リハビリ病院に転院してからは、リハビリに次ぐリハビリの毎日で、毎日3〜5時間くらいリハビリを頑張りました。
そんなある日、仕事してた頃の後輩から電話が来ました。
実は、リハビリ以外やる事がないので、ラインの「タイムライン」にリハビリの様子をアップしていたのですが、それを見た後輩から連絡が来たのです。
後輩は、
「何か差し入れるので、欲しい物は無いですか?」
等と聞いてきます。
そりゃあ、味気ない病院食しか食べてないので、何かすごく甘い物でも差し入れて欲しい気持ちはありましたが、病院の規則で、飲食物は差し入れ禁止とのこと。
それを後輩に説明し、断腸の思いで差し入れを断りました。
余談ですが、酒を飲んでいた頃は、しょっぱい食べ物が好きで、お菓子といえば、あられや煎餅🍘しか考えられず、甘い物なんて、どちらかと言えば嫌いな方だったのに、酒をやめたら、無性に甘い物が食べたくなるのはなんでだろう。
神秘的な謎。
話を戻します。
このため、私は後輩に、
「そんなに気を使うな。何もいらないよ。手ぶらで良いから。」
と、告げました。
一緒に仕事をしていた頃は、こんなに気を使うやつだったかな…などと考えながらも、変わりばえのしない毎日に退屈していた時だったので、久しぶりにいつもと違う顔ぶれと接することができることから、私は後輩たちのお見舞いが素直に楽しみだったのです。
その数日後、後輩2人がお見舞いに来てくれました。
2人は、私の病室に入る前からなぜか満面の笑顔。
「何か嬉しいことでもあったのか?」
と尋ねようとしたところ、後輩たちが先に口を開きました。
「よこしょうさん、手ぶらで良いって言ってましたよね?言いたい事はわかってます。手ぶらってこれのことですよね?」
そう言って、持っていた紙袋の中から、↓コレを出して、私に手渡してきたのです。
担当療法士の方々も、看護師の方々も、例外なくみんなこの写真集を知っていたくらいです。
…まあ、たしかに手ぶらで良いと言ったのは私だが。
間違っているわけでも無いが…
一頻り、笑わせてもらいました。
笑い過ぎたからか、嬉しかったからか、ちょっと目頭が…。
この出来事を、担当療法士さんや看護師さんに話しましたが、みんな、例外なく笑ってくれましたね。
一緒に仕事をしている時は、小生意気な奴らだとしか思いませんでしたが、この時の私は、後輩たちの小粋な図らいに、少し目頭が熱くなりましたよ。
笑い過ぎると、涙が出ますよね?
その生理現象かもしれませんが。
ちょっと涙目になっているのを、奴らに隠すのが大変でした。
バレてないと思いますがね。
最後に、後輩たちにひと言。
後輩たちよ、かつて私が厳しく教えたことを、今もしっかりと守っているようだな。
このぶんなら、安心して引退できるわ。
おしまい
