉が印象的だった。



私は最初、ファッションの仕事にあこがれて入社したものの

営業アシスタントとして、地方の専門店の巡回ばかり。

商店街の小さな店で、掃除や商品整理に追われ、

おじさんばかりが泊まるビジネスホテルに何泊もする生活だった。

東京で高い家賃を払いながら、帰ってこれない日々。。。

友達とも遊べず、あこがれの生活とはかけ離れた毎日に

落ち込み、自暴自棄になっていった。



でも、続けていけたのは、年に2回の展示会の興奮があった。

来年のトレンドがずらりと並ぶ会場で、ほんの少しの幸せを感じていたからだ。



「次の流行」を感じることに「未来」を感じていたのかもしれない。

そんな日々の中で、

取引先である商店街のおじさん、おばさんに

「ありがとう!また来てね」と言われることが

嬉しくなっていった。

今思うと、当時の私は

「出されたご飯を残さず食べる」とか、

「あいさつは笑顔で元気に」とか、

そんなことしかできなかった。

でも一生懸命だった。

自分のことが嫌いで、自分に自信が持てなかった私は、

いつも理想の自分と、今の自分のギャップに悩んでいた。

「いいカード」を持って生まれてきた人が羨ましいと

いつも思っていた。



出張帰り、新宿駅の階段を「負けない」「負けない」と

言いながら、一段一段降りていた光景は、

今も忘れることができない。



だから、この映画に出てくる

アナのパートナー、グレイスの気持ちがよくわかる。



「自分のやり方を見つけるの。生き残るにはそれしかない」

「仕事を続けていくには、それなりの努力が必要」

彼女のように才能に溢れる人でさえ、

自分のやり方を模索し、努力を忘れない。



仕事は努力した分だけ成長させてくれる。

3年経ったころ、少しだけ自分のことを認め始めた

私がいた。



仕事は頑張れば結果が出る・・・

頑張った分だけ必ず報われる・・・

そんな想いが膨れ上がっていった。



その頃、付き合っていた彼に振られ、

恋愛は、頑張ったから必ず報われる世界ではないという想いと、

(頑張りすぎるとストーカー扱いされちゃう 笑; )

仕事は私を裏切らないからと、

ますます仕事に救いを求めていった。



今、キャリアカウンセラーという仕事を選んだのも

「多くの人に仕事を通じて自分のことを好きになってほしいから」



どんな仕事も自分なりの工夫次第で、ちょっと好きになれる。

どんな仕事も一生懸命やっていれば、きっと誰かが見ていてくれる。



ファッションの仕事は、好きだから選んだはず。

「好き」は何よりのエネルギー、自分の「好き」を続けよう。

今日、笑顔でいられる人は、10年後もきっと笑顔でいられる人だから。