若い頃は、日本の戦争の話が怖くて見たくありませんでした。


けれど海外に出て


本当に、至る所に日本軍侵攻の跡とかがあるもんだから、だんだん見て見ぬ振りも出来なくなり


特に現地人と仲良くなった時に、日本人なのに何も知らない自分のままではいられずに、戦争について調べ始めました。


韓国人の友達には「君なことは大好きだけれど、親から日本人と仲良くするなと言われている」と言われたこともあります。


それ言われて私どうすりゃいいの?ですが、


戦争と向き合う前の私だったら、それ言われたら、頭ごなしに謝って落ち込んでいたと思います。


ですから向き合うって大切なんです。


そんな中、レックとまだ友達だった頃。


一緒にカンチャナブリに行きました。


私は何も知らずについていったのですが、


そこには「デス・レイル」なる、日本軍が現地人と捕虜を強制労働させて作った鉄道があり、


そこではあまりの過酷な作業で6万人近くが死んでいるのです。


初めてそこに行った時、あらゆる記念碑や追悼碑を見て、日本の行状を知り、私の心は重く暗くなりました。


今まで世界で韓国人や中国人に色々嫌味を言われできたので、「あ、またか」と思ったのです。


ところがレックは、私の肩をポンと叩き


「ゆるす」


と言ったのです。


その一言に本当に驚きました。


「戦争だから勝ち負けあるの当たり前だけど、それただの歴史。そこから学べばいいだけで、僕たちには関係ないから。」


と言ってくれたのです。


すごい心が軽くなりました。


赦すって素晴らしい言葉だなって思いました。


前から好きだったけど、タイ人のこと本当に好きになりました。


精神性高い国です。


まずは自分から。


そして、それは相手のためでもあるけれど、自分のために。


カンチャナブリは豊かな自然が広がる美しい土地です。


レックのおかげでカンチャナブリをシンプルに愛せるようになりました。


最後まで読んでくださってありがとうございました。


愛と光をこめて。

長谷川陽子