私は7歳から18歳までピアノを習っていた
とても優しい先生だったので、思春期には練習をサボる事はあってもレッスンが嫌だと思った事は一回も無かった
おかげで大きなスランプも無く(まあコンクールに出場だの音大を受験する事だのも無かったしね)
幸せなピアノ人生だったんだけども
今回、会場にグランドピアノがあると分かり
この数年は電子ピアノとはいえ練習も復活している事だし、いっちょクラシックピアノも演奏してみっか!という気持ちになり
電子ピアノの買った時におまけで付いてきた楽譜に
ドビュッシーの「月の光」が載っていて
ちょいちょい弾いていたので、これなら短いバージョンだったらイケるかもと決めた
ライブの構成を決める段になってようやく
自分の仕上がりを確認してみる気持ちになり
スマホで自分の演奏を録音して聴いてみた
目の前が真っ暗になるほど汚い音だった
血の気が引いた、と言うと「そんな大袈裟な」と思われるだろうけど本当にそうだった
焦ってYouTubeで色んな人がハウツー的な動画を出しているのを見まくったけど
何をどうやっても、何回録音しても一向に変わらない
ライブまで2週間位しかなかった
殆ど諦めかけながらも、恥を承知でピアニストの友人に音源を送った
「諦める事を」後押ししてもらうつもりで
そしたらまさかの「素敵だよ 聴いてて気持ちいい」とのお返事が!
文面からは「本当は下手だけどそんな事言えない」って感じではなかったので(言い方よ)
こりゃGOだ!と覚悟した
彼女からの貴重なアドバイスをしかと受け止め
スマホでの録音はもう止めて
リアルな音だけに集中した
そして迎えた本番
会場に来てくれた友達が開演前にプログラムを見て
その時初めて私がそんなクラシックを弾けるという事を知ったらしく驚いていて
大好きな曲なの!嬉しい!楽しみ!と言ってくれた
終わった後もとても感動したと
涙が出たよと言ってくれた
彼女とは30年近い付き合いで、何度もカラオケに行ったりもしていたけど
まさか自分のピアノをステージから聴いてもらえる日が来るなんて
出会った事は想像すら出来なかったよね〜
ホント感無量だった
頂いた美しいダリアと
あの夜下北沢の道端に落ちていた一輪のバラ