どんな出来事も楽ととるか苦と取るか。

それは本人のココロ次第です。

私自身、物質次元のあり方を気にするあまり、怖れにまみれて、人生において大切な出産の時間を台無しにするところでした。

怖れが払拭されれば、そこには愛しか残りません。

私の中にもやっと子供が産まれる実感が喜びとともに溢れてきました。

・・・・・

帝王切開が決まってからの病院の迅速な対応は素晴らしかったです。

病院を訪れたのは27日。

生まれたのは28日。

実は主治医の先生はいつ生まれてもいいように、病室の隣の部屋で一晩待機してくれていたのでした。

方向性が違うだけで、先生は最善を尽くしてくれていたのです。

1時間ほどで手術の準備が整えられました。

とうとう産まれるんだ!!

という感動と共に、

実際のところ、陣痛の痛みはどんどん激しくなり、強烈な陣痛が鬼のように絶え間なく襲ってきていたので、、「さっさと終わらせて~!!」と心の中では叫んでいました。

さて帝王切開の手術室。

痛みに耐えながらも私はある一つのことを考えていました。

それは出生時刻。

インド占星術のジョーティッシュでは、出生時刻の星回りから、その子の一生を占います。

詳細にわたって調べるためには、時間だけでなく秒数まで必要だそうなので、子供が産まれる時には秒数まで把握しようと思っていたのですが…^^;

本当にやりたかったら事前準備が必要と痛感しました。

いざその時になると全くそれどころではない!

手術室の壁時計は足側にあったのですが、

手術用の緑色の布みたいなのを下半身に被せられて足元が一切見えない!!

慌てて、「I wanna check the time!(時間を確認したいんだ!)」と叫んでみたものの、その場の誰一人として英語を理解せず!

ちょっと待て。

そもそもあの時計が正確な時間を刻んでいる確証がないし∑(゚Д゚)

なんて考えている私をよそに手術が始まりました。

下半身麻酔をかけられたので痛みはなく、なんだかフワフワした気分になりました。

主治医の先生が私のお腹に手を突っ込んでいます。

お腹の中を探っている先生はまるで、ぬるぬるした大きな魚を水から引っ張りだす漁師のようです。

息子はお腹の中で泳いでたんだなぁ~とボンヤリ考えていると、

突然、看護婦さんが私の横に来て

「pushpush!」と叫び始めました。

pushって何だ?

イキめってこと?

それどうやるの?

ウンチを出すみたいな感じでいいのかな?

ってかそもそも帝王切開でイキむってどういうこと?

そういえばラマーズ法っての?「ヒッヒッフー」ってやつ。あれはどこで使うんだったっけ?

と、混乱しながらも自分なりにイキんでみたりして。

そうこうするうちに先生もやっとぬるぬるの大きな魚を掴んで引っ張り出すことに成功。

大漁です。

バタバタと私の枕元に連れてこられる息子。

看護婦さん
「おめでとうございます!元気な男の子ですよ」(というようなことをタイ語で言っていたと思います。)

「じ、時間は何時何秒なんですかぁ⁇」

こうして2014年3月28日15:10に大悟がこの世に誕生したのでした。

秒数はわかりませんし、

時計が正確な時を刻んでいたかも謎ですが、

まぁ良しとしましょう^^;

先生の後での話によると、大悟は胎内でつるりつるりと先生の手を交わし、私が思ったように、まるで大きな魚のようだったそうです。

前回も触れましたが、胎内で何ヶ月も私の肋を蹴り続けた強脚の持ち主は、現在9ヶ月。

つかまり立ちではありますが、勇ましくガシガシと歩き回っており、運動能力については取り越し苦労だったと思われます。

因みに私の主治医で帝王切開も行ってくださった先生は、病院でも部長クラスの先生だったようで、帝王切開の経験もすごく豊富な方でした。

驚いたのは術後の傷跡のきれいなこと。

先生曰く、術後もビキニが着れるように配慮しているそうです。

ビキニ…。

さすが帝王切開率70%の国です。

美容整形大国です。

日本のネットなどで、緊急帝王切開の縦切り写真や、ホッチキスで留めた跡などを見ていたので、執刀医でこれだけ変わるのかと思いました。

「人命優先でしょ」

と言われたらそれまでなのですが、

それにしても医師の技量の差を感じてしまうというか。

女性はいつまでも美しくいたいものですから、そこんとこの配慮があるのは有難いことですね。


蛇足的な話ですが、表面の皮膚は横切りでも、内臓は縦切りになっているそうで、

縦と横の十字状態より、縦と縦の方が術後の身体への負担は少ないようです。

本当に一長一短なわけですね。