というか、本番当日までの流れが見えてくると、さほど時間があるわけじゃないのが分かって、無駄に焦る

というわけで、休演日を利用して、『INTO』の歌稽古。
有名な作曲家ソンドハイムの作品だが、はっきり言ってヨコザワはソンドハイムには全然興味なかった。
「面白い」、とも「難しい」、とも良く聞く作曲家で、難解な玄人好みの作風なんだろうと、勝手に想像していた。
しかし今回CDを聞いてみると、不協和音が鳴り響いたり、変拍子が激しかったりもせずに、そんなに難解でもない。
それどころか、何回も聞いているうちに、独特で美しいメロディが耳にずっと留まる程になった。
ではいったい何が難しいのか。
それは、楽譜を解読にかかって分かった。
ソンドハイムの歌は、一般的な伴奏とメロディの形をしていないのだ。
まるで歌もオーケストラの一部であるように、歌がきっちりあるべき場所に収まって初めて音楽が完成するのだ。
楽器のように精密な音が出せなければ、あっという間に全体が崩壊してしまう。
なるほど、これは難しい。
しかし、上手く嵌まれば、ジャズのセッションのように、演奏する側もそれを聞く側も楽しめる、そんな音楽なんではないだろうか。
普通にカラオケのつもりで挑んだら、大変なことになる。
これは気を引きしめてかからなければ…。