皆さま、こんにちは!
いつもブログを読んで下さってありがとうございます。
現在私の息子たちは北タイ・チェンマイのPANYADEN International Schoolに通っています。
PANYADENは自然の中に、天然素材で造られた美しいフォルムの教室が建ち並ぶグリーンスクールです。

PANYADENではIPCカリキュラムという枠にはまらないユニークな教育方法を行っています。
学校では田植えや、家畜への飼育についても学びます。

また生徒たちは仏教の思想から心の豊かさも学ぶことが出来る素晴らしい学校です。
そんな素晴らしい学校で子供たちを育てることが出来たのは本当に幸運なことでした。

そして近々、私たちはこの素晴らしい環境を離れることとなります。

その理由の最たるものとしましては、
長男の大悟がYear6となり今年で小学校卒業となるためです。
もう一度言いますが、PANYADENで過ごせた幼少期は素晴らしい時間でした。
それでもPANYADENのセカンダリーに進学しないことを決めたので、今回はそれらについて書きます。

教科書がないIPCカリキュラム
PANYADENの幼稚園と小学校ではIPC(International Primary Curriculum)を採用しています。
IPCカリキュラムでは、1か月から時に数か月かけて、1つのトピックを深堀していきます。
教科書を使わずに、国語、算数、歴史、課外活動など様々な視点から観察し理解を深めていきます。

子供達は遊びながら学べ、世界への興味を上手に育むことが出来るカリキュラムです。
子供達の大好きなトピックは「チョコレート」。カカオの歴史について学び、英語の授業は「チャーリーとチョコレート工場」を読み、遠足はチョコレート工場に行きました。
私が子供だったらIPC絶対に楽しかったと思います。
親の目線からすると学校の中で何が行われているのかがあまり分かりません。
低学年の頃は「今日何したの?」と聞いても「わかんない」「知らない」と言われる毎日でした^^;
何をやっているか分からずにやっているってすごい話ですw
なんといっても素晴らしいのは竹と天然素材で造られた美しい校舎
もしも子供をPANYADENに入れるなら幼稚園から小学校低学年の期間をおススメします。

シュタイナーは自然の中に直線はないと言っていて、自然な曲線を描いているものの中で育つと右脳が発達すると言われています。PANYADENに子供を通わせる一番の理由はこの建造物です。第一次成長期は7歳までと言われていますから、幼稚園から小学校低学年の間にPANYADENで過ごし、竹や木や土に触れて育つことは子供の感受性を育てることに大いに役立つと思います。

最初の頃は外と内の垣根も曖昧で親ももっと学校内に入ることが出来たのですが、最近はセキュリティが厳しくなりほとんど父母はほとんど学校に入れなくなってしまったのがとても残念です。

因みにPANYADENを建てた建築家の作品は5つ星リゾートホテルとして世界中に建てられています。
実は私のヨガスタジオをこの建築家の方のお弟子さんに頼みたいと思い、値段交渉をしたことがあるのですが、目玉が飛び出る値段でした…^^; 竹自体は高額なものではありませんが、竹を加工したり維持したりする技術が特別な物なためです。また建てた後のメンテナンスも頻繁にする必要があるようで、サスティナブルって高い!!理想と現実に驚いたのでした。
6~7年前の洪水で校舎が溶けた!
北タイは5月~10月が雨季の際、局地的な雨により学校の前の川が氾濫し、校舎が冠水し、天然素材で造られた校舎溶けてしまったんです!!学校の中の物は流されたり泥まみれになったりして新しく買いなおすことになりました。
学校も校舎を建て直す間は近所の家を借りて行われました。

因みにその出来事以降、壁や床にはコンクリートが入れられたそうで学校は溶けなくなりました。
目の前の川の水も冠水しないように処置済みだそうです。
アップデートが繰り返されるPANYADENです。
煙害対策で空気清浄機と冷房が完備された!
北タイでは2月~4月まで野焼きのシーズンとなり空気がPM2.5で汚染されます。
欧米人の方が空気汚染に敏感なので煙害を避けて転校する家族も少なくないです。
約5年に煙害がいつも以上に酷い年があり、欧米人の家族が学校にクレームを入れました。
PANYADENの校舎は暑さを逃す構造なので天井など至る所に空気の通り道があり、ドアも開け放たれて開放的な環境だったのですが、全てを密閉し、空気清浄機を導入することになりました。
人は便利さに慣れるもので、当初は煙害のシーズンだけ使うと言っていた冷房も今では当たり前に使われています。
解放的な環境か、子供の健康第一か、人々の意見は大きく割れ、先生含め残る人と去る人に分かれました。

