息子の長年の友達に、(以下H君と記)

名刺に「ピアニスト」の肩書きのある人がいる。


学校では一度も同じになったことはないが、

高校の時にお互いの学校が近くで、

音楽を通じて何となく知り合った関係。



2人とも高校卒業と同時に海外に留学。

息子はフランスのリヨン、

H君は、オーストリアのザルツブルグと国は別やけど、偶然にも同じ飛行機で旅だった。


(ザルツブルグにあるモーツァルトの家)




そこから、パソコンでやり取りしたり、

同じ海外で生活するもの同士励まし合いながら

過ごしていたようです。



息子は挫折して一年で帰国したけれど、

彼はすごい!

ザルツブルグの某大学を卒業して、

ミュンヘンの音楽大学に移った。

同じドイツ語圏内なんで、

言葉は困らなくったにしても、

そこでまた4年。




延べ10年近くの留学。

海外の音大の授業料は、

日本ほどぼったくりではないものの

親御さんも、仕送りはかなり大変だっただろうと思う。



それだけ勉強しても、日本ではフリーターやねん。

もちろん、ピアノは教えてるが、

固定収入ではないやん。

生徒もいつ辞めるかわからんし…

たまにリサイタルも開いてはるけど、

コロナ前までのようにはいかんショボーン



ある日、とある音大に縁があって講師の試験を

受けることになって、彼の留学経験や

実力では、ほぼ確実なのでは?

とされていたけれど…


蓋を開けてみたら、

横入りで試験を受けた人が受かった。


何故か?


その試験を受けた音大の教授に師事していた人やったらしい。


理由はそれだけなのかどうなのかは

わからないけども、

ありがちな話なんやわ。そんなんね…




H君は海外の音大やから

日本での音大経験はなく、

特別師事してる先生もいなかった。


日本の音大は縦社会。

そもそも受験からそれは始まるねん。


提出書類に○○先生に師事

と、書く欄が必ずある。

普通の大学受験で、○○塾○○先生に教わったとかは書かへんやん?!


特殊な世界やねんね。。。


確か、私立以外の国立でもあった気がする。


派閥があるねん。

個人の音楽性や実力だけではどうにもならん。

正解があってないような試験。

その学校の先生が審査員として演奏を聴いたりするんで、好みが左右される。


間違っても消しゴムで消されへん実技



ガチで勉強した人よりも、

楽譜ひとつ読めんバンドマンや、

ド下手なアイドルのしょーもない歌手の方がよっぽど当たったら大きい。



なかなか理不尽なことの多い世界やわ。



しかしなぁ…H君も、

年齢も、息子と同じやから35か36のはず。



厳しい世界に居はるわ…

上手くいってくれたらええねんけどなぁ。



息子、一年で挫折して帰ってきたけども、

案外、良かったんかもしれんと思うこともある

今日この頃。