近ごろのタイは政権交代を求めて反政府運動が激化し、鎮圧のために軍隊が出動したりして、何かとザワついています。
実際に住んでいる人々の生活は、たいして変わらないのですが、日夜海外のニュースで報道され続け、かなり深刻な状況として映し出されています。
これを続けていたら、安全に旅行できる国、微笑みの国、という印象は覆り、渡航者は激減することでしょう。
タイは観光大国なので、観光客が減少したら、生活に支障をきたす人も少なくないはずです。
一日も早く、状況を収束して欲しいものです。
さて、リトリートご参加の皆さんはタイに来て、タイのスタッフたちと時間を過ごし、タイ人の精神性の高さに感動した場面もあったのではないでしょうか。
その精神性の高いタイ人が何故このような物騒な騒ぎをおこしているのか不思議に感じたりしているかもしれません。
リトリート中にもご紹介しましたが、タイ人の男性は一生に一度、仏門に入ります。
そこで仏の教えを学び、心のあり方や、生活の仕方、人への接し方を学ぶのです。
仏門に入ってから、人生が変わる人はたくさんいます。
そしてそうでない人もまたたくさんいます。
仏門入りの期間は自分で決められるため、極端にいえば一週間でも構いません。
それほどの短期間ではなかなか何かを習得できるものでもありません。
また生活が苦しくて、生きて行くのに大変な人たちもいますから、物質性の豊かさを満たすことでいっぱいいっぱいになり、精神性がおろそかになってしまう人もいるでしょう。
日本は飢える人がいない豊かな国になりましたから、精神性が一気に上昇しました。
しかしこの世は常に相対的に出来ています。
霊性が上がる人がいる反面で物質性が上がる人、つまり霊性が下がる人も出てくるのです。
物質性が上がる人たちは一見霊性が下がっているようにも見えますが、それでも地球全体の霊性は上がっていますので、その人たちも結局は上がっているのです。
今回のタイの人々に関しても、こんなことやってちゃタイもまだまだ…とも思いがちですが、エネルギーの運動というのは一見上がったり下がったりを繰り返しながら上がり続けて行くものですので、長い目でみればいいのかなと思います。