タイでは1日2回、時間が止まるミステリータイムが存在します
それはある日の長距離バスの発着所。
夕方18時に突然音楽が流れ始めると共に、バス停のベンチに座っていた人々がガタガタッと立ち上がりはじめました。
なにごとかと眺めていると、「早く立って!」とタイ人の友人に促され、わけもわからず立ち上がりました。
見ると往来を歩いていた人も、皆立ち止まっています。
タイでは毎朝8時と毎夕18時に国家が流れ、その間国民は直立不動で国家を聴くという習慣があるのです。
はじめて見たのはこの時ですが、それまでザワザワしていた優に200人を超えるバスを待つ乗客が一斉に立ち上がり、静かに曲を清聴する光景は眼を見張るものがありました
往来の人々も立ちどまっているわけですから、その空間だけ時が止まったかのようでした。
そして曲が終わったと同時に、何事もなかったように動き始めるわけですが、これはなかなか素晴らしいシステムだと思います。
日本でも夕焼けチャイムの代わりに君が代を。
朝のラジオ体操の前に君が代を。
…う~ん。なんだか右寄りな香りがプンプンしますね
大日本帝国の時代に逆戻りしてしまいそうです。
国家の代わりに朝夕、神様や周りの人や自然への感謝を思い出させる言葉を流すと言うのはどうでしょう?
森本レオさんなんかの声で流したらステキです。
一日の始まりと終わりに、全員が同じタイミングで感謝しあう…素晴らしいです
仕事中の人は聴かないか…やっぱり日本では難しいですね。
それが出来たら日本の意識レベルはグンッと跳ね上がるんだけど…。
因みにそれに近いことをしているのがイスラム国家です。
イスラム国家では朝夕アザーン(礼拝への呼びかけ)が流れて、人々はメッカに向かって礼拝します。
インドネシアにいた時は、毎日アザーンに誘われて、モスクの前で瞑想していたので完全にイスラム教の人と勘違いされていました。
話をタイに戻しますが、友人の「立って!」という呼びかけに促されるまま立ち上がり、それから国家が流れるたびに一緒に立ちあがり国家清聴を行っております。
私タイ人じゃないんだけどぉ…という若干の不思議を感じつつも、国に敬意を払う気持ちで清聴しています