大悟の運動会がありました。
去年、大悟は自分の足の速さを豪語し、徒競走の時に私とレックはゴール前でカメラを構えて待ちました。
ところが結果はコースアウト

隣にいた子達について行ってみんなで仲良くコースアウトしてしまったのでした

それがあっての今年。
去年は力量が測定できなかったので、今年こそはと思いました。
けれど。
大悟はクラスの男の子の中でも小柄。
欧米系の子供達は一学年違うんちゃうんか?
何食べたらこんなに育つねん?
…ってくらい大柄な子達が多く、アレに勝てるのかー?って半信半疑でした。
中にはアスリート選手の子供とかもいて、こりゃもう勝てるわけがない。
それで今年は低学年が走ってる時に、大悟と2人でスタートラインに立って、
「いい?この白いラインとラインの中を真っ直ぐに走るんだよ」
「目の前に赤シャツのおじさんが立ってるよね?見える?あのおじさんのところまではしるんだよ」
「後ろを振り向かないで前だけ向いて走るんだよ!」
「前に人がいたら一番になれないから、一番前を走らないといけないからね」
と言うと、大悟は真面目な顔で1つ1つに頷き返しました。
そして去年は5人1組で走ったので、今年もそうかと思い
「あの子とあの子は速いから一緒に走っちゃダメ」
と、参謀よろしく秘策まで授けたのです。
さぁ、いざ大悟の学年が開始されました。
速い子達がアグレッシブに我先にとスタートラインに立ちました。
よし、これで速い子達がいなくなるからチャンスが出来た!次の次あたりに走れば勝機あり!!
と、思ったのもつかの間。
今年はクラスメイト全員で走ることに

あ、あこん!!そこ仲良くしなくていいから!!
(レース前に無駄な雑念を与えてしまった!!笑)
それでモタついていたせいで赤シャツのおっちゃんが立ってるレーンより随分遠いレーンになってしまい、そこで大悟のモチベーションが低下するのが軽く見えました。
それで案の定、欧米人の子供の速いこと速いこと。
馬力が違うわけですよ

そして何メートルあるんだ⁈
コースがめっちゃ長い!!
中盤で大半の子供達が気力体力尽きてズルズル後退していき、大悟も着外でのゴールとなりました。
もーー私ときたらあんなに発破かけちゃったもんだから、かける言葉が見つからず

私「…楽しかった?」
大悟「…楽しかった。」
私「そっか。ならば良かったね。」
となんとも言えない会話がなされたのでした。
…挫折は大切だと思うんです。
成功だけの人生は人を育てないと思います。
挫折することで打たれ強くなりますし、人の痛みもわかるようになります。
そして「これだけは誰にも負けない」とか「これだけは極めたいと思うほど好き」っていうものを探して、個々の特性に目を向いていけばいいのではないでしょうか。
なので七転び八起きして育てばいいと思います。
けれど挫折感を味わってる人にかける言葉って本当に難しいです。
どんな言葉をかけても白々しくなってしまう。
代わりにやってあげることはできないし
(そもそも代わりにやってあげて上手くできる自信もない。笑)
もー、見守るしかできず!
こうして親も親になっていくんだなー。
そのあと、バッタリ倒れこむ大悟。
ランチも食べられずに家に帰るまでグロッキー状態。
精神的にも相当張り詰めてたんだろうなー。
新しい経験なのではないかと思います。
それにしてもあの欧米人の子達と一緒に学年上がっていくから、このままじゃいつまで経っても1位になれないじゃんね。
ボルトとかジョイナーに個人指導でもしてもらわない限り無理やん

…と、妄想しながら静かに悔しがる私に大悟が
「みんなゴールしたからみんな一位でいいよね」
と、ゆとり世代発言が。
ライバルがいるから頑張って成長しようとするってのはありますし、
競争意識って度がすぎると良くないけれど、進化発展には必要です。
そして一位を狙ってて一位を取れてその発言なら意識高いけれど、狙って取れなくて言ったら負け惜しみですやん。笑
「勝負の世界はそんなに甘くない」
と言い返す母。
因みに、大悟の名誉のために申し添えますが、障害物競走はめっちゃ速くてデモンストレーションにも選ばれてました

バランス感覚いいらしい^ ^
それで徒競走終わってガッカリしてる大悟を見て、日本人の上級生のお父さんが「いや、ここ何気にレベル高いからさ。速すぎるから落ち込まなくていいよ。普通に日本人の中にいたらきっとそこそこイケてたよ。」
って言ってくれてー

もう神!!救いの神ですわ!!
(もう、青字にしちゃう!)
ありがとーー!!!
それで大悟の気が少しでも楽になれたら良いなと
…子供の前では普通の親になってしまう自分がいるのでした。笑
最後まで読んでくださってありがとうございました。
愛と光をこめて✨
長谷川陽子