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今酔の肴

不定期更新

歌舞伎にプロレス。宝塚にさくら学院(その話はやめておこう)。長く見続ければ見続ける程に味わいが深くなるエンターテイメントってあるんですよね。

そしてその一つがハロープロジェクト。

 

2023年9月9日と9月10日の二日間。

ハロープロジェクト25周年記念ライブを観に代々木第一体育館に行って来ました。

あの人が来た、あのグループの曲が見れた。そういう感想はどこにでも落ちているし、Twitter(現X)に自分も投稿したので、それ以外の事をここには書きたいと思います。

 

 

まずは『過去の思い出』の話です。

エンターテイメント、特に音楽ライブというのは残酷で、ほぼ全てのグループが解散を迎えます。

そうすると、ふとした瞬間、あの頃の感情を思い起こそうとするのには映像作品を見る事になります。

映像でタイムスリップは出来ます。でも“体験”でタイムスリップをするのは大変です。

 

9月10日の昼公演

あの瞬間は時空が歪んでいて、タイムスリップしている人達を沢山見ました。

笑顔と感動で口や喉が張り裂けそうな人、全身で喜びを表現する人、無表情で泣き続けている人、奇声をあげて気絶しそうになっている人。

表現の仕方は人それぞれだけれど、みんなどこかにタイムスリップして居たんです。

 

どの時代でもいい。誰を思い出してもいい。

どこを思い出してもいい。ライブ会場でも、居酒屋でも。テレビの前でもパソコンの前でも。

白髪で真っ白な人でも。25年前に生まれて居ない人でも。

色々な人が色々な時代にタイムスリップしている姿が本当に美しかったなと思いました。

これはハロプロが25年も続けていればこそ、見れた光景なんだよなと。

 

 

次は『アイドルライブの間口の広さ』について書こうと思います。

オタク文化が世間に認められるようになってから何年経ったかはわからないけど、昨日は当時ライブ会場に足を運べなかった人が沢山来て居たんだろうなと実感しました。

 

あの頃のハロコンなんておじさん達の巣窟だし、そもそも当時はアイドルのライブ会場に行くのって世間的にもハードルが高かったと思うんですよね。

それが現在は間口が広がり、アイドルライブへのハードルもかなり低くなった。

昨今のハロプロライブって女性が本当に増えたと思うんですけど、昨日会場に来て居た女性に関しては質も量も桁違いだった気がします。

 

あの頃見れなかった物を肉眼で見れた。あの頃聴けなかった声を肉声で聞けた。

だからこそ気絶をしそうになっている女性が沢山居たんだと思います。

 

自分の連れが言っていました。

「ロマモー(ロマンティック浮かれモード)で手を叩きながら回っているおじさんを見て最初に涙腺崩壊した」

間口が広がった事により、あの頃見たかった景色にタイムスリップして感動する。

その答えがこの言葉に詰まっている気がします。

 

 

視点を変えましょう。演者側の話です。

ハロプロOGの楽しそうにしている顔、それは勿論最高です。

でも自分は舞台では見れなかった顔に妄想を膨らませて感動しています。

 

今のハロプロメンバー、特に既存グループに所属しているメンバーって、ほぼ全てが9月10日の昼夜公演に出ていたOGに憧れ、オーディションを受け、ハーロープロジェクトに入ったと思うんです。

 

ハロプロ現メンがバックステージのモニターや舞台袖でステージを眺めている景色を想像してください。

一緒に写真が撮りたくて、OGへ話しかけに行くその第一歩の表情を想像してください。

 

白飯何杯いけますか?ビールが何杯飲めますか?

 

ここにも過去の思い出との対話が存在するんです。

オタク達へのご褒美だった25周年ライブが、結果的に現役メンバーへのご褒美にも繋がるなんて嬉しい誤算です。

【推しの幸せがオタクには一番の幸せ】とは良く言ったもんです。

 

 

避けても避けても結局オタクと遭遇してしまう事実。

情報過多は身体に悪いという事実。

成長は美しくもあり残酷だという事実。

各グループマネージャー格差の事実。

 

等々、他にも書きたい事は沢山あるけど、自分の体力が限界なんで今日はこれぐらいで終わろうと思います(座って良かったファミリー席)

疲れた脳と身体、霞んだ眼(まなこ)で最後に言いたい事はただ一つ。

 

9日も10日も、昼公演も夜公演も。もう一回観たい!観させてください!

アップフロントさん早く映像化してくだい!

僕らはもう映像でタイムスリップする事しか出来ないんです!

 

改めて思いました、卒コンじゃない大箱ライブって本当にいいものですね!

悩みもどこかに忘れさせてくれる非現実感!

この暫く続く脳内麻薬の味を知ってしまっている事がヲタク最大の罪なんです!

 

次はひな壇で他メンがワチャワチャするハロコンを本当にお願いします!

それが観れる事を願って僕らは現実世界に戻っていきます。

 

衣食住じゃ補えない、睡眠欲、食欲、性欲じゃ補えない、そんな何かを求めてオタク達は旅を続けているような気がします※食スケベすぎて“食”が二回登場している事は気にしないでください

まぁ、アイドルも栄養という意味では食になるのかもしれませんね!

 

ご馳走様でした(古のアイドルライブの〆台詞※その話もやめておこう)