付き合い始めの頃、レックによく怒られていました。

結構小さいことや細かいことで怒るので

「男のくせに細かいなぁ」

と思ってしまったりして。

そしてそれまでそんなことで怒ったりしている姿を一切見ていなかったので、「レックでもこういう時こういう風に思うんだ」

と逆に驚いたりしてました。

例えば、2人で洞窟の中で写真を撮っているとき。

三脚が一つしかなくて、

レックはいちいち私に「使う?」

と聞いて私のカメラに装着してくれていました。

まぁ普通に優しいですよね。

ところが私の方はレックが「貸して」と言うまで

自分から「使う?」と聞かずに、

なんならレックが写真撮ってる時にさっさと行っちゃったりしていました。(ひどい^^;)

である時、写真を撮り終えて振り返るといつも待ってくれているレックがそこにいない。

大きくて深い洞窟なので1人は怖いです。

大きな声で叫び続けていたら、やっとレックが戻ってきました。

私「どこ行ってたの?怖いじゃ~ん!」

レック「…君いくつ?」

…ん?なんか変。いつもの優しいレックじゃないぞ。

このように異変に気づくのですが、なんとなく静観。

であんまり黙り込んでいるので、しばらくしておそるおそる聞いてみると、その時にはもう怒り心頭なんです。

「君はぼくが怒っていてもそうやって見て見ぬ振りして、ほとぼり冷めるのをいつも待っているよね!」 

「やっぱり怒ってたの?」

「わかるでしょ!」

「だって怒ってるなら怒ってるってハッキリ言ってくれないと本当はどっちかわからないじゃん。怒ってるなら謝るよ。ごめんねっ。」

「で、なんで怒ってるか分かってるの?」

「…わからない。でもとにかく謝るよ!本当にごめんね!でも次からはそこまで激怒する前に教えて!」

「君はテレパシーが使えるのに、一番大事なことが分からないって何なの⁇」

…と、この繰り返しでした。

レックは三脚のことで怒っていたとお思いですか?

当時の私はそう思っていました。

そして「なんて細かいヤツ」と思っていました。

だから同じようなことがあっても全然気付かずに何度も何度も繰り返していました。

その度に、繰り返さないという確証はないながらも謝っていました。

三脚のことなら二度と繰り返しません。

でもそういうことじゃないんです。

要は「氣が使えてない」ことに怒ってるのですよね。

何故なら、そもそも使おうとしていないから。

つづきます。