今回は女性神のお話です。
女性神は他の宗教ではないがしろにされたり副次的な存在になりがちではありますが、インド神話ではとても重宝されています。
古の時代から女性神は、樹や草花などの植物や豊作物を育む大地母神(グレートマザー)と呼ばれ、
また女性の出産能力から生命の源として重要な役割を果たしてきたのです。
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インドの神様の絵や彫刻を見ると、半身が男性神で半身が女性神のものなどを目にします。
ときには男性神と女性神が性行為をしているものなどもあります。
これは精力信仰(シャクティズム)をあらわしたものです。
シャクティとは人間の身体には精力として現れる、神とつながる為の神聖なエネルギー。
シャクティを上昇させることでチャクラを活性化させ解脱の道にのることが出来る、とても大切なエネルギーです。
(シャクティについての説明とその活性法はチャクラ講座で行っています)
インドではシャクティが大変重要であるとあれ、また女性性とシャクティのつながりの密接さから、女性神自信をシャクティと呼んだりもします。
西洋ではこの考えを忌むべきものとして、女性は男性を惑わす存在と考え下に見られがちだったりします。そのため、西洋では今でもシャクティの座である第2チャクラを抜きにして考えるところも少なくありません。
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インド神話では男性神が神妃と対になっているのが一般的で、神も男女一対もしくは男性要素と女性要素が合体して初めて完全であることをあらわしています。
因みに有名な三大神の神妃はそれぞれ、シヴァ神の神妃はパールヴァティー、ヴィシュヌ神の神妃はラクシュミー、ブラフマーがサラスヴァティーです。
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紀元六世紀頃にはシャクティズムは信仰世界に大きな勢力を占めるようになりました。
その中心となったのがシヴァ神の神妃パールヴァティー崇拝です。
このころにシャクティズムはインドの宗教界全体を巻き込み、仏教でも性行為を認める左道密教などが生まれ、チベット仏教でも歓喜仏などが広められました。
ところで三大神とは、シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマーですが、その他に女神たちを信仰する人がどんどん増えてきています。
三大神の副次的に女神を信仰するのではなく、むしろ女神が主神のように扱われているケースも少なくないようです。
この前シンガポールで訪れたヒンズー寺院でも主神はドゥルガ女神でした。
女性神人気は三大神の中でも比較的不人気になりつつあるブラフマーをしのぐほど。
最近ではシヴァ、ヴィシュヌ、大女神の3つで新たな三神一体(トリムルティ)を形成しているという考え方もあるほどです。
インドの女神は、女神の印象である優しく慈愛に満ちているという印象から時としてもの凄くかけ離れ、凶暴に暴れまわることも少なくありません。
シヴァの奥さんパールヴァティはなかなか気が強く、自分が造った子供をシヴァに殺された怒りから、シヴァに世界戦争をしかけたという話があります。
美しくて物腰柔らかく慈愛に満ちていて、お母さんのように懐が広くて、勇敢さも兼ね備えたインドの女神たち。
(魔神マヒシャにとどめをさす女神ドゥルガ)
これからの女性性の新しい姿なのではないでしょうか。
今日も最後まで読んでくださってありがとうございましたヽ(^。^)ノ
皆様の心の平和と健康をお祈りして…ナマステ