NHKで5年前の震災時の福島原発のドキュメンタリーを放映していました。

以前、朝日新聞の吉田調書を読んで内容は知っていたものの、文章でもアニメでもなく、実際の人間が事故を再現している映像は、当時の凄まじい状態をリアルに伝えてくれました。

その映像はまさに地獄絵図でした。

度重なる水素爆発やメルトダウンだけでも充分最悪なのに、その後更に最悪の状況がはじまり、現場の誰もが「東日本には人が住めなくなる」という想像をしながら作業を続けていたと聞いて、観ているだけで吐き気が止まりませんでした。

やれることはないから退避するべきだと主張する職員に頭を下げて作業の続行を何度も懇願する吉田所長。

彼の手記には「昔から知っている数人は俺と死んでくれるだろうか」と書いてあったそうです。

線量が上がる中の現場作業にその場の誰もが迫り来る死をヒシヒシと感じ、何度も覚悟させられたことでしょう。

自分たちの死だけでなく、家族のことを考え、また東日本を最悪な状態に陥れてしまうことを考えたに違いありません。

吉田所長は何度も神に祈ったそうです。

最悪な状況の中でも、微妙な助けがあることに神の采配を感じたとも語っていました。(正確な言い回しは忘れましたが)

同じ時代に生きる日本人たちがこのようなひどい目に遭っていたのにはどんな意味があるんでしょう?

原子力発電所内だけでなく、周辺の住民もひどい目に遭いました。

何故このようなことが起こったのでしょう。

地震さえなければ?

津波さえなければ?

東京電力に働く人たちが極悪人なわけではないのは誰もがわかっています。

(当時現場にいた人はどうしようもないことだったとしても、自分を責める気持ちが止まないと思いますが)

災害からもう5年が経ちました。

それでも心の傷跡は癒えていません。

福島周辺もいまだ線量が高い地域が沢山あり、原発事故は解決はしていません。(チェルノブイリ原発は石棺に覆われ、約30年経った今も30キロ以内はまだ住めない)

これを読んで、せっかく平和に暮らしているのに、嫌な話題を持ち出されて気分が悪くなった人もいるかもしれません。  

でもまだたったの5年しか経ってないんですよ。

忘れるには早すぎますよね。

私たちは経験から学ばないといけません。

それが出来なければ事象は繰り返します。

当時は

「いつ何が起きてもおかしくないのだから、大切な人と過ごす時間をもっと増やそう」

と誰もが思ったはずです。

誰もが物質よりも大切なものに気づいたはずです。

災害から5年。

まだ5年しか経っていません。

あなたの周りの人々は変わりましたか?

それとも元に戻ってしまいましたか?

現在、私には幼い子供がいます。

当時、もしこの子がいたら不安で仕方なかったことでしょう。

子供の健康と幸せを願わない親はいません。

誰にでも親がいて、家族はいて、だからこそ未来に希望を持ちたいと願います。

日本はもうすぐ春です。

地球の春に希望を持ちましょう。

そのためには全ての人の精神レベルが向上し、人類愛に目覚めることが大切です。

今回の災害で命を落とした方々のご冥福を祈り、それに伴い精神的苦痛を感じている全ての方の心に安らぎが訪れますように光を送ります。

最後まで読んで下さってありがとうございました。

愛と光をこめて。

長谷川陽子