現在タイに住んでおります。
お向かいの黒いワンコが車に轢かれて亡くなってしまいました。
タイでは放し飼いが当たり前なので、こういう出来事はよくあります。
放し飼いの犬たちは自由でのびのび生きています。
夕方になると、近所の犬たちが空き地に集まって集会を開いてたりして微笑ましかったり、
仲が良い犬が来ると嬉しそうにして、仲が悪い犬が来ると吠えて寄せ付けなかったり、犬の中にも交友関係が色々です。
お向かいの黒いワンコは私の旦那さんに懐いていました。
黒いワンコの家には他にも犬猫が沢山いるので、大家族特有の食べ物争奪戦が毎日繰り広げられているんでしょう。
旦那さんがいつもオヤツをくれるから、旦那さんが通ると尻尾をブンブン振ってやってきていました。
黒いワンコがあまりに嬉しそうなので、旦那さんもワンコのためにオヤツを常に持っていました。
人の家のペットに食べ物を上げるとか、日本じゃあまり考えられないことですが、お向かいのおじいちゃんは旦那さんと黒いワンコが仲良くしているのを微笑ましく見ていました。
黒いワンコは多くの時間を我が家の敷地で過ごしていました。
日中の暑い時間はウッドデッキの木陰で昼寝をして
夜はベンチの上で寝ていました。
いつしか黒いワンコは我が家の番犬としても働き始め、
知らない人の気配がすると入口に駆けてってワンワン吠えてくれました。
我が家でも番犬を飼おうとしていたのですが、黒いワンコがいるから必要がなくなりました。
そんな風に過ごしていたある日の出来事でした。
黒いワンコは誰かの車についていって、大通りまでいってしまい
他の犬の縄張りのせいで帰れなくなったのか、
そのまま通りすがりの車に轢かれて死んでしまいました。
大通りに住む犬たちは高速で走る車に慣れていて、
車がいなくなってから上手に道を渡りますが
私たちの住む場所は大通りから離れていて辺りはあぜ道。
車はゆっくりしか走らないし、
犬が道の真ん中にねそべっていても車が犬をよけて通るようなのどかな場所なので、黒いワンコは車の危険を知らなかったんだと思います。
もう黒いワンコは家族同然だったので、亡くなったと聞いてとても寂しかったです。
いつもそこにいた存在が突然いなくなってしまって、心にぽっかり穴が開いたような気持ち。
私たちをが帰って来ると満面の笑みで駆け寄ってきた黒いワンコ。
昼も夜も、ただそこにいるだけで安心感があったんだって、いなくなってから気づきました。
生き物の死はとても寂しいけれど、そこから学ぶことも沢山あります。
次男6歳はまだ死についてよくわからず、
「ワンコまた戻ってくる?」「もう死んじゃったから戻ってこないよ。」
「死んだらどこにいくの?」「肉体から離れて神様のところにいくんだよ。」
「神様のところで何するの?」「また生まれてくる準備。」
「みんないつかは死ぬの?」「そうだよ。」
「お母さんも死ぬの?」「そうだよ。」
「いやだー」「今じゃないからwけれど、だから生きてる時に一緒にいる時間を大切にしようね」
私たち人間もいつか死にます。
こうして動物の死に触れて、学んでいくんですね。
黒いワンコ、いなくなって寂しいよ。
私たちと仲良くしてくれてありがとうね。
天国でゆっくり休んでね。
そしてまたいつか会いましょう。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
愛と光を込めて
長谷川陽子