先日、働いているコミュニティースペースにて、既成のおもちゃやアナログゲームの多様な遊び方を考え合うイベントを開催しました😊
レッジョ研修のお土産で買ったものですが、実はフランス製だったというカード(https://ameblo.jp/yokomeyagi19/entry-12381915922.htmlの記事で紹介したものです)。
平日の午前中でしたが、子育てをされている若いお父様お母様たち、地域にお住まいの年配の方が来てくださいました✨
すると、こちらのカードゲームで遊んでみるという流れが生まれました✨
レッジョ研修のお土産で買ったものですが、実はフランス製だったというカード(https://ameblo.jp/yokomeyagi19/entry-12381915922.htmlの記事で紹介したものです)。
実は、購入してから実際に遊ぶのは初めてでした笑
「このおもちゃは、こう遊ぶ」というように遊び方を固定するのではなく、遊び手が関係性の中で遊びを生み出していけるようなおもちゃやアナログゲームを普段から意識して選んでいます。
したがって、このカードも「それでは、これでどうやって遊ぶと面白そうか」ということを、皆さんと一緒に考え合いました😊
すると、
案1「カードを表向きにして広げる→読み手を1人決める→読み手は、広げられたカードの中から1枚、心の中で選ぶ→かるたの要領で、読み手は絵に見合う読み札に当たる言葉を即興で考えて読み上げ、その他の人が取る」
案2「カードを表向きにして広げる→順番に物語の語り手を決める→語り手になった人は、広げられた中から1枚カードを選び、前の人に続くようにして話を考えていく→最終的に、みんなで1つの物語をつくる」
という遊びが生まれました✨
今回は、案2の「物語創り」に挑戦!私含めて5人で行いました。
人物や動物、架空の生き物、建物、自然、アイテムなど、様々なバリエーションがあります✨
これらを順番に繋ぎ合わせて1つの物語を創っていくというわけです。
◯こんな物語になりました‼️
①ある日、1人の占い師が「口にしたことが本当のことになる薬」を作った。魔女はそれを怪しんでいたが、どうやら効力は確からしい。
②あるところに、「あの子に会いたいよ〜」と力なく嘆く1匹のカエルがいた。このカエルの正体は、とある国の国王の息子である王子。「口にしたことが本当のことになる薬」を飲んだ国王が、自らの息子である王子に対して「カエルになってしまえ!」と言ったことで、王子はカエルに変身してしまったのだった。
③ここから、王子の過去に遡ることに。王子は非常に好戦的で、また金好きだった。やがて、財宝に目がない王女と結婚し、さらなる富を得るために新婚旅行兼、金銀財宝がある島へ冒険に行った。途中でこどもも授かることに。
④しかし、森で見つけた魔法の指輪をはめた王女は、ドラゴンへと変身して去ってしまった。至る所で号外が配られる大騒ぎに。
⑤そんな事態でも、王子の頭には「独り身になれば金銀財宝を独占できる」という邪な考えが浮かんでいた。他の国に住むピュアな他の王子がドラゴンになった王女に一目惚れをし、人間に戻すために必死に奮闘する中で、金好きの王子は金銀財宝を取るか、それとも王女を助けに行くかで悩んでいた。
⑥金か王女かで悩む王子のもとに突然妖精が現れ、王子の悩みを解決してあげようと言った。王子の悩みを聞いた妖精は、「まぁ、とにかくこれを飲みなさい」と言って、何やら怪しい液体を渡した。王子はその液体を飲むと、ワインのような味に酔いしれて気分が良くなって踊り出してしまった。
⑦その頃、ドラゴンになった王女を助けるために旅立った別国のピュアな王子は、魔法の笛を吹くと王女を元の姿に戻すことができるという情報を得た。途中、別の女の子からラブレターを受け取り、「恋はラビリンス」状態に悩みながらも、なんとか魔法の笛を手に入れた。
⑧一方、金好きの王子のほうはというと、気分良く踊っているうちに、妖精が渡した液体の効果で巨人になってしまった。大きくなった体で雪の中を歩いた結果、風邪をひき、なぜか監獄へと幽閉される羽目に。そんな王子を助けようと1匹のねずみがやってきて相談に乗るが、恩知らずですっかり金の亡者となっている王子は、こんな汚らしく金にならないねずみなどいらないと、なんと箒で払いのけてしまったのだった!
