無垢材のメンテナンスに蜜蝋ワックスがあります
しかし多くの蜜蝋ワックスには、エゴマ油(荏油)、亜麻仁油が使われています
※乾燥性が良い為
このような油は黄変(おうへん)が強く、木材の経年変化以上の変色を起こします
しかし、亜麻仁油は暗所では黄変しますが、明るい場所では漂白作用が出るので、変色は少ないかもしれません
どの油も塗った直後は大きな変化はありません
時間の経過と共に赤く焼けたような濃い変色が起こります

左がエゴマ油、右はひまわり油が配合された蜜蝋ワックスを使用し数年経過
同じパイン材ですが、エゴマ油の黄変は強いです
数十年すると、焼けは追い付くので、ここまでの差は無くなると思いますが…
新品のフローリング、オーク材やメープル等、色の薄い木部に塗ることは推奨できません
味が出たようにも見えますが、メープル等は美しい白さが特徴なので本来の色合いを楽しみたいです
つまり、本来の経年変化を楽しめなくなるのです
ドイツのオスモカラーもこの理由により、エゴマ油は一切配合していません
かつて、エゴマ油(荏油)や亜麻仁油は、京都の町屋など、日本家屋の杉材に塗られていました
濃い焦げ茶色の建屋などですね
他は古民家の板張り(縁側など)
近年になって使われるようになった色の薄いオーク材やパイン材等フローリングに塗るのは想定されていません
色の薄い木には、変色の少ない桐油や、ひまわり油であれば、木の色合いが保たれます
材木屋が作った蜜蝋ワックスなどと宣伝している物もありますが、本当に木材のことを考えているなら、変色の少ない油で作るべきです
このように強く焼けている杉材には問題ありませんが…
逆に、黄変によって色を濃く着けたい場合には、良いのかもしれません
私が使用するのは、オスモカラーの主成分である、ひまわり油です
黄変の少ない乾性油ですので、木の風合いは比較的、保たれます
市販の蜜蝋ワックスは、温めた油に蜜蝋を混ぜただけなので、サルでも作れるくらい簡単です
ひまわり油と蜜蝋で黄変の無い蜜蝋ワックスを制作すれば完璧です