10年ほど前ですか。

イギリスに留学していました。

その頃は役者を志していたので、本場イギリスで演技の勉強をしていたのですが。

それは置いといて。

ヨーロッパなんて日本からそうちょいちょい来れる距離でもないので、
 
その頃、学校の休みなどを使ってヨーロッパ諸国を色々旅して回っていました。

その頃に、色んな美術品を愛でることが出来て、それはそれはいい機会となりました。

一流品には一流品だけが持つエネルギーがあります。

一流品をみる機会が無ければ、

一流品と二流品の区別はつきません。

また、絵でも彫刻でもバレエでもオペラでもなんでも見方というものがあります。
 
確かに一流が放つ圧倒的なエネルギーというものはあるものの、

見るべきポイントが分かっていると、

物語に深みが出て来て、

芸術品を更に奥深い、意味深いものにしてくれます。

ただただ芸術品巡りをするだけではなくて、

そういう解釈や、歴史的背景を知るのがとても面白かったです。

例えばイタリアの巨匠と言えば、

レオナルドダヴィンチ、ラファエロ、

そしてレオナルドダヴィンチなどが挙げられます。

天才ミケランジェロの作品を見た芸術家は彼の真似をせずにいられず、

皆が模倣を始めてしまうために、

個々の個性が潰されてしまったなんて話があります。

しかも後年のミケランジェロは肉体美を突き詰めるあまりかどんどんマッチョ嗜好になっていて、女も男もどんな人物描かせても二丁目のお兄さんみたくなってました。

それで画家がこぞってミケランジェロに刺激を受けてマッチョを描く至上主義みたくなってました。

それである日、ラファエロもミケランジェロの絵を見たがって。

ラファエロというと、線の柔らかい美しい聖母像を描く人です。

ラファエロがマッチョ描き出したらエライこっちゃと、周りの人々が懸命に止めたのに、ある日ラファエロは見ちゃうんですよね^ ^

システィーナ礼拝堂に鍵かけて1人でこもって天井画を描くミケランジェロの仕事を見て脳天から雷で打たれたような刺激を受けたとかなんとか。

因みにラファエロの描くマッチョなマリア様は見たことありません^ ^

システィーナ礼拝堂のミケランジェロの作品というと天井画と一緒に有名なのが「最後の審判」ですが、

この絵にも沢山の物語があります。

まず、当初ミケランジェロが描いた時は

描かれる人々は皆

裸だったんですよね。

けれど、

司祭が説教する祭壇の背景の人々が全員裸ってのはハレンチでいかん

と、儀典長 ビアジョ・ダ・ジェゼーナから「待った」がかかりました。

けれど、修正を支持されたにもかかわらず、

ミケランジェロは決して首を縦に振らず。

結局出来上がった作品は、あられもない裸体をみんながさらしまくってて。

結局ミケランジェロの死後に、他の人がふんどひみたいな腰布を加筆したそうです。

それから最初発見された時は、色彩がもっとくすんでいたんです。

それでミケランジェロは天才だけれど

色彩についてはそこまでじゃなかったのかとか言われていたのが、

ちゃんと洗浄してみたら、あらビックリ。

現代人も度肝を抜く鮮烈でビビットな色使いの描が表れたそうです。

そして、「最後の審判」の絵の右端の地獄に蛇に巻きつかれてイチモツを蛇に喰われてる鬼がいます。

この鬼はミケランジェロの仕事を邪魔してミケランジェロに嫌われた儀典長 ビアジョ・ダ・ジェゼーナが描かれてるそうです^^;

儀典長が烈火のごとく怒って「消せ!」と迫ったけれど、ミケランジェロは決して修正しなかったとか。

ミケランジェロ、超人間ですね(笑)

嫌いな人を絵で描いて晒すとか…

子供か(笑)

そういうエピソード聞いてるから、

最後の審判の絵を見ると

ミケランジェロの人間性を思ったり

絵の素晴らしさに素直に感嘆したり

今に居ながらにして

過去にも行けたりして

何重にも楽しめます^ ^

最後まで読んで下さってありがとうございました^ ^

愛と光をこめて✨

長谷川陽子