昨日は動物病院に行きました。

というのも子犬のうちの一匹、白黒のブチが元気がなく、食事を食べなくなりました。

お腹を見てみると、下腹部のあたりがプックリと腫れています。

私は動物病院に連れて行きたかったのですが、近所の医者は相当のヤブ医者と評判らしく、過去に幾度か病気になった犬を連れて行った時に、高いお金をバカスカ巻き上げたあげく、犬はことごとく死んでしまったそうです。

そのうえ、死にかけてる犬を連れている家族にシャンプーやサプリなどを売りつけるという厚顔ぶりがかなり頂けなかったようで、うちの家族は「動物病院に連れて行くと死期が早まる」と、信用していないようです。

確かに動物の病状の悪化はとても早いので、探り探りでいろんな検査に時間を費やしていると、体力が持たずに死なせてしまうということはあると思います。

また動物病院は人間と違い、色んな動物を診ないといけないので、専門分野ではない症状や動物にあたると対処が出来ないことはままあるように見えます。

私も日本でフレンチブルドッグを飼っていた時、脳腫瘍を発見するまで私の母は動物病院を転々としなければいけませんでした。

今回は子犬の異変に気づいたものの、家族の意向を無視して嫁が出しゃばっていいものか(この図々しい性格で今更)考えたりしました。

が、見る見るうちに衰弱していく子犬を見るに耐えず動物病院に連れて行ってくれるよう旦那さんにお願いしました。

旦那さんも見てて辛かったようで、すぐに同意してくれて、動物病院に車を走らせてくれました。

「藪医者かぁ。100㌫の致死率かぁ。」

と不安になりながらも動物病院に到着。

するとちょうどお医者さんが帰ってしまったそうで、別の病院を紹介されました。

近所にありながら、うちの旦那さんもそちらの病院は知らなかったようです。

訪れると触診をしてくれたうえで
精密検査が必要だからと、大学病院を紹介してくれました。

というわけで、致死率100㌫の医者は回避され、気付けばバンコク最大の動物病院に行くことに。

大学病院の診療は8時半開始だけれど、物凄く混むから6時に行きなさいというアドバイスをお医者さんからいただき、さっそく翌朝(昨日)動物病院がある大学の門をくぐったのでした。

入ってみてビックリ。

うわぉ。

物凄く広い。
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そして、物凄く沢山の種類の犬がいる。
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…超楽しい。
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瀕死の子犬の飼い主とは思えないほど不謹慎に浮かれてしまいそうになる自分を抑えるのが大変でした^_^;

それにしても物凄い人と犬の数です。
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これどれだけ待たされるんだろう…?

と不安になっていましたが、子犬の様子を見て、受付の人がERに通してくれました。

超ラッキーです。

すぐに診察開始したものの、やはり一瞥しただけでは原因がわからず。

血液検査、レントゲン、DNA検査などを次々と行って行きました。
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ERの凄いところは検査結果が数時間で出ること。

