私の敬愛するお義母さん。
お義母さんは40数年前に、
フィリピンからタイに嫁いで来ました。
お義父さんとお義母さんはフィリピンの大学で知り合って、
お義母さんは街で有名な美人5人姉妹の末娘。
お義父さんはお義母さんのお家に毎日通ってご家族を説き伏せて、お義母さんをお嫁さんにもらってタイに連れて帰ってきたそうです。
当時のバンコクは「東洋のベニス」と呼ばれていて、
街中に水路が張り巡らされていて、
人々の交通機関は車ではなくて船。
道路がなくて、各家庭に水路があって、船着場が玄関だったそうです。
因みに浴室もなくて、川で行水してたそうです。
水が凄く綺麗で家の周りで手長海老が獲れて、
(今じゃ手長海老の方が肉より高いけれど、当時は手長海老は日本でいうところのザリガニみたいな立ち位置で、貧しい人たちの食べ物だったと聞きました。)
ビルはなくて、そんなノスタルジックな風景だったようです。
そんなバンコクで、お義父さんのお父さん(レックのお祖父さん)は広大な土地を持っていて、マンゴー農園を営んでいたそうです。
(シーロムあたりに大きな土地を持ってて、BTSが通るために手放した)
お義母さんがフィリピンからタイに嫁いで来たとき、
お舅さんが空港にメルセデスで迎えに来てくれて、車の中いっぱいの蘭が飾られてたという話を
昨日の出来事のように
お義母さんがウットリして話してくれます。
素敵だったでしょうね〜✨
それで家に着いたのですが、家までは道路がなくて、家のかなり手前の駐車場から家まで歩いたそうなのですが、
なんとそこが湿地帯。
夕暮れの暗闇の中、
膝下まで泥に浸かりながら、
家の灯りを目指して歩いたそうです。
も〜想像するだけで、なんじゃそりゃあぁ…。
しかもタイに来るのはそれが初めて。
言葉も分からない国で、知らない人たちと暮らすわけです。
「不安じゃなかったんですか?」
と、お義母さんに聞くと
「全然!さぁロウナ、アドベンチャーの始まりよ!って思ったわ。」
って、少女のような朗らかな笑顔で話してくれました。
それでレックのお祖父さんが政府に顔が利く人だったようで
お義母さんはイミグレーションオフィスに行くことなく、家にタイのパスポートが届けられ、あっという間にタイ人になったそうです。
(お義母さんはお舅さんが大好きで、お舅さんは既に他界してますが、お義母さんがお舅さんの話を沢山してくれるので、私もお舅さんが大好きで、肉体では会ったことないのに、いつも凄く親近感を感じています^ ^)
それから、40数年。
お義母さんは
フィリピンに一度帰ったことはあるようですが、
もうフィリピンに帰ることはないと覚悟してタイに嫁いだので、フィリピンの家族に会うこともないようです。
漫画の世界だわぁ。
私なんて、年一回は日本に帰るの当たり前だと思ってるのに

なめくさってるわ〜💦
けど、
日本に2度と帰らないで、タイに骨を埋めること想像したら…やっぱり寂しいなぁ。。。
私が最初に会った時のお義母さんは、
ジムトンプソンのマネージャーで、
フェラガモの靴とか履いて、
(ジミーチュウとか持ってるんですよ!!
そんなの履いてる人初めて見たわ!
それでお義母さんがデザインが若いから人に譲るというので、鼻息荒くもらおうとして、履いてみたんだけど、まぁ似合わない似合わない

どうせ私はジミーチュウより荒井注の方がお似合いな女よ!)
シルクのスーツを身に纏って、
メッチャお洒落✨✨✨
てか、この炎天下の国でスーツとかあり得ないし!
排気ガスとか汗染みとか気にならないの??
しかも車でドアtoドアじゃなくて、BTSで通勤してたし!
それで、会社の視察で地方とか行った時、
会社がお義母さんにフォーシーズンズとかの部屋を用意しようとしても、勿体無いからって断って、安いホテルとかに泊まるんです。
マジでありえん!!
会社の金さえも節約する節約家!
洗練されたレディであり、
家では庭職人のように木を育てて、
3人の息子を育てて、
バイタリティ溢れるスーパーウーマン。
普通、タイの良い家の奥様は仕事はしないのですが、お義母さんはバリバリのキャリアウーマンなおかげで、息子たちもアッパラパーの道楽息子じゃなくて、働き者です。
(タイには親が金持ちってだけで、自分が偉いと思って遊んで暮らしてる人もいる)
社交的で、上品で、
けど庭仕事もするし、ネズミも捕まえるし、
本当に働き者。
そんなお義母さんを見ているので、
私も怠けず頑張ろうと思うわけです。
ちなみに、ゴージャスだった時代は過ぎ去り、
名家ではありながら、現在は至って庶民です。
東洋のベニスの時代、見てみたかったー。
昔の光、いまいずこ〜♪
最後まで読んでくださってありがとうございました✨
愛と光をこめて💖
長谷川陽子