今回はチベット密教の用法に則って、マラビーズの説明を行います。
マラビーズとはなにか
マラビーズはチベット密教のほかに、ヒンズー教、ジャイナ教、シーク教、仏教、神道など、世界の様々な宗教において祈りの法具として用いられます。
Mala(マラ)…サンスクリット語で花輪
Threngwa(スレンワ)…チベット密教僧侶の使うマラビーズの呼び名。
マラビーズは霊的な修行を行う際に、自己の意識を集めるのに使います。
「マントラ」または「神の名前」を幾たびも唱え続け(チャント)、対象と深くつながるのに用います。
通常、チャントは何回も何回も重ねていくので、マラビーズをカウントのツールとして使用します。
手首用の短いマラもありますが、長いマラは108個のビーズが使用されています。
グルビーズとはなにか
「グルビーズ」は生徒とグル(霊的指導者である師)または高次元から助けるマスターをつなぐビーズ。
グルビーズ…別名ブッダビーズ。起点に使われる3穴のビーズ。
伝統的なチベット密教では、108の数珠と、「グルビーズ」または「ブッダビーズ」と呼ばれる特別な3穴の仕上げビーズをマラに使用します。
(グルビーズを108に含んで作る方法と、含まないでつくる方法があります)
マラビーズを使ってチャンティングをする際の数え方
①
マラを使って数を数えながらチャンティングを行うとき、まず最初にグルビーズの隣のビーズから数え始めます。
グルビーズに到達したら108回1サイクルの終わりを意味します。1周が終わると完全な循環が完了します。
②
1サイクルが終了してグルビーズに到達したら、マラを反転させて逆方向に再び数え始めます。
これは自己の偉大な師に敬意を込めて、グルを踏み越さないという意味の表れです。
マラビーズの持ち方と使い方
①
マラビーズを丁寧に左手に持ちます。この時、マラビーズに優しさと敬意を持ちましょう。
②
グルビーズの隣のビーズからはじめて、時計回りにまわります。
最初のビーズは人差し指と親指で保持し、マントラを1度唱えたら、親指を使ってビーズを手繰って隣のビーズに移動します。これを続けて、マラビーズの輪を時計回りに回していきます。
108回の意味
108という数字は多くの東洋神秘主義において神聖視されている数字です。
(チベット密教では西蔵大蔵経の二大部の一つカンギュルと呼ばれる108巻からなる仏教の経典が存在。)
マラビーズの取り扱い
マラビーズは神のエネルギーで満たされている神聖な存在ゆえに、大きな敬意を持って取り扱う必要があります。
・聖典やその他の霊的神聖な法具と同様に、マラビーズを地面から離しておく必要があります。
(※万が一、マラビーズを地面に落としてしまった場合、頭の冠部に触れて、神聖なマントラを3回唱えて調整できます)
・マラビーズは入浴中に着用したり、濡れたままにしないでください。
・紐にストレスを与えないために、就寝中もマラビーズは外したほうがよいです。
以上、マラビーズについて、いかがでしたか。
ヨガ人気が高まる昨今、マラビーズを持っている方も増えてきました。
マラビーズは神様とつながるための大切な法具ゆえ、真価を知り、霊的修行を成就させるために使いましょう。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
愛と光を込めて✨
長谷川魔法学校校長
セイクリッドハートヨガ主宰
長谷川陽子