デング熱で一週間入院していました。

まず39度の高熱が出て身体が寒くて寒くて震えが止まらない。

病院に行き血液検査をしてすぐにデング熱と分かり、入院しました。

デング熱に効く薬は無く、入院中は脱水症状を防ぐために点滴を受け続け、パラセタモールという市販で買えるレベルの弱い解熱・鎮痛剤をひたすら摂り続けるしか治療法がないので、かなりキツかったです。

入院初日、39度の高熱が夜まで下がらず、眼球がガンガン痛い。眠って意識を飛ばしてしまいたいのに睡眠薬ももらえず全然眠れなくて本当にキツかったです。

ひたすら耐え続けていたら夜になってやっと熱が下がってきて、眼球の痛みも取れてきました。

入院2日目
熱が出ず、眼球や頭の痛みも無く、昨日の辛さはなんだったんだっていうくらい突然身体が楽になりました。

血小板の減少も起こらなかったので、これならすぐに退院出来るかもと診断されたのもつかの間。

入院3日目
38度の熱が出始めて、そこから数日間熱が上がったり下がったりを繰り返すこととなりました。

この数日間が地味に辛く、いつもゾクゾクという寒気を感じ続けていて、

身体の中でチクチクするようなゾワゾワするよう何かがうごめいているような不快感を感じ続けました。

それはまるで漫画のバイキンが槍で体内をチクチク刺し続けてるような気持ち悪い感覚でした。

仰向けになってても、横向けになってても、身体の至る所に変な違和感と共に痛みがあるので、全く落ち着かず。

38度の熱も全然下がらなかったのですが、身体が菌と一生懸命闘ってるんだろうと信じて、耐え続けました。

そしてその数日間、食欲が全然わかないのです。

病院は3食自分でメニューを選べたのですが、脂っこい臭いがダメで、タイ米のお粥の臭いも受け付けず、何も食べられない。

仕方ないので毎日バナナとドラゴンフルーツとスイカを注文していました。

スイカとドラゴンフルーツを先に食べて、バナナは小腹が減った時のために取っておいたのですが、幼稚園から帰って来て小腹を空かせた息子が自分のために用意されたと思ったらしく、私のバナナは毎日息子の胃袋に飲み込まれていきました。

「私のバナナ食うんじゃねぇ」と息子に抗議できないくらい弱っている状態で4、5日めを過ごしました。

その頃は血小板が6万台まで減少していました。

デング熱には段階があって、最初に超高熱が出て、その後にデング出血熱と呼ばれる血小板の減少が始まるようです。

血小板は血を固める役割を持っていて、血小板が減少すると、例えば転んだりすると内出血して血が止まらなくなったりして深刻な事態に発展したりするそうです。

歯を磨いた程度でも歯茎から出血してしまったりするので歯磨きも禁止され、トイレに行くのにもナースコールを必ず呼ぶように申しつけられました。

ところが実はこの時にはリトリートが始まっていて、生徒さんがチェンマイに到着していたので気が気じゃなく。

貧血でフラフラしてるんだけど、ベッドで悠長に寝てられる気分じゃありませんでした。

病気でフラフラの自分が行っても大して役に立たないのも分かってるんですが。。。

ちょうどその時、ネットで天皇様の動画を観て

手術直後で安静状態だったのに、イギリス女王に会うために病院を退院されてるのを観て、えらく感動してしまい、

天皇様がそこまでなさってるのに、日本国民としてデング熱ごときで悠長に寝てられん!とスイッチが入ったのでした。

それで主治医の回診の時に「私は出ます」と突然宣言しました。

主治医の先生はキョトンとされて当然首を縦に振りませんでした。

けれど誰がなんと言おうと退院すると決めた私は「自分のお客様が日本から来てるのに日本国民としてベッドの上で寝てられません。大和魂で退院します。」と侍スピリッツで宣言しました。

が、「そういうのは関係ありません」と一蹴されたのですが、それでも「とにかく私は出ます」ともう一度言うと、

根負けされた主治医の先生が「それでは明日血小板の数値が上昇していたら退院許可出します」と言ってくださいました。

実際その入院7日めの時点で

血小板の減少は止まり、貧血で立つとめまいはするものの、熱も下がり、身体の中でゾワゾワうごめく感覚もなくなり、無理やり食べられるようになって来ており、


更にはデング熱の最終的な症状である四肢の痒みが出始めていたので私的にイケるという感覚でした。

そして8日目に血小板も上昇し始めて晴れて退院となりました。

通訳さんも「氣力ですね」と感心されていました。笑

こうしてなんとかかんとかリトリートに参加できたのでした。

因みにデング熱発症者の住居区域は保健所がやって来て、蚊の一斉駆除が行われます。

ウチの近所も薬剤のスモークを散布して蚊退治がされたそうです。

まさか自分にこんなことが降りかかるとは想像だにしていませんでした。

けれど家族や生徒さんじゃなくて自分でよかったです。

あんな辛い思いは他の人にはしてもらいたくないですので。

とにかく蚊甘く見てました。

最後まで読んで下さってありがとうございました。

愛と光をこめて✨

長谷川陽子