みなさん、こんにちはハート

今日はシルシアサナの成り立ちについて解説してみたいと思います。

シルシアサナとは頭立ちのことですね。

シルシアサナはアサナの最高峰のアサナとして「王のアサナ」という異名を持っていますキラキラ

ところで、シルシアサナという名前は比較的最近つけられた名前で、ポーズ自体は古くから存在するのですが、古来からは「ヴィパリタカラニ」という別の呼称で呼ばれ実践されていました。

別の逆転のアサナも「ヴィパリタカラニ」と呼ばれたために、呼び分けのために後にそれぞれ別の名称がつけられたと考えられます。

 

それでは「ヴィパリタカラニ」とは何なのか?

 

まずはそこから見ていきたいと思います。

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Viparita Karaniヴィパリタカラニ

「ヴィパリタカラニ」…逆転の意味。

 

「ヴィパリタカラ二」は古典的なハタヨガではムドラ(印)とされる。
(ハタヨガの根本経典と称される「ハタヨガプラディピカ」やその他のハタヨガに関する古典的な経典に記述。)


これらのアサナのムドラ(印)としての目的は、重力と共に流失していくアムリタ(不老不死の妙薬)を逆転させて損失を防ぐこと。つまり物質世界の法則に逆らい、若返りを促進させる術のことと言える。

 

ヘッドスタンド、ショルダースタンド、ハンドスタンドなどの全ての逆立ちのアサナが「ヴィパリタカラニ」に含まれる。
現代では仰向けに横たわり、上げた足を壁にかけるポーズのこととして称される。

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次に、時代の移り変わりに見られるシルシアサナ(頭立ち)の呼称の変化をまとめてみました。

11世紀

ドゥリョダナナーサナ(Duryodhanāsana)。

カパランカラナ(Kapālīkarana)。

↑上記、ヨガスートラに記述。

 

18世紀
カパリアサナ(Kapālī āsana)。

上記、ヨガ・プラディピカに記述。


ヨガ・プラディピカ

 

19世紀
シルシアサナ(Śīrṣāsana)。カパラアサナ(Kapālāsana)

上記、スリッタヴァニディ(Sritattvanidhi)に記述。


↑スリッタヴァニディ(Sritattvanidhi)

 

このようにシルシアサナの呼称は変化して、19世紀にシルシアサナとして定着しました。

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サランバ・シルシアサナの説明

古典的なヨガの経典にて説明されているサランバ・シルシアサナ(SalambaŚīrṣāsana)とは
支えのある頭立ちの意味です。
身体か完全に地面と逆さまになっていて、前腕と頭の冠のみで支えられている状態を表します。

サランバ・シルシアサナ
サランバ…支えられる
シルシ…頭
アサナ…ポーズ、姿勢、座


一般的にシルシアサナと呼ばれるアサナはこの「サランバ・シルシアサナ」のことです。


サランバがつかないシルシアサナは手の支えがない状態のことを指し示すことになります。

 

↑これがシルシアサナになるわけですね。


B.K.SアイアンガーのLight on Yoga
B.K.Sアイアンガーは「Light on Yoga」の中でシルシアサナの基本的な姿勢と、そのバリエーションについて説明しています。
アイアンガーは肘を床から離して手のひらで地面を支える三脚の倒立方法を西洋式と説明し、また、全部で10種類のバリエーションと準備ポーズや移行ポーズの名前と方法も説明しています。

 

 

↑アイアンガーが言うところの西洋式。


王様のポーズという別名称
頭立ちは「王様のアサナ」と呼ばれ全てのアサナの王的存在として知られています。
練習者は様々なヨガアサナを組んで練習を重ね、シルシアサナに必要な上半身の強度とバランスを構築し、シルシアサナに到達していきます。

注意
高血圧、心臓病、緑内障、月経中、または裂孔ヘルニアの場合には、このポーズが推奨されません。

シルシアサナはサルバンガアサナ(肩立ち)やパドマアサナ(蓮華座)と並んで、初心者が無理をして怪我をした原因として報告される頻度の高いアサナであるために、指導者のもとで注意深く練習をすることが推奨されます。

 

 

 

 

以上、シルシアサナについてでした。

 

ここからさらにシルシアサナについての説明を加筆していきたいと思います。

 

最後まで読んでくださってありがとうございました。

 

愛と光をこめて

 

長谷川魔法学校校長

セイクリッドハートヨガ主宰

長谷川陽子