⑨その頃、ピュアな王子の活躍で、ドラゴンになっていた王女は元に戻った…のだが、性格は相変わらず。「元に戻してくれたことには感謝するけど、アタシは莫大な富や国を独り占めしたいの。だから、アンタとは結婚なんかしないわ。じゃあね!」と去っていってしまった!ピュアな王子は仕方なく馬車に乗って自分の国へと帰った。彼はその後、幸せに暮らすべく生活を送っているという。
⑩さて、その頃、とある洞窟では1匹のカエルの鳴き声が…。そう、金に目が眩み、いっときは巨人になっていたあの邪な王子が、父である国王が言った言葉通りカエルになってしまっていたのだった。今やカエルとなった王子は、木に登り、哀しそうに鳴き続けるのだった…。
長くなってしまいましたが、約45分間に渡るやり取りの中で、このような物語が生まれました📖
この後、少し深掘りしていきますので、ここまでで読み終えていただいて構いません😌
◯今回の物語創りのポイントその1〜回想を入れる〜
序盤に「王子がカエルになる」という結末が出ていたため、それに向かってどのように物語を創るかということがポイントになっていましたが、次第に王子の邪な性格を付与するような情報が付け加えられていきました笑
順番に時間が流れるというストーリーではなく、回想から徐々に現在へと近付けるという展開にしたところが1つ目のポイントだったように思います。
◯今回の物語創りのポイントその2〜ブラックユーモア〜
③の場面、金に溺れ、王女と結婚し、新婚旅行も兼ねつつさらなる財宝を探し求める中でこどももできるという幸せウハウハ状態の王子を描いた場面では、「どこでこの幸せ絶頂の王子をドン底に落とそうか笑」というブラックユーモアで盛り上がることに笑
人生における数々の幸せと修羅場?を潜り抜けた大人同士だからこそ、「このあたりで突き落とそう!笑」という発想に至ったのかも知れません。
◯今回の物語創りのポイントその3〜省察〜
前の人が作った流れを保持するか、流れを敢えて崩すか、「さて」や「その頃」などの言葉を使って全く違う話題を投げ込むかというチョイスに、その人の個性が表れるということに、全体を振り返って気付いた方もいらっしゃいました💡
遊び終わったら終わり…ではなく、省察が生まれたことで、物語創り遊びの面白さがまた1つ見えてきました。
◯それぞれの物語創り〜遊びは関係性の内側で生まれる〜
さて、今回のケースは大人同士の物語創りの場面でした。回想・ブラックユーモア・省察という特徴が見られ、こどもたちと物語創りをした時とはまた違った面白さがありました✨
ローリーズ・ストーリーキューブスなどを使ったこどもたち同士の物語創りを見てみると、直前の話に繋がるように語る(したがって、だいぶ前に出た設定は無視される)形で物語を創るという場面が、わりと見られます。だからと言って、こどもたちの中で否定や批判が出るわけではない。「いま、ここ」で生まれた面白い展開に、みんなで笑い合う温かい雰囲気が生まれているのです✨
このような場面を見て「こどもは未熟だから、まだ時系列が把握できない」「大人はこどもより物語創りに長けている」と捉えることもできますが、「物語創りたるもの、こうあるべき」という固定観念に囚われずに楽しみ合う関係性を築くことができているとも捉えることができます。せっかくなら、後者の視点を持ったほうが、こどもたちの遊びを共に楽しむことができますよ😊
首尾一貫した物語にするかどうか、時系列の前後関係が矛盾しないようにするかどうかなど、物語創りの方向性は関係性の内側から生まれるもの。
そう考えると、今回の大人同士での物語創りも、以前のこどもたち同士の物語創りも、やり方こそ違うけれど、どちらも関係性の内側から遊びの流れが生まれ、そのプロセスを楽しみ合うことができたという点において相通じていると言えるのではないでしょうか😊
◯どんなアイディアも大切✨
省察の時間の中で、「物語の流れや空気が読めていなかったかも知れない…」という呟きがあがりました。途中で突拍子もないことを言ってしまい、変な流れにしてしまったかも知れない…と。
私は全く気にならず、むしろ「物語が面白くなったり深まったり、新しい流れを生み出してくださったり…素敵だなぁ!嬉しいなぁ!」と感じていました。
物語の中で「お、新しい流れになったぞ!」と感じた部分を見てみると、④の場面で王女をドラゴンに変えてしまう、⑥の場面で妖精が劇薬?を渡す、⑧の場面で救いの手を差し伸べたねずみをまさかの排除、⑨の場面でピュアなほうの王子がまさかの玉砕 といったあたりで見られました。
ちなみに、誰か1人が常に仕掛け役になっていたというわけでは決してなく、程よくほぼ全員が物語の流れを崩しており、そこで大笑いとともに新たな展開が生まれていきました。
「正解」がない物語創りの中では、どんなアイディアも物語を盛り上げ、話を膨らませ、他の人が、自分1人では予想だにしなかったような新たなアイディアを生み出すための大切な要素になります✨
もし「難しい!」と思えば、「すると、オオカミが現れました。オオカミは、こんなことを言いました」というふうに、仲間に委ねてしまうのも手です😊
例え文字数的には短くても、「内容が薄いかな?」と思ったとしても大丈夫!その言葉は、確実に次の人が語るための、そして物語創りに必要不可欠な、大切な土台になっていくのです✨
いかがでしたでしょうか。
かなり長々と書いてしまいましたが、今回物語創り遊びをしたことで、私自身、たくさんの発見や学び、これまでの学びと結びつけた新たな考えが膨らんでいきました✨
遊んだ後も、物語は続いていくのですね!
今度は、こどもたちも交えて、幅広い世代で物語創りをやってみたいです😊