自宅から徒歩で数分の距離に

家族で20年以上通っていた焼肉屋さんがあった


息子達が巣立ってからは夫婦でもよく行っていた

焼肉を食べたくなったら10回のうち9回はその店だった


そこのマスターは

大柄で穏やかで、優しくて頼もしい人だった

丸坊主で野球三昧だった息子達の事も

生意気盛りで茶髪だった長男の事も

成人してお酒を飲むようになった息子達の事も

ずっとずっと知っていてくれた


カード払いが出来ないのを知らずに現金を持たずに食事をした時、「会計は次の時で良いですよ」と

大慌ての私に笑顔で言ってくれた

決して安くはない会計に対してそんな対応をしてくれるなんて、申し訳ないやら恥ずかしいやら(もちろん数日後にお支払いに行った)


お店をリフォームした時は

トイレ全体を茜色に統一して装飾してあって

なんでも私の名刺で茜色を気に入って下さり、その色合いを採用してくれたとの事

それを聞いた時は飛び上がるほど嬉しかった





東北大震災の直後、お店に行った時

店内に飾ってある大量の一升瓶は全て無事だったという話をユーモアたっぷりに話してくれて爆笑した事も覚えている


そんなに親しくさせて頂いていたマスターが


先日急逝した事を知った


年明けにお店に行こうとして席を尋ねたら

あいにくその日は予約でいっぱいで入れず

ではまた今度〜みたいなやり取りをしたのが最後になってしまった


その後 長男に娘が生まれたから

マスターにも会って欲しいと思っていて

落ち着いたら絶対みんなで行くつもりだったのに


あのLINEの直後

食いしん坊の私は焼肉を我慢出来ず別の店に行ってしまった

あの時「来週なら空いてます」って言ってくれたのに待ちきれずにだえーんえーん

我慢して翌週行けば良かったよえーんえーんえーんえーんえーん


予約制になってからは気軽に行けなかった事も災いし

みんなで行く時は事前に連絡してから行こう

いつか絶対行こう

なんて思ってたらあっという間に4ヶ月も経ってしまった

でも「いつでも行ける」って思ってたから

気にもしていなかった


そしたらマスターはいなくなってしまった


いつか なんて無いんだ

今回ほど強く思った事はない


後悔しないように なんてよく言うけどさ


超能力なんか持ち合わせていないんだから

先の事なんて分かりっこないじゃん


後悔しないようにっつったって

いつもその時その時で生きてるんだから


後悔しないように生きるなんて無理だよ


あーーー

だから「お悔やみ申し上げます」って言うのか


悔やむもんね

あの時ああすれば良かったこうすれば良かったって


この数年

地球を卒業していく大切な人々 犬も猫も

多いなあ。。

それだけ私も地球滞在の年数が長いという事なんだろうね


悲しいけど

生きていれば悲しい事もあるよね


悲しい事は悪い事なんかじゃない

死も別れも悪じゃない


それはグッと肝に銘じている