抗体の働き | ようちゃんのブログ(乳がん闘病生活と日常のあれこれ)

ようちゃんのブログ(乳がん闘病生活と日常のあれこれ)

異時性両側乳がん
(左:ステージ0 右:ステージ1)

2017年12月左乳がん全摘、翌年5月インプラント再建
2023年4月右乳がん全摘、同12月インプラント再建
溶連菌やMRSA感染で手術の繰り返しですが、次の再再建に向けてがんばっています。
詳細はプロフィール

免疫についてのお勉強の4回目です。

前回は、白血球のうちのNK細胞をとりあげて書きました。

 

 

今回は、我々の身体の中で、免疫を担うものについての詳細、主に抗体の働きについて書こうと思います。

できるだけ専門的なことは省略して、簡単に書くつもりなので、逆にわかりにくくなってしまうかもしれませんが、ご了承ください。

 

抗体のお話の前に、広い意味での自然免疫といえる、物理的防壁などについて、お話しします。

 

皮膚や粘膜による防御

 

皮膚や粘膜は、バリアとなって外敵の侵入を阻みます。

皮膚を引っ搔いたり、乾燥したりすると角質細胞が剥がれたり、細胞間脂質(セラミドなど)などが失われたりして、皮膚のバリア機能が低下します。

その結果、外敵が侵入し、感染症やアレルギーが引き起こされたりします。

この季節、乾燥しやすいので、十分な保湿を心がけましょう。

粘膜は粘液で潤っていますが、傷ついたり乾燥したりすると、皮膚と同様にバリア機能が低下します。

 

涙、汗、消化液による防御

 

みなさん、目にゴミが入ったりすると、涙が出ますよね。これは物理的な刺激を受けて起こる反射で、目に入った異物を洗い流すためです。また、涙にはリゾチームという酵素が含まれており、細菌の細胞膜を壊して外敵の侵入を防いでいます。このリゾチームは、汗や鼻水にも含まれています。

胃液にはたんぱく質分解酵素が含まれており、pH1.5~2の強酸性なので、食べ物などと一緒に口に入ってくる細菌やウィルスなどを撃退しています。ただし、ピロリ菌は自分が持つ酵素で周囲を中和して胃の中で生き続けます。ノロウィルスは胃液に強いため、胃を通過して簡単に腸まで達して、ひどい食中毒を起こします。

 

白血球にはいろいろな種類があり、その中にリンパ球があります。

リンパ系について少し触れておきます。

 

リンパ系

 

免疫の機能を担うリンパ球などの集まりをリンパ組織といいます。

【一次リンパ器官】

リンパ球などをつくる骨髄と、T細胞を選別する胸腺

【二次リンパ器官】

リンパ節、脾臓、小腸のパイエル版、扁桃など、リンパ球などの仕事場になる器官

 

リンパ球の一部はリンパ器官を出て毛細血管から全身の組織をパトロールし、リンパ管に入ってリンパ節に集合したり、胸管を経て鎖骨の辺りで血管に入り、血液循環に乗って全身を回ったりします。

 

では、免疫担当の中心的存在である白血球のお話にうつります。

 

血液は下記の成分で構成されています。

 

血球成分(赤血球、白血球、血小板)

血漿(水、ブドウ科、たんぱく質など)

 

血球は骨髄にある多能性造血幹細胞が分化することでつくられます。 

 

白血球は、主に免疫の機能を担う血球で、細胞核を持ち、4種類に分類できます。

それぞれの特徴は表に示した通りです。

ちなみに、単球とマクロファージは元になる細胞は同じもので、血液中の単球が外敵の侵入や炎症を察知すると血管外に出てマクロファージになります。

 

抗体

 

新型コロナウイルスが流行してから、抗原と同様に、抗体という言葉もよく耳にするようになりました。

では、抗体って何?

ワクチン接種や感染したら、身体の中に抗体できるとか聞きますよね。

 

抗体はB細胞がつくるグロブリンというたんぱく質でできていて、免疫グロブリンといいます。

抗原と抗体が結合すると、抗原抗体反応が起こります。

 

1種類の抗体は1種類の抗原としか結合できない

 

抗体がくっつく抗原の部分をエピトープといい、エピトープの形にぴったり合う抗体だけが結合できます。

 

抗原と結合した抗体は、図のような働きをします。

 

 

 

①オプソニン化

好中球は、抗体のFc領域に結合する受容体を持っているので、抗体が結合している細菌をよりたくさん貪食する

②中和・感染の阻害

抗体が抗原の周りを囲んで結合すると、抗原が細胞内に入り込めなくなり、それ以上増殖できなくなる

③補体の活性化

免疫の働きを助けるたんぱく質である補体を活性化して、外敵の細胞膜に穴を開けて殺す

 

メモリーB細胞

 

一度感染した外敵から再攻撃を受けた時、その病気は発症しないか、軽い症状で済みます。

みなさんも経験あるかと思います。

これは、一度目の攻撃を記憶しているB細胞が身体の中に残っているからなんです。

B細胞は、形質細胞とメモリーB細胞になるものがあります。

B細胞は、同じ抗原を認識した T細胞と出会い、刺激を受けて活性化すると、形質細胞に変身して、抗体を作るようになります。

一般的に、外敵との戦いが終わると、活性化して働いたリンパ球は死んでしまいますが、一部のB細胞は形質細胞にならず、外敵を記憶したまま、メモリーB細胞として生き続けます。

そのため、次に同じ外的が侵入してきたら、このB細胞がすぐに形質細胞になり、抗体を作って放出することができるのです。

予防接種はこの機能を利用したものです。

 

新型コロナウィルスの抗体の量について、ワクチン接種後半年経過するとピーク時の4分の1くらいになるとか言われていますが、この抗体量というのはワクチン接種により形質細胞が作った抗体です。メモリーB細胞があれば、抗体量が少なくなっても、同じ抗原が体内に入ってくれば抗体を作ってくれるはず。そのため、抗体量が低下していても、ある程度は発症予防効果が保たれる可能性があるのですが・・・・。

個人差があるので、そのあたりは難しいですね。

そして、残念ながら、新型コロナウィルスは変異するため、やはり変異したものに対応するワクチンが必要になってきます。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

次回は、免疫を担うものである腸の働き、腸管免疫を中心に書こうと思っています。