『ポレポレ英文読解プロセス50』~詳しすぎない解説でも理解できる力を付けたら演習する本~ | 大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

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中学受験に失敗…その後懸命に努力し高校受験で灘高に合格! 一時燃え尽き症候群で苦しむも再起し京大合格! 今ではその経験を活かし、塾・予備校講師として主に高校生・浪人生に英語を教える日々。そんな講師が具体的な大学受験の英語勉強法を提示する。

和訳をトレーニングしたいと思い、Amazonなどで本の評価を見ながら受験参考書を探せば必ずと言っていいほど見つかるほど有名な本であり、内容的にも出来の良い英文解釈をトレーニングするものを紹介しようと思います。


それは『ポレポレ英文読解プロセス50』(代々木ライブラリー)です。




●取り組む以前の注意点●
書評などを見ていくとこの本の評価は非常に高いものとなっています。そこで、この本に関心を持ち購入する人も多いと思いますが、少し注意が必要です、


タイトルにあるように問題数としては『50題』で構成されています。実際の出典とは扱い方が異なる場合は、実際の出典の出題の仕方なども載ってはいますが、この50題に対応した演習問題を提示しているわけではないので、この問題集で学ぶことができるのはそのまま『50題』となります。


実物を見てみるとそれほど分厚い本ではなく、むしろ最近売り出された参考書類と比べればむしろ薄い部類に入ると思います。これは、もともと代々木ゼミナールが行っているネットで購入できる授業の教材にもなっているからではあるのですが、この本だけでも十分完結はしています


これだけ聞くといかにも1問1問が非常に短い問題ばかりで、その解説も簡潔なのかと思うかもしれませんが、実際には1問はそれほど短いものばかりでもありません。


文脈が通じる範囲で抜粋しているので、もちろん中には短いものも存在していますが、ポイントの詰まった3文程度の文から構成されている問題もあります


そのそこそこの長さと言える問題に対して『原則見開き1ページで問題+解説を行っている』本となっています。


これで少しわかって頂けるかもしれませんが、『解説は簡略に書かれている』のです。ただし無茶なほどまで簡略なわけではなく、ある一定ラインの学力がある状況であれば十分に納得できる程度の簡略さになっています。


逆に言えば、そこまで懇切丁寧に書かれている参考書ではないので、基本部分はさらっと流され、それでは解説が不十分だと思うレベルではこの参考書には取り組むべきではない、ということです。



●対象レベル●
対象レベルとしては、将来東大・京大・国公立医学部を目指す高校2年生であれば、十分に取り組むことができるもの、もっと言えば取り組むことができてほしいものです。ただ、この時点では単語レベルで厳しいという可能性もあるので、その点は単語帳や辞書を活用する中で補っていくことが必要です。


ただし、以下の『取り組む以前の注意点』にも書いたように、東大・京大・国公立医学部志望の受験生であってもこのレベルが正確にできる人は結構少ないのではないかと思います。


しかしレベルとしてはそのような大学を目指す人には必要なレベルになるので、ぜひ高2終了時点でこの問題集が8割と言わず9割方できるレベルに到達してほしいと思います。


ただし、このレベルを高3でやることも決して悪くはないので、無理をせずに基礎からしっかり固めていくことも重要です。英語は基礎が非常に重要な教科なので、その部分は決して忘れずに取り組んでいきましょう



●取り組む上での注意点●
最初の方のページに事細かな目次がないのは、詳細な目次を付けてしまうとネタバレをしてしまい、読解する面白みが少し減ってしまうからです。


ただし、本の最後の方のページに簡略な文法ポイント一覧が載せられているので、解ききった後には参照するとよいと思います。


さて、実際に取り組むにあたってはまえがきに書かれているように、ライオンマークの付いている問題は難しい問題になっていますので、1回目に解く時点ではいったん飛ばしても構わないと思います。


正直すべてのライオンマークが激ムズだとは思いませんが、中にはかなり難しい問題も含まれているので、まずは飛ばして全体的な演習を終わらせる方を優先してしまっても構わないと思います。


また、解答にはずいぶん意訳した訳が載っていることもあるので、そのような訳でわからないものや自分の訳でも合っているかどうか不安である場合は、自分の習っている先生で添削の依頼や質問がしやすい先生に積極的に聞いた方がよいと思います。


そのような部分を除けば非常に有意義な問題に取り組むことができる問題が集まった問題集だと思います。