泣きたい時?に読んで下さい | 今酔の肴

今酔の肴

不定期更新

昔飼っていたペットの話などを、ほぼノンフィクションで書いてみる
※長文ウザイ・今そんな気分じゃない、って方は引き返して下さい
推奨BGM

http://www.youtube.com/watch?v=89gP64Y-UqA


猫、そう猫なのだ
アイツが現れるまで、ペットなど飼った事が無かった我が家だけれど
アイツがふと迷い込んだ瞬間から、我が家は猫中心の生活に一変した

家族の誰もが、家に帰るなりアイツを探す
アイツも期待に応える様に、音で家族を判断して寄ってくる
とても不思議な力を発揮してアイツが登場だ
そうなると、アイツ中心の夕食が始まる
アイツと遊びたいが為に、皆が何度もアイツを呼ぶ
そういう時、
大抵アイツは素知らぬ顔をして、何処かへ行って仕舞うんだった

そんな毎日が普通に楽しかった




【猫は死ぬ時に居なくなる】
そんな事実なんて、まったく知らなかったあの日
今日みたいにとても寒かったあの日
普段なら、家に帰ると直ぐに僕の足下にやってくるアイツの姿が全然見当たらなかった
何度もアイツの名前を呼んで探す
ここ2、3日体調を崩していたアイツ
そんなアイツは僕の布団の中で、小さく丸まっていた

うん
こんなかわいい姿は見た事がない
そんな世界一可愛い丸を、おもいっきり撫でてやる
そうすると、世界一かわいい丸は、世界一かわいい四角に変身するんだ

けれどもその日は、四角に変身するどころか
こちらに気付くと、必死に部屋の外に逃げて行ってしまった
何かが違う・・・
外に出てずっと一点だけを見つめているアイツ
何故だろう
【猫は死ぬ時に居なくなる】なんて事実知らなかったあの時
普段となんら変わらなかったあの時
これはヤバいと思い、僕はアイツを直ぐに部屋に戻した

この時僕は、今迄生きてきた中で一番良い判断をしたのだと思う



夜になり
いつもの様に部屋をカリカリとノックして部屋に入ってくるアイツ
いつもの様に僕の布団で丸まって寝ているアイツ
考え過ぎだったかな?風邪か何かだろう
この時は、そんな単純な考えだった

気がつくと、アイツは僕の布団からいなくなっていた



つづきます。