うちの台所には色んな野生生物がやってきますが、その中でもすごいのが蟻。
何か食べ物を置いておくと一瞬にして群がります。
甘いものなどを食卓に置いておく時は、水を張った大きなお皿の上に甘いものの乗った皿を乗せるなどして、蟻が辿り着けないように工夫を凝らしています。
それでも勇猛果敢な蟻が数匹水の上に浮いていたりしますから、蟻の本能に驚かされます。
日本のマンションにいた時は、高層すぎて蟻どころかハエも蚊もゴキ◯リも何もいなかったので、この野生生物との攻防がわたし的にはとても新鮮です。
例えば砂糖がついたオヤツと、溶いた生卵が入っている器が置いてあると、蟻は一瞬にして生卵に群がります。
「砂糖じゃないんだ~。」
とマジマジと見てしまいます。
水分を欲しているのか、栄養価の高い卵を欲しているのか(だとしたらどうやって卵の栄養価を知っているのか)興味深いところです。
因みに食べ物に蟻がたかってもタイの人は蟻をはらって食べます。
一匹二匹じゃなく、時として食べ物がごま塩模様になるくらい蟻がたかってても蟻をはらって食べてます。(ひとによるかもだけど)
こういうシチュエーションが今までなかったので、はらうかどうするかなんて考えたこともありませんでした。
あと野菜や果物のクズや残飯は魚の餌にするのですが、料理してる時に野菜や果物のクズをしばらく溜めておくと、そこに蟻がものすごくたかってたりします。
そういう時どうするかと言うと、外に置いておくと自然に解散してくれるので、それを待ってから川に投げ入れます。
何がどうしてか分かりませんが、器ごと一度持ち上げたりすると、「人間に見つかった」という危機回避スイッチが入って逃走するようです。
ということでタイの人はゴミ捨ても自分の都合じゃなく、蟻の都合にあわせたりしていて、「忙しい都会人には無理だなコレ」と、タイと東京をいちいち比べてしまうのでした。
あと、果物とか甘いものを切った後のまな板からちょっと目を離すと、まな板の上に蟻がものすごいたかってたりします。
人間の目にはマクロとミクロに焦点を合わせるためのズームとピント調整の機能がついています。
手前のものに焦点があってるときは、奥のものがぼやけて見えず、その逆もまた然りです。
ちゅうことで、手元を見ているときはまな板の上を見ておらず、時々蟻の大群の上に食べ物を乗せて切ろうとしてしまいます。
そんな時、気付くのは大抵旦那さんです。
旦那「蟻いるよ」
私「は?」
旦那「まな板の上」
私「…。おおっっ。い、いつの間に…。」
いつも旦那の目の良さに驚くのですが、
多分それだけじゃなくて、これは予測機能なのではないかと思います。
「まな板の上に蟻が入る可能性がある」
と思っている人と
「洗ってキレイなまな板の上に何かがやって来て乗っかるなんてことは当然あり得ない」
と思っている人の違いかと思います。
経験してみないと予測機能は増えていかんもんですね~。
テレビや映画でキレイな景色を観て、知識としては知っていても、そこに実用性があるかどうかはやはり、生身の体験とは違うということが感じられるのでした。
最後まで読んで下さってありがとうございました。
愛と光をこめて✨
長谷川陽子