↑フリーエネルギー開発のテネモス製の空気活性機
コロナでオンライン授業がはじまる!
そして世界中誰もが知っているコロナ禍となりオンライン授業となりました。

学校が溶けたり、煙害なのに天井がスカスカだったり、大変なんですけど、自然と生きているからこそ、いつも何かが起きて、そのたびに考えさせられる日々は興味深いものでした。

セカンダリーが始まってIBが導入!
そうこうしているうちにPANYADENにセカンダリーが出来ました。
私は他の学校なんて考えられないくらいにPANYADENを愛していましたから、セカンダリーが出来て子供たちがPANYADENの中で青年期まで育つことを喜びました。
けれど、、、
PANYADENのセカンダリーに行った後はどうなるの?
正直PANYADENのセカンダリーを卒業した後の子供のヴィジョンが視えなかったんです・・・汗
PANYADENは息子にとっては遊び場の感覚です。
幼稚園からいる彼にとっては完全にくつろげる場所でお勉強のスイッチが上手に入るか甚だ疑問でした。
(実際Year5、Year6に上がってからは勉強に対する意欲が見られないと学校から指摘が続いていました)
そこで息子と将来のヴィジョンを探す旅が始まりました。
ここからはちょっと小難しい話になるので、流し読みで大丈夫ですw
・・・
PANYADENのセカンダリーのシステムについて
PANAYDENのセカンダリーは最終的に
・IBディプロマコース
・PANYADENディプロマコース
の2つのコースに分かれていくようです。
もし「IBディプロマ」が必要ない場合は「PANYADENディプロマ」を取得して卒業となるようです。
息子はPANYADENでは勉強のスイッチが全然入らないので、間違いなくIBディプロマコースには進みません。
そしてセカンダリーは出来たばかりなので、卒業生たちの卒業後の進路のモデルケースがありません。
ところで、IBのメリット・デメリットは簡単に言うと以下です。
IBメリット
・大学受験に強い ←高スコアなら
・様々な教科を学べる←オールラウンダーには良いと言われる
IBデメリット
・英語スキルが必須
・親のサポートが必須
・学校以外の時間も忙しくなる
そしてIBについて調べていくうちに、IBとよく比較されるA levelのことを知りまた。
IBとは?
スイス・ジュネーブにある国際バカロレアと呼ばれる大学入学資格試験のこと
ケンブリッジ国際IGCSE/A levelとは?
イギリス・ケンブリッジ大学提供の大学入学資格のこと

「IBディプロマ」と「ケンブリッジ国際A level」のちがい
IB
6教科+3つのコア科目(TOK,CAS,FE)が必修
言語2つ、人文科学(経済・哲学・地理・経営・歴史など)、数学、理科、芸術から1つずつ選択。
↓
文理を満遍なく学べる
A level
3教科のみ履修
A levelに必修科目はなく、好きな科目や進学したい大学が求める科目を3つ自由に選択できる。
↓
興味のある科目を専門的に学べる
そもそもただ単に勉強が好きな子ならともかくも、大学に何しに行くのか目標が立たなければやる気も出ません。
息子は興味があることはとことん追求しますが興味がないことは全くやりたがらないので、そういう意味からいってもIBよりも専攻に特化したケンブリッジ国際カリキュラムのIGCSE/A levelを修得できる学校を探した方がいいのではとなりました。
それで実際に色んな学校見学に行って見て感じてみることにしました。
最初、息子は「友達がいるからPANYADENに行く」と言っていましたが、他の学校の様々な先生と話していくうちに、だんだん専攻分野への進学に興味を持ち始め、最終的に他の学校への進学を決めました。
PANYADENのセカンダリーは現在成長中なので、もしご興味がある方は注目し続けてください^^
・・・
PANAYDENでの学校生活は夢のようでした。

サスティナブルライフの理想と現実を垣間見たり、グリーンスクールで教える先生たちの素晴らしい人柄に触れたり、子供達の情操教育の観点においても貴重な時間を過ごさせてもらえました。

ここを去る日のことを考えると寂しいー!!!

・・・けれど
We are making headway!
前進の時です^^

まだ半年ありますが、きっとあっという間の半年なんだろうなー。
名残惜しい気持ちを楽しみながら過ごします!

最後まで読んで下さってありがとうございました
愛と光をこめて
長谷川陽子