ヨガスートラには「他人や外側の世界に対して守るべきこと」(ヤマ)という5か条が挙げられております。
これは解脱を目的とする修行者が守るべきことではありますが、心の平和を得るための手段ですので全ての人に有用です。
人が平和に生きていく上で守るべき道徳的心得と思っていただくといいかと。
今回はその中のひとつ、アヒムサについてです。
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アヒムサ…非暴力。
肉体的暴力のみならず精神的暴力も行わない。
どんな時もどんな場合でも危害を加えない。人にも物にも、もちろん自分にも。
非暴力とは生き物に生まれながらに備わっている秩序維持の力です。
大抵の暴力は自分の思いが相手に聞き入れられなかった時、自分に余裕がなくなった時に起こります。
(自分が傷つけられた、もしくは過去の経験から傷つけられそうだと判断したときなど。)
心の弱い人ほど暴力を好みます。それしか自分を守る術を知らないからです。
アヒムサの戒行に徹っしている人は調和的なヴァイブレーションを放射するので、その人のそばではすべての敵対が止みます。
争いを好む人の生きる世界は争いだらけになるし、平和に生きる人の世界は自然と平和になっていくのです。
自分の周囲に争いがあるなら、自分の中にも争いの種があるということです。
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マハトマ・ガンジーの政治運動はこの精神を持って行われました。
アヒムサを貫いて国を、人の心を動かし、インドを独立へと導いたのです。
ガンジーはこんな言葉を残しています。
弱い者ほど相手を許すことができない。 許すということは、強さの証だ。
私は失望したとき、歴史全体を通していつも真理と愛が勝利をしたことを思い出す。
暴君や殺戮者はそのときには無敵に見えるが、最終的には滅びてしまう。
どんなときも、私はそれを思うのだ。
見たいと思う世界の変化に あなた自身がなりなさい。
目には目を」という考え方では、世界中の目をつぶしてしまうことになる。
たとえあなたが少数派であろうとも、真実は真実なのです。
握り拳と握手はできない。
暴力によって得られた勝利は敗北に等しい。一瞬でしかないのだから。
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もし、あなたの中に暴力的な思いがあるなら手放しましょう。
それがあなたを平和にしてくれる唯一の方法なのだから
今日も最後まで読んでくださってありがとうございました