『入門編 英作文のトレーニング』~文法の体系的学習終了後に始める演習書~ | 大学受験 英語勉強法 〜灘高&京大卒 塾講師からの指南〜

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中学受験に失敗…その後懸命に努力し高校受験で灘高に合格! 一時燃え尽き症候群で苦しむも再起し京大合格! 今ではその経験を活かし、塾・予備校講師として主に高校生・浪人生に英語を教える日々。そんな講師が具体的な大学受験の英語勉強法を提示する。

英作文に強くなるには様々な行動が必要となるという話を以前書きました。その勉強法としては、ザクっと言えば、①『基礎レベルの単語を正確に書けるようにする』、②『英文法的に正しい英文を正確に書けるようにする』、③『英作文で頻出の表現を覚えて書けるようにする』などなど、そういった行動が必要となります。


そこで今回紹介するのは『入門編 英作文のトレーニング』(Z会出版)です。


●正しいスペリングで書くことを意識する●
もちろん単語をいかに正確に書けるようになるのか、というのは非常に重要なことで、スペリングミスを少しするだけでも当然点は引かれてしまいますし、何より通じない英語になってしまい、英作文で重要な『自分から発信する能力の構築』といったところとは正反対の行動になってしまいます。それでは無意味なので、まずは、正確なスペリングを把握することが重要になってきます。



●英文法の必要性を理解する●
また、単語が正確に書けても、正確に並べることができなければ、英語という「構造言語」と呼ばれるものには全くの無意味になってしまいます。確かに、実際の会話では単語やバラバラの語順でも通じるかもしれません。しかし、正確に伝えよう、文章にしようと思った場合は、やはり正確な文法規則に従って書くことが必要になってきます。


そこで英作文の学習として『英作文で使う英文法を学ぶための本』というのも存在するので、そのようなニーズの場合はその本を扱って強化していけばよいと思います。代表例としては『大学入試英作文ハイパートレーニング 和文英訳編』があります。



●文法を理解した上でアウトプット量を増やしていく●
今回紹介している『入門編 英作文のトレーニング』は上記に示したようなスペリング強化のための本でもなければ、英作文用の英文法を鍛えるための本でもありません。


確かに、「この単語とこの単語はこういう風に意味が違うから、この場では使えるが、ここではダメ」といったような単語に対する説明も書かれていますが、基本的には『ひたすらアウトプットするための演習書』と考えておけばよいと思います。


最初の方は口語的な文章を中心に問題が構成されているので、『どういった内容を伝えたいのか?』ということを常に意識した上で「ひたすら書きまくる」ということが重要になってきます。


もちろん英作文なので、誰かに添削してもらうのがベストだとは思うのですが、このレベルに関しては、『まず自分で問題を解く→解答&解説を読み込み自分に足りない知識を貪欲に吸収する→解答&解説を利用して自分で添削できる限り添削する』ということをしていきましょう。理想としては最後のステップとして『最終確認として添削してくれる人に見てもらう』ということができれば最善だと思います。


ただ、学力がまだまだ低い状態では添削してもらうこと自体が無意味になる可能性も十分にあります。そういう場合は2回目にこの問題集を解くときに、最終確認としての添削をしてもらえばよいと思います。


ひとまずこの問題集に求めてほしいことは『基礎文法・基礎単語の習得、本当に書けるのかを試すためのアウトプット』です。


もちろんこれ以上に必要な知識はたくさんありますが、まだこのレベルの段階では知識を大量に詰め込む状況にはありません。しっかり英文として通じる英文を書くための『基礎力』を付けることに専念していきましょう。