オープン・セレモニーはまずは神様へのご挨拶から始まります。
タイの家には必ず土地の神様が祀られていて、今日のオープン・セレモニーを境に大家さんから私たちへと家主が移るので、土地の神様へ私たちへ向けて新しいゲートを開いてくださるようにお祈りします。
儀式はお義父さん(レックのお父さん)の仕切りで行いました。
お義父さんは靈性の高い、いわゆるスワミのような方で、生活のほとんどを礼拝に捧げています。
そのお義父さんの行う儀式ですから、形だけのものとはわけが違い、本当に場が光で満たされます。
結婚式の時も、お義父さんが私たちの頭に光を下ろしてくれる儀式が式に組み込まれていたのですが、レックと2人で雷に打たれたような衝撃を受け、それが光となって自分と辺りを満たして大地に広がっていく、なんとも至福の経験があるので、今回も本当に楽しみにしていました。
お義父さんの手ほどきを受けながら、神様の社の前に立ち、お線香に火を灯して、食事と果物と飲み物とお花を捧げて、お祈りしました。
最後にお義父さんのチャンティングを聴きながら、そのバイブレーションに身を委ねて場との調和を行いました。
チャンティングしている時のお義父さんは本当に神がかっていて、膨大な光のエネルギーを受けて、身体がガクガク震えて、涙が溢れ出します。
神と繋がれることへの喜びが、神への感謝が、身体いっぱいに、エネルギーいっぱいに溢れていて本当に美しいです。
場が神と先祖のエネルギーで満たされ、私たちは土地に受け入れられました。
それまではどことなくピンと来ていなかった神様の社が、儀式のあとはそこにピッタリはまったのを感じました。
こういう1つ1つのことに大切な意味があると知って、伝統を大事に守り続けるタイの文化って本当に素晴らしいです。
そして、もう1つ感動したことが。
私たちの庭には神様の社とは別にガネーシャが鎮座しています。
レックは最初、ガネーシャを置くことで、神様同士が不調和を起こさないか心配していましたが、その気配はなく、私たちのところにいる神様とガネーシャはおおらかに調和してくれています。
で、今回は仏教の儀式なので、ガネーシャへの捧げ物がなくて、私的に少し寂しい気持ちでした。
スタジオに置いてあった、仏教と関係ない物も全て片付けており、それはわざわざ来てくださるお坊さんへの最大の敬意と理解し、私も何も言いませんでした。
そして、庭の神様の社への儀式が終わると、お義父さんがガネーシャ神の方へ向き直り、ガネーシャ神に向かって礼拝をはじめたのです。
お義父さんは、私にサンスクリット語で一緒に唱えるようにとおっしゃり、一緒にガネーシャ神への礼拝を行いました。
その礼拝方法が、先ほどと全然異なっていて、私が習ってきた方式だったのです。
お義父さんの知識の深さ、度量の深さに感動。
この晴れやかな日に、ガネーシャ神にも礼拝することが出来て、本当に嬉しくて涙が出ました。
つづく。