タイの洪水について、連日ニュースで放送されています。 このことについて、私のコメントを待っていた方も多いと思います。
タイ王国という国に住み、働いたことで、知りすぎてしまったところもあり、言葉を選ぶのが正直難しいところもありました。
ちょっと長くなりますが、私なりに伝えたいことを書かせていただきます。
タイの洪水は今に始まったことではありません。
1997年4月~2001年2月まで滞在しましたが、その間にもバンコク市内は何度か洪水にあいました。
特に7月~10月くらいの雨季のとき、ドサーッと雨が降ると道路に水があふれ、そのかさは足のひざ近く位までになりました。
ホテルのタイ人スタッフも「足がかゆい。」と言いつつ、よく水の中を歩きながら帰っていました。
一般市民もそうです。自家用車やバスも雨水の中、ザバザバ音を立てながら走っていました。
ホテルやショッピングセンターが並ぶスクムビット通り。
(1998年ごろのスカイトレイン建設中の貴重な写真です。^^;)
ここもよく水があふれました。
私は、長く住んでいる日本人の方から「雨水の中を歩くと破傷風になるよ。」と言われていたので、歩く勇気はありませんでした。
洪水のときは帰れないといってよくホテルに泊まったものです。
そのためいつもホテルのロッカーにはお泊りグッズを置いていました。
また大雨にまつわるこんなエピソードもあります。
私が休みの日にバンコク市内で突然のスコールに遭遇し、屋根の下で一時的に動けなくなっていたときのこと。
とても大きな傘をさしたタイ人男性が歩いてきて、「5バーツで入れてやる。」といって何人もの人が傘の下に入っていました。
発想の転換というのはこのことでしょうか?
今回のアユタヤの洪水でも、足が水に浸かりながら屋台で鶏肉を焼いているおばちゃんがテレビに映っていました。
そんな洪水くらいでめげるような国ではありません。
ここからが私が本当に伝えたいことです。
タイの国がタフであるもう一つの理由は、タイ人の
「チュアイカン(互いに助け合う)」精神
だと思っています。
タイ人は、互いに助け合うことをとても大切にしている国民です。
仕事でタイ人スタッフがフォローをし忘れた時に、私は怒りつつも「チュアイカンナ。(助け合おうね。)」 という言葉をいつもかけていました。
また、何かをお願いするときには「チュアイドゥアイ(お願い、助けてください。)」と言っていました。
とても正直な国民なので責めたりすると、決して前向きに動いてくれません。
お互い様なのです。
日本人ホテルスタッフとしての仕事は、私だけの力ではできませんでした。
外国人は、タイの人にお世話にならなければ仕事も生活もできません。
たとえ経済的に一歩リードしている国の人間であってもです。
バンコク・チャオプラヤー川沿いの集落
ホテルでも日本人のお客様の病気、盗難、パスポート紛失、その他の緊急事態が起きました。
そのとき、タイ人スタッフにいつも支えてもらえたからこそ、安心してサービスができたと思っています。
引っ越しやどこかに遊びに行くときも守ってもらいました。
だからこそ無事に帰国することができたのだと思います。
今回工業団地付近の水かさが増え、大変な思いをなさっている日本人の方が多いと思います。
こんなときだからこそ、タイの人と手を取り合ってこの難を乗り切って欲しいと思っています。
日本も3月11日に大震災が起きましたが、自然災害などの緊急事態を乗り切るには、普段からお互い助け合いの心でいたいですね。
近所の人とそう話すことはなくても、互いに笑顔であいさつしいい関係を保っていたいと思います。
人間、いつ誰の世話になるかわかりません。
経済的にリードしている国だけがいつも正しいわけではない。
人からの圧力が一番のストレスである。
その国にはその国に合った考えや知恵があり、優れた人もいる。
タイに行かなければ分かりませんでした。
大切なことを教えてくれたタイ王国を応援し続けます。
そして多くの皆様の無事をお祈りします。
それでは、今回はこの辺で失礼します。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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