人間の病院でも数日待たされたりするのに、ここはかなり迅速です。

可能性は寄生虫か、異物を飲み込んで詰まったのか、その辺に絞られて来ました。

体温がかなり低いので、湯たんぽを抱かされて、酸素吸入器をつけられました。

子犬は時々腹部の痛みに叫び声をあげています。

かなり可哀想です。

突然排泄が始まりました。

2日ぶりの排泄で、いつもより硬い便です。

内蔵が全く動いていないのに、便の排泄…なんだか嫌な予感です。

ところで、ERに運び込まれるのはかなり生死がきわどい動物ばかりです。

隣の猫は骨と皮しかない状態で酸素吸入器につながれてかろうじて生きています。

飼い主の執念です。

そして交通事故の犬が日に何度も運ばれて来ました。

タイは犬を放し飼いにしていたりするので、車道で轢かれてしまうことはしばしばあります。

車はかなりスピードを出すので、犬を避けて大事故になるケースもよくあるとか。

ヨガトリップのドライバーさんが一度、私の生徒さんを乗せているときに犬をはねてしまいました。

彼は皆に物凄く謝っていたけれど、あとで私に、犬を助けようとしてハンドルをきって横転したり大事故になる車がよくあると話してくれました。

ドライバーはスピードが沢山出ているときは、たとえ犬が飛び出してもハンドルをきらないように心を強くしないといけないそうです。

ERに連れてこられた犬は目玉が飛び出した状態で生きてました。

血を吐いてグッタリしている犬もいます。

そしてその横では年老いたビーグルが出産をしていました。

なんか凄まじい光景です。

生と死にこれだけ直結した場所も少ないでしょう。

そしてERでは沢山の動物が同時進行で見られるので、飼い主同士の交流も始まります。

一日中ペットにつきっきりですから、食事やトイレで席を立つときは隣の飼い主がみててくれます。

そうこうするうちに、うちの白黒ブチがまた排泄しています。

そんで紙で拭き取ろうと排泄物を見てみたら…白いウニョウニョするヤツの死骸がぁぁぁあ∑(゚Д゚)

論より証拠。

正体は寄生虫でした。

原因が分かればあとは簡単です。

投与する薬をもらい、病院を後にしました。

ところが帰りの車の中で、突然体調が悪化しました。

口をパクパクさせて、お腹の底から絞り出すような声で鳴き始めました。

「あぁ。これはマズイね…」

私もレックも経験で知っています。

死の間際に体の奥から出す音は魂を絞り出す音です。

そのまま白黒ブチの子犬は逝ってしまいました。

結局、レックにも協力してもらって時間とお金をかけたのに助けられなかったし、良かったのか悪かったのかなんて分かりません。

が、自分の中では、手は尽くしたという満足感が残りました。

タイでは貧富の差が激しく、病院に行けない人も沢山います。

大学病院に行って階級の差をまざまざと見せつけられました。

一般病棟は着飾った、よく手入れのされた犬たちで溢れていました。

ERでも一つ一つの検査に値段は告げられませんから、金に糸目をつけない人しかかかることは出来ません。

これは私のエゴだよな~と思いながらも、やると決めたことなのでやり通しました。

それにあながち無駄ではありません。

万が一、うちの他の犬たちから同じ症状が出た場合、今回の症例は多いに活用できるわけですし。(そして寄生虫と分かった今、他の犬も完全に怪しいです^_^;)

なんて考えていたら、レックが言いました。

「これはエゴはエゴでも良いエゴだよ。純粋な気持ちで助けたかったんだからいいんだよ。逝ってしまった子犬もピュアな存在だったから、いいエネルギーの循環だよ。」

と元気付けてくれたのでした。

正直、ERで子犬が痛みの叫びをあげるたびに私の体内で赤ちゃんが動き回っていたので若干心配だったのですが、レックのこの一言で救われたのでした。

持つべきものはスピリチュアルな旦那さんです。

ところで白黒ブチの名前は「カイムッ」と言いました。

犬の名前はお義母さんが決めているようで、白黒ブチの名前も数日前に決まりました。

行きの車の中での会話です。

私「ねぇねぇこの子の名前知ってる?」

旦那「知らない」

私「カイムッだよ。意味なんだっけ?」

旦那「…真珠。」

私「へぇぇ。キレイな名前だねぇ。」

旦那「……。」

そして動物病院でカルテを作るときに名前を聞かれて全く違う名前を言っているのを私は聞き逃しませんでした。

私「ねぇねぇ、カルテ作るとき違う名前言ったでしょ?なんて言ったの?」

旦那「ダム」

私「どういう意味?」

旦那「白黒ブチ」

私「なんで名前変えちゃったの?」

旦那「真珠はメスの名前だから」

そこ気にするとこ?

時々わけが分かりません。

わはは(^◇^;)




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