これあったら便利。
不要な通院が減るから。交通費がかなりかさむよ。
遠隔モニタリング機能を搭載した心臓植え込み型デバイス(CRM)製品で日本市場に攻勢をかける独系医療機器メーカーのバイオトロニックジャパン。2009年3月に、元通産官僚でジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)日本法人デピュージョイント事業部ジェネラルマネージャー/バイスプレジデントだった曽山明彦氏を社長に迎えた。曽山社長に戦略などを聞いた。
- 主力のCRM事業ではホームモニタリング機能付き製品を積極的にアピールしている。
米国で「TRUST」というホームモニタリング機能の効能についての大規模試験を実施した。この結果によって昨年5月にFDA(米食品医薬品局)から、10月にはCEマークによってバイオトロニック製品のホームモニタリング機能について、外来フォローアップの代わりになるという効能が認められた。この承認を受けたのはバイオトロニックが初めてだ。
国内でも現在、通信環境を調査するためのパイロット試験を90施設、300人以上の患者に実施している。ホームモニタリングでわれわれはすでに海外において10年弱の実績を持つ。海外同様に日本でも標準機能になると予測しており、そのために競合に先行して手を打っていくつもりだ。
昨年12月には患者の心臓やデバイスの状況を遠隔で確認するための専用サイトで、従来の英語に加えて日本語サイトも開設した。今年からホームモニタリング機能付きペースメーカーも国内に投入する。ペースメーカーは対象患者も多く、医師だけでなくコメディカルの人達にも使えるようにしなければならない。そのために日本語化は必須になる。
- CRM事業の目標は。
日本市場でのバイオトロニックのシェアはグローバル市場でのシェアよりも小さい。まずは今年中、遅くても来年にシェア10%の獲得を目指していく。これは日本光電の販売と、われわれ日本法人の直販も含めての数字だ。
- バスキュラーインターベンション事業や電気生理学検査分野の展開は。
グローバルでは、先端がゴールドチップのイリゲーション(灌流)タイプのカテーテルを発売するなど製品ラインアップは整いつつある。主要製品の国内承認を取得次第、事業を拡大していきたい。バスキュラー事業もそうだ。やはりステントがないと事業拡大は難しい。
- 今後の成長目標について。
2010年の成長目標は前年比75%増を目指している。個人的には5年後に日本法人の売上高を100億円にしていきたい。それにはCRM事業だけでなく、バスキュラーなど他の事業の拡大が必須だろう。
また海外で開発された製品を日本で販売するだけでなく、日本発の技術やシーズを世界に発信することを個人的にはやっていきたい。日本法人がグローバルのバイオトロニックのなかでイニシアチブをとってビジネスを展開できればと考えている