最初のピチピチの危機は、衣装合わせの時。
庶民の格好は、ぱっつんぱっつんの状態で採寸されただけあって、余裕があって楽チンだった。
ただイギリス兵の衣装が、時代考証もあってかそのときすでにピチピチだった。これ以上は一ミリたりとも太れないなと思ったものだ。
第二次ピチピチの危機は、舞台稽古で久しぶりに出会った時。
汚しをかけたり、新品の状態でもなんだし、たぶん洗濯をしたんじゃないかと思う。衣装合わせの時よりキツイ……。
庶民でピッタリ、兵士はピッチピチになっていた。チャックが壊れるのは時間の問題と思われた。
この辺から、本格的に痩せようと心に誓う。
そして今、第三次ピチピチの危機を迎えている。
ダイエットは順調で、上着には余裕が出てきたくらいだが、ジョギングと階段生活のせいで脚が太くなってきた。
このままでは、遅かれ早かれ、壊れたチャックを、再び直してもらいに行かなくてはいけなくなる(一回は既に壊した)。
引き締まるのは大変結構だが、そろそろ脂肪が落ちてくれるとありがたいのだが。