人体にはナディというエネルギーの流れる道があります。
これは物質肉体領域に存在するものではなくて、エーテル体領域あるので、肉眼で目視出来るものではありません。
ナディは人体に72.000本も走っていると言われており、その中で重要なナディの3本が
「スシュムナ・イダ・ピンガラ」ナディです。
「スシュムナ」ナディは身体の真ん中を貫くように通る最も大きく最も重要なナディです。
その次に来るのが「イダ・ピンガラ」ナディで、
イダは左の鼻腔から始まり、会陰に到達しています。
ピンガラは右の鼻腔から始まり、やはり会陰に到達しています。
私たちは空気中のエーテル・エネルギーを鼻腔から取り込むのですが、
左側のイダは陰のエネルギーを取り込み、
右側のピンガラは陽のエネルギーを取り込みます。
つまり、大気中に混ざり合っている陰陽のエネルギーを
左のイダは陰の氣だけ抽出して取り入れて
右のピンガラは陽の氣だけ抽出して取り入れて
それらはそれぞれ純化された状態で左右のナディを通って、会陰で再度結合するのです。
また私たちは通常、左右の鼻から同時に呼吸はしていません。
いつも左右のどちらからか呼吸をしており、この左右へのスイッチは自然に入れ替わっています。
人によってはバランスよく入れ替わるし
人によっては左側もしくは右側からの呼吸が多いことにより、肉体や精神状態に影響を与えています。
ここで左右の陰陽について少し話していきますと
左側は鎮静化の効果があります。
右側は活性化の効果があります。
例えば、人は病気になると元気がなくなるので、日常の活動をやめて、大人しくしていようとしますよね。
そういう時は自然に左鼻呼吸が優位になります。
逆に、スポーツの試合などで、ここ一番気合が必要で鼻息が荒くなる時、火事場の馬鹿力を呼び込む時は、右鼻呼吸が優位になります。
また陰陽はどっちが良い悪いではなく、磁石のN極S極のように両方必要なもので、両方あることでバランスを取っています。
(スポーツの試合が終わっても、ずっと鼻息荒いままだと神経過敏で精神がおかしくなりますから、極限まで右鼻呼吸をしていた後は自然に左鼻呼吸へなる、、、みたいな話です)
左右の陰陽は、必要な時に必要な氣を呼び込むことは大切ですが、どちらかに偏りすぎるとバランスを崩します。
普段から静かな人は自然と左鼻呼吸が優位です。
それは良い意味で言うと、落ち着いていて冷静沈着とも言えますが、あまり左側が優位になり過ぎると「無気力」「他人に関心がなくなる」「社会性がなくなる」「生命力が低くなる」という、愚鈍な状態に陥ります。(グナでいうところのタマスな状態)
反して普段から快活な人は自然と右鼻呼吸が優位になります。
社会で活動するには快活さは大切ですが、休む時は休むなどして左右のバランスを意識的に取れていたらいいのですが、常にせわしなくしていると右側が優位になり過ぎて、「余裕がない」「神経過敏」「短気・短慮」という状態になります。(グナでいうところのラジャスな状態)
また、陰陽は極まると反極に陥る性質があります。
ゆえに快活な状態は良いものですが、神経過敏となっていても止まらないでいると、陽が陰に転じて「パニック状態」から「引きこもり」や「鬱症状」へと移行していきます。(これは自己保全システムのようなもので、雪山でビバークしているような状態ですから、静かにしていればやがて治ります)
現代人は、日々、心を失くすくらいに忙しくして活動しています。
特に都会に生きていると、自分のリズムとは違うリズムで生きなくてはならず、
ジェットコースターを休みなく何度も何度も乗ったり、お笑いウルトラクイズで身体を張っているお笑い芸人のような状態です。(しかも笑いナシだからツライw)
テクノロジーの進化と共に情報も早くなり、その情報に遅れないように生きていますが、私たちの肉体はコンピューターのような急激なアップデートは行えませんから、速くなった世の中についていくためには努力しかないとも言えます。
(全身整形して見た目を若返らせても、高いプラセンタを飲んでも、寿命はそんなに変わらない)
かくいう私も、
普段の生活をしている時はどうやら右鼻呼吸が優位になっています。
興味深いのが、ヨガの集中講座が始まるとまず右鼻が塞がってしまうので、自然に左鼻呼吸が優位になります。
その感じは、自分が馬になったような感じで、見えない手に「どーどー」と手綱を引っ張られた感じに似ています。
それが始まって、しばらくすると右鼻も正常に戻っていき、
そして「我に帰る」のです。
そしてある種のスイッチが入ります。
それは陰陽が統合された超越意識の世界へ繋がっていく準備です。
是非普段からイダとピンガラに意識を向けてみてください。
それは皆さんをインナースペースへと導いてくれる道導です。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
愛と光を込めて
長谷川陽子